記事詳細

太陽光発電の価格に、足場・電気工事・申請費は含まれている?

太陽光発電の価格に、足場・電気工事・申請費は含まれている?

A. 見積書によって違います。「太陽光8kW・160万円」と書かれていても、足場・電気工事・申請代行・電力会社の工事費負担金まで含まれているとは限りません。売電・自家消費を始められる状態までの税込総額を確認してください。

太陽光発電の広告では、

太陽光発電8kW搭載
1kW当たり20万円

というように、容量と本体価格だけが強調されます。

しかし、屋根の上へパネルを載せるだけでは、家庭で電気を使ったり、余った電気を売ったりすることはできません。

太陽光発電に必要な主な費用

項目 主な内容
太陽光パネル 発電するモジュール本体
架台・金具 屋根へ固定する部材
パワーコンディショナー 直流電気を家庭用の交流へ変換
接続箱・ケーブル パネルと機器を接続
発電モニター 発電量・使用量の確認
屋根工事 金具取付・防水処理
足場 屋根上作業の安全確保
電気工事 配線・ブレーカー・分電盤接続
申請費 電力会社・FIT・補助金など
系統連系 電力会社の設備と接続
工事費負担金 電力会社側の工事が必要な場合
搬入・揚重 パネルを屋根まで運ぶ
消費税 税別表示の場合に追加

どこまでが「太陽光発電システム価格」に含まれているかは、販売会社によって異なります。

「システム価格」と「設置総額」は違う

太陽光発電の価格表示には、主に3種類あります。

1.機器だけの価格

  • 太陽光パネル
  • パワーコンディショナー
  • 架台
  • モニター

工事費を含まない商品価格です。

2.設置工事込み価格

機器代に屋根取付工事を加えた価格です。

ただし、足場、電気工事、申請費が別になっていることがあります。

3.系統連系まで含む総額

  • 機器
  • 屋根工事
  • 足場
  • 電気工事
  • 申請
  • 系統連系
  • 税金

まで含み、実際に発電・自家消費・売電を始められる状態の価格です。

比較すべきなのは、3番目の金額です。

足場は別料金になりやすい

新築工事中で、外壁工事用の足場を太陽光工事にも使用できれば、太陽光専用の足場費を抑えられる可能性があります。

しかし、次の場合は別料金になりやすくなります。

  • 太陽光工事までに外壁足場を撤去した
  • 太陽光業者が住宅会社の足場を使用できない
  • 安全設備を追加する必要がある
  • 屋根の勾配が急
  • 平屋で屋根面積が大きい
  • 敷地が狭く特殊な足場が必要
  • 完成後に太陽光を追加する

足場費の目安

条件 概算費用
新築足場を共用 0~10万円程度
太陽光専用足場 15万~30万円程度
急勾配・狭小地・特殊足場 30万~50万円以上

「新築だから足場代は不要」とは限りません。

住宅会社と太陽光施工会社が別の場合、足場の使用責任や保険の問題で共用できないこともあります。

電気工事はどこまで含まれる?

太陽光発電には、次の電気工事が必要です。

  • パネルからパワーコンディショナーまでの配線
  • パワーコンディショナーから分電盤までの配線
  • 太陽光発電用ブレーカー
  • 売電・買電計測用機器
  • 接地工事
  • 通信・モニター配線
  • 配管・配線カバー
  • 必要に応じた分電盤変更
  • 蓄電池を将来設置するための準備

見積書に「設置工事込み」と書かれていても、屋根上の施工だけを指し、屋内電気工事が別になっている場合があります。

電気工事だけで15万~40万円程度かかることもあります。

分電盤の変更が必要になる場合

既存の分電盤や契約後に決めた分電盤が、太陽光発電に対応していない場合があります。

  • 太陽光用ブレーカーを入れる場所がない
  • 主幹容量が合わない
  • パワーコンディショナーの出力に対応できない
  • 蓄電池・EV充電設備との連携ができない
  • 計測機器を設置するスペースがない

契約後に分電盤を変更すれば、追加料金が発生します。

太陽光、蓄電池、EV充電器、オール電化を採用する場合は、すべてを一緒に電気設計する必要があります。

申請は一つではない

太陽光発電には複数の手続きがあります。

電力会社への系統連系申込み

太陽光発電設備を電力会社の送配電網へ接続する手続きです。

東京電力エリアの新築住宅では、電気を使用する供給側の申込みと、太陽光発電による購入側の申込みが必要と案内されています。東京電力「新築建物に太陽光を設置する場合」

FIT事業計画認定

FIT制度による固定価格買取を利用する場合に必要です。

設備情報、設置場所、所有者、パネル・パワーコンディショナーの型式などを登録します。

売電先との契約

余剰電力を買い取る電力会社などとの契約です。

FITを利用しない場合でも、売電するなら契約条件を確認する必要があります。

補助金申請

国・県・市町村などの補助制度を利用する場合は、別途申請が必要です。

工事着手前の申請が条件になることもあるため、「完成後に申請すればよい」とは限りません。

メーカー保証登録

パネル、パワーコンディショナー、施工保証などの登録です。

保証開始日、所有者名、施工写真などが必要になる場合があります。

申請費の目安

手続き 代行費の概算
電力会社への連系申請 2万~5万円
FIT認定申請 2万~6万円
売電契約手続き 0~3万円
補助金申請代行 3万~10万円
保証登録・書類作成 工事費に含む~数万円
合計 3万~15万円程度

