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家族の介助が必要になったら、そのトイレに二人入れる? 広さ・扉・手すりの位置をどう考える?

結論

介助を考えるトイレは、広さを何畳にするかだけでは決められません。私なら、使う本人がどう近づき、座り、立ち、介助する人がどこへ立つかを確認します。二人の体が入っても、必要な動作ができなければ使いやすいトイレとは言えません。本人と支援する専門家の意見を聞き、便器、扉、手すりの位置を一緒に考えます。

国土交通省の住宅設計ハンドブックでも、トイレへ近づく向きや使用する車いす、介助の条件などに応じて、確保する空間を分けて説明しています。掲載された一つの寸法だけを取り出し、どの人にも対応できると判断するものではありません。私も共通の面積だけで合格とせず、利用条件から検討します。[1]

本人ができる動作と必要な支援を聞く

まず、本人がどこまで自分で行い、どの動作に手助けが必要かを確認します。立って向きを変えられるか、車いすから移るかなどで、使う場所が違います。ここは住宅会社が身体の状態を診断する部分ではありません。本人、家族、介護やリハビリなどの専門家から、設計に必要な条件を聞きます。

TOTOも、車いすを使う人の身体状況や便座への移り方は一人ずつ異なることを説明しています。公共トイレの事例を住宅へそのまま当てはめるのではなく、動作に違いがあることを知る資料として使います。一般的な車いす用という名称だけで、自宅の本人に合うと決めないことです。[2]

例えば仮に、便器へ横から近づきたい人と、正面から近づきたい人では、空けたい場所が違います。介助する人が左右どちらへ立つかでも条件は変わります。家族の想像だけで姿勢を決めず、必要な動作を専門家へ確認し、その条件を平面図へ写してもらいましょう。

まだ介助が必要でない段階では、将来の状態を細かく決めることはできません。私なら、今すぐすべてを固定するより、変更しやすい部分と先に準備する部分を分けます。扉や壁の位置、隣の空間をどう使えるか、手すりを設けるための準備など、建物側で選択肢を残せるかを相談します。

便器へ近づくまでの経路を含める

トイレの内部が広くても、入口までの廊下や曲がり角で使いにくくなる場合があります。使う補助具があるなら、その実際の寸法を確認します。入口を真っすぐ通るのか、直前で向きを変えるのかも描きます。国土交通省の資料も、入口に至る向きによって必要な有効幅の条件を分けています。[1]

図面に書かれた扉の幅だけでなく、開けた状態で実際に通れる幅を確認します。枠、扉の厚み、引き残しなどを考えた有効な範囲を設計者へ説明してもらってください。通れることと、操作できることも分けて考えます。

扉を開ける人がどこに立つかも重要です。本人が自分で操作するのか、介助する人が先に開けるのか。その順番によって、扉の手前に必要な場所が変わります。引き戸にすれば無条件で解決するとせず、取っ手、開閉の重さ、鍵の操作まで本人に合うかを実物で確認します。

扉を閉める状態も描きます。開け放せば使えるとしても、本人がプライバシーを守って使いたい希望があります。介助者が中へ入ると閉められないのか、外で待つ間は閉められるのかを確かめます。動作の都合だけで本人の希望を後回しにせず、どこをどう調整できるかを相談します。

手すりは本人の動作と下地を合わせる

手すりは付いていれば十分というものではありません。どこを持ち、どちらの手で体を支えるかを、本人と専門家へ確認して位置を決めます。壁や器具へどのように取り付けられるかも、製品の指定と建物の条件で確認します。家族が便利そうな高さへ自己判断で付ける進め方は勧めません。

国土交通省のハンドブックは、利用者の必要に応じて後から手すりを設置できるよう、壁の下地の強度や補強できる仕様を考えることを示しています。新築時には、将来どの面へ設けられるかを設計者へ相談し、下地の位置や記録を残してもらうと、後の検討に使えます。[1]

既に介助が必要な場合は、今使う手すりや便器の条件を具体的に選びます。はね上げる形式などを検討する場合も、動かすときに本人や介助者の位置と重ならないかを確認します。製品名だけで選ばず、実物や図面で一連の動作を確かめることです。必要な介助の方法は専門家へ相談します。

紙巻器、洗浄操作、手洗い、収納なども、本人が届く位置にあるかを確認します。手すりを付けたことで操作部分へ近づきにくくならないでしょうか。掃除の道具や予備の物を置いた後も、介助に使う空間が残ることが必要です。便器の周囲を後から物で埋める前提にはしません。

広げ方と日常の使い方を比べる

必要な空間を確保するため、隣の洗面や脱衣の場所との関係を調整する案があります。ただし同じ空間へまとめることが、どの家族にも合うとは限りません。ほかの家族が同時に使う時間や、本人が見られたくない範囲を確認します。広さだけを解決して生活上の不便を増やさないことです。

図面で分かりにくければ、安全に支障のない方法で床へ便器や収納の外形を示し、専門家と位置関係を確認する方法があります。家族だけで無理な持ち上げや移乗を再現することはしません。実物展示を使う場合も、本人の状態に合う確認方法を相談し、動作の検討は適切な支援を受けて行います。

将来の備えとして計画するなら、どこまで今行い、何を後から変えるかを図面に残します。手すりの下地、扉の変更、隣接空間の使い方などを整理します。将来対応可能という言葉だけではなく、変更する際に何を確認するかが分かる記録にすることを、私は重視します。

深澤の判断と次の行動

私なら、介助を考えるトイレは、面積の大きさより本人と介助者の一連の動作で選びます。入口から便器へ近づき、必要な支援を受け、扉を閉めて使い、外へ出られることまで確認します。誰もが使えるという曖昧な説明より、この本人の条件で何ができるかを具体的にすることが大切です。

次の打ち合わせには、使う補助具の寸法、本人が希望する動作、支援者からの確認事項を用意してください。住宅会社と必要な専門家へ同じ図面を渡し、入口、便器の前と横、手すり、操作部分を順番に確認します。まだ状態が決まっていない場合は、後から変更できる範囲を聞きましょう。

デザインハウス甲府へ相談する際も、広いトイレにしたいという希望に、誰がどう使うことを想定しているかを添えてください。私が大切にしたいのは、家族が助けやすいことと、本人ができることや落ち着きを守ることです。二人が入る広さではなく、必要な動作ができる場所として考えます。

参考資料

[1] 国土交通省  障害者の居住にも対応した住宅の設計ハンドブック

[2] TOTO  パブリックトイレみんなのホンネ

デザインハウス甲府
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