子どもから建て替え資金の「援助(頭金)」をもらう際、贈与税がかからないようにする法律上の手続きは?
A. 子どもから親へ現金を渡し、親名義の建物を建てれば、原則として親への贈与です。非課税になるとは限りません。
よく知られている「住宅取得等資金の贈与税の非課税特例」は、父母・祖父母などから子・孫へ贈与する場合の制度です。
子どもから親への援助には使えません。「家族間のお金だから大丈夫」と考え、子どもが建築代金を支払うのは危険です。
年間110万円までは基礎控除の範囲
暦年課税では、1年間に受け取った贈与の合計額が110万円以下なら、通常は贈与税がかかりません。
ただし、110万円は「子ども1人につき」ではなく、親がその年に受けた贈与の合計に対する控除です。
また、最初から「毎年100万円を10年間渡す」と約束すると、1,000万円を受け取る権利の贈与と判断される可能性があります。毎年の贈与は、その都度意思を確認し、振込記録や贈与契約書を残す必要があります。
方法1.贈与として申告する
子どもから受け取った資金を親名義の建物に使うなら、贈与として申告し、必要な贈与税を納める方法が最も明確です。
親が1年間に受けた贈与額から基礎控除110万円を差し引き、残額に対して贈与税が計算されます。
「住宅に使ったから非課税」にはなりません。国税庁の住宅取得資金の非課税制度も、贈与者が受贈者の直系尊属であることを条件としています。国税庁「住宅取得等資金の贈与を受けた場合」
方法2.親子間の貸付にする
子どもから親へ貸す方法もありますが、書類だけの形式では認められません。
少なくとも次の内容を金銭消費貸借契約書に記載します。
- 貸付金額
- 金利
- 毎月の返済額
- 返済期間
- 返済日
- 振込先
- 返済が遅れた場合の扱い
実際に親の口座から子どもの口座へ、契約どおり返済する必要があります。
「余裕ができたら返す」「返済期限なし」「実際には返済していない」という貸付は、贈与と判断される可能性があります。
方法3.子どもが建物持分を取得する
子どもが500万円を負担し、その金額に応じた新築建物の共有持分を取得する方法もあります。
例えば、建物価格2,500万円のうち子どもが500万円を負担するなら、基本的には子どもの持分を5分の1とする考え方です。子どもが自分の持分を取得するために支払ったのであれば、親への贈与ではありません。
ただし、次の問題が発生します。
- 親の土地に子ども名義の建物持分ができる
- 将来の売却に子どもの同意が必要になる
- 子どもの相続や離婚の影響を受ける可能性がある
- 住宅ローンの担保設定に影響する
- 他の兄弟姉妹との相続トラブルにつながる
贈与税だけでなく、登記と将来の処分まで考える必要があります。
子どもが建築会社へ直接払っても同じ
「親の口座を通さず、子どもが住宅会社へ直接500万円を振り込めば贈与にならない」ということではありません。
親だけが建物を所有するのに、子どもが代金を負担すれば、その負担分は親への贈与と判断される可能性があります。重要なのは振込先ではなく、誰が負担し、誰が財産を取得したかです。
契約前に決める
建物完成後に名義や持分を直すと、別の贈与や登記費用が発生する可能性があります。
建築契約前に、次のどれにするか決めてください。
- 贈与として申告する
- 正式な親子間融資にする
- 子どもが負担額相当の建物持分を取得する
- 援助額を減らし、親自身の資金計画へ戻す
デザインハウス甲府では、子どもから援助を受ける場合、「誰の口座から、いくら支払い、建物を誰の名義にするか」まで確認します。
**家族間で最も危険なのは、善意のお金を曖昧に動かすことです。**建築契約や送金の前に、税理士と司法書士へ確認してください。










