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もし明日、足をけがしたら? 若いうちに建てる家でも、1階だけで数週間暮らせますか?

結論

若い家族の家でも、階段を使いにくい期間を一度想像しておく価値があります。私なら、一階で眠り、食事をし、トイレと洗面を使える場所があるかを確認します。最初からすべての生活を一階へ固定する必要はありません。普段の暮らしを保ちながら、数週間だけ使い方を切り替えられる余地を考えます。

例えば二階に寝室、一階にLDKと水回りがある家なら、一階へ寝る場所を移せば対応できるように見えます。しかし布団やベッドを置くと食卓へ行けない、着替えが二階にしかない、といった問題があるかもしれません。寝具が入るかだけでなく、一日の生活が続くかを確かめることが必要です。

一階で必要な行動をつなぐ

国土交通省の高齢者住宅の設計指針では、寝室とトイレを同じ階に置く基本的な配慮に加え、食事や入浴などの日常生活の場所を同じ階へまとめる考え方が示されています。これは若い人のけがへの一律の仕様ではありませんが、階を移動せず生活するために何をつなぐかを考える参考になります。[1]

私はこの考え方を使い、一階で眠る、食べる、トイレへ行く、洗面を使う、着替える、外へ出るという行動を順に確認します。入浴や移動に必要な方法は、実際の状態に応じて医療や介助の専門家へ相談する部分です。家づくりでは、その相談に合わせて使い方を変えられる空間を残すことを考えます。

例えば仮に二週間、一階で過ごすと想定します。家族が通常どおり食事をし、本人が休む場所をどう両立するかを描きます。一日だけなら食卓を移せても、何週間も続くと不便になるかもしれません。家族全員が生活する時間を重ねて、寝具を置いた後の状態を確認してください。

普段の家事を誰が担当するかも変わる可能性があります。一階で休む人がいつも洗濯をしているなら、別の家族が道具や衣類へアクセスできるかを考えます。部屋の形だけで生活が自動的に回るわけではありませんが、必要な物を無理なく取れる収納は、担当を交代する助けになります。

仮の寝る場所を図面へ置く

リビング横の一室があるなら、寝具の寸法を実際に入れてみます。普段使う机や収納をどこへ移すかも描いてください。物をどかせば寝られますという説明では、その物が別の通路を塞ぐかもしれません。移す先まで決めて初めて、一階の寝る場所を確保できたと考えます。

独立した部屋がない場合は、LDKの一部を一時的に使う案も考えられます。ただし食事や調理の場所からの距離、照明、家族の通行を確認します。夜に休んでいる人のすぐ横で、他の家族がいつまでも活動する配置を本人がどう感じるかを聞きます。寝る場所には落ち着ける条件も必要です。

ベッドを使うか床の寝具を使うかは、本人の状態や希望によります。家族が勝手に低い方がよい、高い方がよいと決めるのではなく、必要な支援を受けて確認します。図面では候補となる寝具の外形と、周囲へ人が立つ場所を描き、相談できる情報を用意しておきます。

プライバシーも考えます。着替えるとき、来客があるとき、少し一人で休みたいときに、どう視線を区切るかを決めます。仕切りを置けば終わりではなく、動く通路を塞がず、必要な空調や換気を使えるかを設計者へ確認してください。仮の場所でも、長時間過ごす場所として扱います。

寝る場所からトイレまでを確かめる

トイレへ向かう道は、距離だけでなく扉や曲がり角、床に置く物を確認します。本人が使う移動の補助具がある場合は、その条件に合わせて専門家と検討します。健康な家族が普通に歩けたから問題ないとは判断しません。予定の図面に、実際に必要な機器と動作を重ねてもらうことです。

出入口の使える幅も確認します。扉の厚みや取っ手、収納の出っ張りを含めると、図面の見た目とは条件が違うかもしれません。担当者へ実際に通れる範囲を説明してもらいます。この回では、一つの幅があればどの状態にも対応できるという共通値は出しません。本人の状態によって必要な配慮が変わります。

夜に使うときの明かりも考えます。寝ている位置から照明を操作できるか、通路が分かるか、他の家族を毎回起こす使い方にならないかを確認します。まぶしさの感じ方や操作しやすさは本人へ聞き、器具の選定と位置は担当者に相談します。暗い中を我慢して移動する運用は前提にしません。

トイレの中で介助が必要になる場合は、部屋の外の経路だけでなく内部の検討が必要です。便器の前や横、扉の操作、手すりなどを、本人と支援者の動作に合わせて確認します。一階にトイレがあることと、本人が使えることは別です。住宅会社だけで決めず、必要な専門家の意見をつなぎます。

生活用品を一階へ移せるか

着替え、洗面用品、携帯電話、日常使う物を一階へ置く場所も考えます。二階へ取りに行くたび家族へ頼む状態を、どこまで減らせるかです。毎日使う分だけを一時的に移す方法なら、大きな収納を追加しなくても対応できる場合があります。本人が選び、扱える位置へ置けることを重視します。

一時的に家具を動かす場合は、安全に扱える物へ限り、重い物を無理に運ぶ前提にはしません。必要なときは業者や支援者へ相談します。移した家具が家族の出入口を塞がないよう、移動先も図面へ入れます。本人の場所を確保した結果、他の家族の生活が成り立たなくならないかを確認します。

玄関から外へ出る経路も残します。通院など外出が必要なとき、玄関までどう移動し、どこで履物を扱うかを考えます。段差のある場所へ自己判断で板を渡すような対処は勧めません。実際に調整が必要になったら、本人の状態と建物の条件を専門家へ伝えて方法を選びます。

深澤の判断と次の行動

私なら、若いから大丈夫という前提だけで二階へ生活機能を集めず、一階へ一時的に寝る場所を作れるかを確認します。将来のために使わない部屋を増やすことより、普段の部屋を切り替えられることを重視します。

次の打ち合わせでは、一階へ仮の寝具を置いた図面を一枚作ってもらってください。そこからトイレ、洗面、食卓、玄関までの経路を描き、移す家具と日常用品の行き先も書きます。本人が休む夜と、家族が活動する昼の両方で使えるかを確かめましょう。

デザインハウス甲府へ相談する際も、一階で数週間過ごすならどう使うかという問いを出してください。私の判断は、普段の便利さを守りながら、生活が変わったときに逃げ道を残すことです。今の体力だけに合わせず、家の使い方を変えられるかまで見ておくと、間取りの選択に意味が生まれます。

参考資料

[1] 国土交通省  高齢者が居住する住宅の設計に係る指針

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
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