地鎮祭・上棟式・近隣挨拶の費用まで予算に入れるべき?
A. 行うか未定でも、現金で10万~20万円程度は予算に入れておくべきです。ただし、地鎮祭も上棟式も義務ではなく、やらないから工事に影響することもありません。
住宅会社の見積書には、地鎮祭の初穂料、上棟時の差し入れ、近隣挨拶の品物代などが含まれていないことがあります。
一つひとつは数千円から数万円でも、合計すると意外に大きな現金支出になります。
3つを行う場合の費用目安
| 項目 | 簡素に行う場合 | 一般的な内容 | こだわる場合 |
|---|---|---|---|
| 地鎮祭 | 2万~3万円 | 3万~5万円 | 5万~8万円 |
| 上棟式・差し入れ | 1万~3万円 | 5万~15万円 | 20万~40万円以上 |
| 近隣挨拶 | 5,000~1万円 | 1万~3万円 | 3万~5万円 |
| 合計 | 3万5,000~7万円 | 9万~23万円 | 28万~53万円以上 |
地域、参加人数、住宅会社の方針によって変わります。
一般的な住宅なら、まずは10万~20万円を現金予算として確保しておけば安心です。
地鎮祭はいくらかかる?
地鎮祭は、着工前に土地の神様へ工事の安全を祈願する儀式です。神社本庁も「工事の無事進行・完了と、土地・建物の安全を祈願する祭り」と説明しています。神社本庁「地鎮祭」
主な費用は次のとおりです。
- 神社へ納める初穂料
- お供え物
- 祭壇・テント・椅子
- 神職の出張費
- 竹や砂などの設営費
山梨県内でも、稲積神社では建築に関する出張祭典の初穂料を2万円から、甲斐住吉神社では地鎮祭の祈祷料を3万円からと案内しています。稲積神社「建築の祭り」、甲斐住吉神社「御祈祷」
初穂料を包む封筒には「初穂料」または「玉串料」と書きます。山梨県神社庁では、地鎮祭や上棟祭などの場合は「初穂料」、水引は紅白または白封筒と案内しています。山梨県神社庁「神社神道豆知識」
ただし、祭壇やお供え物を神社が用意するのか、住宅会社が用意するのかによって総額が変わります。
契約前に、こう確認してください。
「初穂料以外に、祭壇・お供え物・テントの費用はいくらかかりますか?」
地鎮祭をやらなくても問題ない?
地鎮祭は、法律上も工事上も必須ではありません。
- 家族の考え方
- 宗教上の理由
- 費用
- スケジュール
- 遠方からの建築
などを理由に、行わない家庭もあります。
簡素にしたい場合は、現地で家族と住宅会社だけで土地を清める方法や、神社で祈祷を受けてお札をいただく方法もあります。
地鎮祭を行わないから、住宅会社や職人が手を抜くことはありません。
もし、そのような不安を感じさせる住宅会社なら、儀式以前に会社選びを見直すべきです。
上棟式は費用差が最も大きい
上棟式は、建物の骨組みが完成した段階で工事の安全を願い、職人へ感謝を伝える行事です。
現在は、本格的な式を行わず、施主が現場を見学して飲み物やお菓子を渡すだけのケースも増えています。
簡素な上棟
- 飲み物
- 個包装のお菓子
- 持ち帰り用の弁当
合計で1万~3万円程度です。
一般的な上棟式
- 神事または簡単な式
- 弁当・飲み物
- 職人への手土産
- 棟札
- 神職への初穂料
参加人数によって、5万~15万円程度になることがあります。
餅まきまで行う場合
餅、お菓子、硬貨、会場準備、近隣への案内などを含めると、20万~40万円以上かかる場合があります。
職人への御祝儀は必要?
御祝儀は義務ではありません。
「棟梁には3万円、職人には1万円ずつ」といった慣習が残る地域もありますが、住宅会社によって対応は異なります。
会社の方針で、現金や贈答品の受取りを禁止している場合もあります。施主が独断で用意する前に、必ず現場監督へ確認してください。
「御祝儀や弁当は必要ですか。会社として受取りのルールはありますか?」
御祝儀を渡さなければ施工品質が下がる、ということはあってはなりません。
職人の仕事は、御祝儀ではなく工事請負契約によって保証されるものです。
近隣挨拶は予算に入れた方がよい
地鎮祭や上棟式は任意ですが、近隣挨拶はできる限り行うことをおすすめします。
工事中には、次のような負担を近隣へかける可能性があります。
- 工事車両の出入り
- 騒音や振動
- ほこり
- 道路上での荷下ろし
- 一時的な通行制限
- 職人や重機の出入り
挨拶品は、500~1,500円程度の消耗品で十分です。
例えば10軒へ1,000円の品物を配れば、商品代は1万円。袋や予備を含めて1万2,000~1万5,000円程度を見ておけばよいでしょう。
高額な品物よりも、
「いつから、どのような工事が始まり、どこへ連絡すればよいか」
を明確に伝える方が重要です。
住宅会社だけの挨拶でよい?
住宅会社は、工事開始前に近隣へ工期や連絡先を説明します。
しかし、可能なら施主も一緒に挨拶した方が、その後の関係は良くなります。
役割は次のように分けます。
| 説明する人 | 主な内容 |
|---|---|
| 住宅会社 | 工期・作業時間・工事車両・緊急連絡先 |
| 施主 | 今後住むことの挨拶・工事への理解のお願い |
建て替えの場合は、解体工事前と新築着工前で、二度挨拶が必要になることもあります。
住宅会社によって「含まれる範囲」が違う
次の費用を住宅会社が負担する場合と、施主負担にする場合があります。
- 地鎮祭の設営費
- 祭壇や竹の準備
- お供え物
- 棟札
- 近隣への挨拶品
- 上棟時の飲み物
- 職人の弁当
「地鎮祭は3万円だけ」と思っていたら、設営費が別に3万円請求されることもあります。
契約前に、次のような一覧を出してもらいましょう。
地鎮祭・上棟式・近隣挨拶について、住宅会社負担と施主負担を分けてください。
住宅ローンではなく現金で準備する
初穂料、御祝儀、差し入れ、挨拶品などは、施主が直接支払うことが多く、住宅会社の請負契約額に含まれない場合があります。
そのため、住宅ローンへ入れられる前提ではなく、現金で準備しておく方が安全です。
おすすめの予算設定は次のとおりです。
- 地鎮祭だけ行う:5万円
- 地鎮祭+簡素な上棟:10万円
- 地鎮祭+上棟式+近隣挨拶:20万円
- 餅まきなど本格的に行う:30万~50万円
地鎮祭も上棟式も、家を建てるための必須工事ではありません。大切なのは、周囲に合わせて無理をすることではなく、家族が納得して行うことです。
儀式は自由。しかし、契約後に現金が足りなくなるのは自由では済みません。
正直な総額表示とは、建物代だけを見せることではありません。こうした見積書の外で支払う費用まで、契約前に伝えることです。