会社によっては「申請費一式」としてまとめられています。

自社申請なのか、行政書士や専門業者へ依頼するのかによっても変わります。

電力会社の工事費負担金が出ることもある

一般的な住宅用太陽光では、電力会社側の大規模工事が不要なことも多くあります。

しかし、系統の状況によっては、

  • 電柱設備の変更
  • 引込線の変更
  • 計量設備の変更
  • 系統側設備の工事

などが必要になり、工事費負担金が発生する場合があります。

東京電力も、工事費負担金が発生する場合は、支払い後に工事着手となることを案内しています。東京電力「低圧工事のお申込み」

金額は電力会社の検討後でなければ確定しないことがあります。

見積書の「申請費込み」が、電力会社から後日請求される工事費負担金まで含むのか確認してください。

8kW・160万円が218万円になる例

項目 金額例
太陽光8kWシステム・屋根取付 160万円
専用足場 20万円
電気・分電盤工事 25万円
申請代行費 8万円
搬入・揚重費 5万円
合計 218万円

広告価格は160万円でも、実際に使用できる状態までの総額は218万円です。

差額は58万円。金利2%・35年の住宅ローンで支払えば、58万円の総支払額は概算約81万円になります。

「8kW」の意味も確認する

太陽光発電の容量には、次の2つがあります。

  • 太陽光パネルの合計出力
  • パワーコンディショナーの出力

例えば、

パネル出力8kW
パワーコンディショナー出力5.5kW

という構成もあります。

パネル容量をパワーコンディショナー容量より大きくする設計自体が、直ちに問題というわけではありません。しかし、「8kWシステム」とだけ説明されると、何の容量か分かりません。

見積書には両方を記載してもらいます。

屋根保証への影響も確認する

太陽光パネルを取り付ける方法には、

  • 屋根へ穴を開けて固定
  • 金属屋根の継ぎ目へ固定
  • 屋根材専用金具で固定
  • 太陽光一体型屋根

などがあります。

施工会社や工法によっては、住宅会社の屋根防水保証へ影響する可能性があります。

契約前に確認する項目は次のとおりです。

  • 誰が屋根へ施工するのか
  • 屋根へ穴を開けるのか
  • 雨漏り保証は何年か
  • 住宅会社と太陽光会社のどちらが保証するか
  • 台風・積雪荷重を確認しているか
  • 撤去・交換時の屋根補修は誰が負担するか

太陽光会社を施主が別に手配する場合は、雨漏りが起きたときに、住宅会社と太陽光会社の責任が分かれる可能性があります。

契約前に確認する15項目

  1. パネルメーカー・型式
  2. パネル合計出力
  3. パワーコンディショナー出力
  4. 架台・金具
  5. 屋根取付工事
  6. 防水処理
  7. 足場
  8. 搬入・揚重費
  9. パワーコンディショナー
  10. 分電盤・ブレーカー工事
  11. モニター・通信設備
  12. 系統連系申請
  13. FIT・売電申請
  14. 電力会社工事費負担金
  15. 消費税

最も重要な質問は、これです。

「この金額で、発電した電気を家庭で使い、余った電気の売電を開始できるところまで完成しますか?」

「太陽光設置工事込み」という答えだけでは不十分です。

価格は1kW単価だけで比較しない

太陽光発電協会も、設置業者の比較では初期投資だけでなく、1kW当たりの価格、保証、屋根形状への適合などを総合的に判断するよう案内しています。太陽光発電協会「設置までの流れ」

比較すべきなのは、

  • パネルの容量
  • 発電シミュレーション
  • 設置総額
  • 足場・電気・申請
  • 屋根・施工保証
  • パワーコンディショナー交換費
  • 将来の撤去・処分費

です。

太陽光8kW・160万円は、発電設備の値札にすぎません。家庭で使い、売電を始められるまでの218万円が本当の総額です。

正直な住宅会社は、パネル価格だけを安く見せず、足場・電気工事・申請・保証まで含めた完成価格を契約前に提示します。

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
営業時間 9:00~18:00 / 定休日 水曜日

PAGE TOP ▲
ライン
フェイスブック
ツイッター
インスタ
イベント情報
電話番号
お問い合わせ