Q.地盤が固ければ液状化の心配もない?
支持力と液状化リスクの違いは?
A.普段の支持力が十分でも、それだけで液状化の心配がないとは判断できません。支持力は建物の荷重を支える性質、液状化は地震時に地盤の状態が変わる現象です。土質、地下水、地層、地形や履歴等を確認し、通常の地盤調査でどこまで評価できたかを分けて考えてください。
建物を支える力と地震時の変化を分ける
液状化は、主に地下水で満たされた緩い砂質土等が地震で揺すられ、土の粒子同士で荷重を支える状態が変化する現象です。地表に水や砂が噴き出す、建物が沈む・傾く、埋設物が浮き上がるなどの被害が生じる可能性があります。
地表が舗装されている、歩くと硬い、近所で長く家が建っている、といった見た目や経験だけでは、地下の条件は分かりません。表面の下にどのような地層があり、地下水がどこにあるかを確認する必要があります。
一般的な戸建ての地盤調査で、許容支持力と沈下を検討している場合でも、液状化判定を同じ範囲で行っているとは限りません。SWS試験の抵抗の数値だけを見て、液状化しないという結論を出さないでください。
地盤工学会も、従来のSWS試験結果だけでは液状化判定ができないことを示しています。必要に応じて土質や地下水等の情報を追加し、どの方法で評価するかを専門家が判断します。調査名だけで判断できる範囲を広げないことが重要です。
ハザード情報から敷地の確認へ進む
自治体の液状化ハザード情報、過去の地形や航空写真、埋立て・盛土等の履歴を調べます。ただし、地図の色は一定の想定や範囲で示す情報です。色が付いていないことを、個々の住宅敷地で液状化が起こらない証明にはできません。
山梨でも、海から遠いことだけで対象外とは考えません。河川沿い、旧河道、埋め戻した土地等の条件を、地盤の専門家へ共有します。地域名だけで危険又は安全と断定せず、候補地ごとの資料を確認してください。
購入前と設計前に確認したい項目
・地形、土地の履歴、自治体の液状化関連情報。
・土質、地層、地下水について得られた資料。
・実施した調査と、液状化の評価の有無・方法。
・建物、地盤、配管、外構の対策範囲と費用。
対策を検討するときも、地盤改良済みの一言では内容が分かりません。支持力や沈下を対象とする改良と、液状化の発生や被害を対象とする対策は区別します。今回の工法が何を目的にし、どの条件へ対応するかを確認します。
建物の沈下を抑える計画でも、庭、駐車場、給排水管、道路等の被害まで同じように防げるとは限りません。基礎を支える方法だけで判断せず、被災後の生活に関わる設備や敷地も検討します。
地盤が横へ動く側方流動等についても、敷地の条件に応じて検討が必要です。建物の直下だけを補強したことを、周辺地盤全体の変形への保証と受け取らないでください。対策の限界を設計者へ説明してもらいます。
保証や保険は、液状化などの自然災害の扱いを個別に確認します。地盤保証の書類があるから、敷地や配管を含む全損害が対象とは限りません。対象、免責、請求に必要な資料を、契約前に確かめておきます。
土地が安い場合は、取得費に加えて調査、対策、造成や設備の費用を総額で比較します。対策が可能か分からない段階で予算を使い切らず、購入判断の前に住宅会社と地盤の専門家へ資料を見てもらうことが重要です。
住宅会社には「この報告書は通常時の支持力と、地震時の液状化を、どこまで分けて評価していますか」と聞きます。硬そうという印象から、調査した範囲と必要な備えが分かる判断へ進められます。
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参照資料 B01、B02、B09、B10










