家賃収入があれば、住宅ローンを増やせる?
結論 :家賃収入があっても借入額が自動的に増えるわけではない
A 家賃収入がある場合、その収入を審査で使えるかは金融機関と商品によります。賃料の総額ではなく、経費や所得、物件の借入返済、入居状況等の確認が必要です。月10万円の家賃が入るから、住宅ローンの返済を月10万円増やせるという計算はしないでください。
税務上も不動産の総収入と、必要経費を差し引いた不動産所得は別の数字です。審査で何を年収へ加えるかは銀行の取扱いを確かめます。今の家を将来貸す予定の人も、見込家賃を確定収入として足さず、現在の住宅ローンの契約と合わせて相談してください。[資料19]
家賃の入金は、税務上の所得や借入返済後の現金と同じではありません。銀行が不動産所得を採用する条件と、関連借入をどう扱うかを確認します。家賃があるから返済余力が自動的に増えるとは限らず、空室、修繕、管理、税、借入もあります。自宅の住宅ローンへ回す額を、満室時の家賃だけで決めず、賃貸と家庭の資金を別々に整理します。
家賃から出ていく費用を整理する
管理費、固定資産税、保険、修繕、募集費、共用設備等の負担を確認します。借入がある物件はその返済も別に書きます。毎月の家賃入金、税務上の所得、返済後に残る現金を分けると、審査と家計の両方を説明しやすくなります。経費の扱いは正式な申告資料で確認してください。
例えば年120万円の家賃でも、費用と返済に年90万円出るなら、単純に住宅返済へ120万円使えるわけではありません。この数字は収支を分けるための仮定です。税金や将来修繕に残す金額も考え、預金口座の入金額だけを見て自宅の予算を増やさないようにしましょう。賃貸借契約の更新時期、家賃の振込日、保証会社や管理会社からの入金条件も確認し、賃料が遅れたときの連絡と資金の備えを決めておきます。
仮定例で月家賃15万円から管理・保険・税等の月換算4万円、借入返済8万円を差し引けば、現金の単純残額は3万円です。所得計算では減価償却等も関わり、同じ数字になるとは限りません。大規模修繕の積立も必要です。家賃15万円を全額自宅の返済へ加えず、費用と返済を二重に差し引いていないかも含め、資料に沿って計算してください。
賃貸物件の借入と担保を申告する
物件ごとに所有名義、ローン残高、返済額、担保、保証の状況を整理し、申込先の質問に沿って伝えます。事業用や賃貸用の借入を返済負担率でどう扱うかは商品により確認が必要です。計算から除かれる場合でも、現実の支出がなくなるわけではありません。
給与から不足を補っている賃貸物件があれば、その赤字も家計に入れます。会社や親族との間の貸借・保証がある場合も、関係を曖昧にしないでください。銀行から求められる資料の範囲を確認し、賃貸物件の契約と本人の返済責任を正しく説明することが重要です。
賃貸用借入、物件、残高、返済、担保、保証を一覧にします。自宅との共同担保等があれば権利の関係を示します。住宅ローン審査で返済をどう算入するかは商品により確認します。対象外として扱われる借入がある場合でも、実際の支払いがなくなるわけではありません。銀行の計算と家計の資金繰りを分け、返済負担を省略せず全体で確認することが重要です。
空室と修繕が重なる場合を試す
今は満室でも、退去や家賃下落、設備交換が重なる可能性があります。すべての将来を予測する必要はありませんが、数か月空室になる、給湯器等の交換が出るなどの仮定で、自宅返済を続けられるかを見ます。賃貸経営の予備資金と家族の生活資金は分けておきましょう。
例えば賃料が入らない期間も、物件の借入、税金、管理の支払いは続くことがあります。その負担を自宅の頭金として使い切った預金で補う計画になっていないか確認します。家賃収入を自宅返済の中心にするほど、賃貸物件側の変動が暮らしへ伝わりやすいことを家族で共有してください。
一括借上げ等の契約がある場合も、家賃の改定、解約、修繕の負担を契約で確認します。毎月一定の入金があることだけで、将来も同じ額が保証されると判断しないでください。銀行へは契約と実際の収支を示し、家計では条件が変わった場合の手元資金も試算します。
空室と修繕を同時に想定します。仮定例で月15万円の家賃が3か月入らず、別に修繕50万円が必要なら、予定との差は95万円です。賃貸ローンや税等の支払いはその間も続きます。家の頭金へ預金を使い切ると、この不足が生活費へ波及します。空室率や修繕費は物件の状態に合わせ、必ず満室が続く試算だけで自宅の予算を引き上げないでください。
自宅を貸す予定は借入先へ先に相談する
今の自宅を賃貸し、新居の住宅ローンを組む場合は、既存ローンの用途と届出条件を確認します。自己居住用として借りた住宅を、借入先へ知らせず自由に賃貸へ変えてよいとは限りません。新居の銀行だけでなく、既存の借入先にも利用目的の変更を相談してください。
「いずれ貸せば返せる」という計画では、募集開始、想定家賃、空室期間、改修、管理費等が未確定です。具体的な賃貸収支を不動産会社へ相談し、その見込みを銀行がどう扱うか確かめます。賃貸できない場合にも新居の支払いが成り立つか、売却する案との比較も必要です。
現在の自宅を新居完成後に貸す予定なら、その自宅の既存ローンの利用目的を確認します。無断で賃貸へ転用してよいとは限りません。新居の審査にも、既存残高と利用変更を正確に伝えます。まだ借主が決まらない見込家賃は、確定入金と区別します。引越し、募集、空室、修繕等の費用を加え、二つの物件を同時に持つ期間の現金も見てください。
収入の採用額と残す資金を確認する
銀行への質問は「不動産所得の何年分を使うか」「賃貸物件の返済をどう計算するか」「今後貸す自宅の見込収入を使えるか」です。必要な申告書、賃貸借契約、返済表等を確認します。家賃収入を申告する際も、税務上の金額と実際の借入・入居状況を一致させてください。
住宅会社には、賃貸経営の資金を残した後に使える自己資金と、家庭が安定して負担できる額を伝えます。家賃収入はプラスの材料になり得ますが、現金を使い切ってよい根拠にはなりません。自宅と賃貸物件の両方が維持できる返済額から、家の総予算を決めましょう。
相談では、申告書・不動産所得の内訳、返済表、賃貸契約、経費等を求められる範囲で示します。銀行が認める額と、保守的に家計へ回せる額を並べます。賃貸の予備資金を別に残し、それでも余る現金から自宅の返済を考えます。「収入源が二つある」という安心感だけでなく、空室と本人の減収が重なったときにも生活が続く計画を確認してください。
関連URL
1 国税庁 不動産所得
不動産所得の収入と必要経費の関係を確認できます。家賃の入金額をそのまま返済余力にしないための資料です。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm
2 住宅金融支援機構 フラット35のご利用条件
給与以外の収入と既存返済を含む利用条件を確認できます。賃貸物件の借入の扱いは銀行に個別確認します。
https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html










