Q 予備費を残して希望を実現するには?
工事予算・未確定費用・手元資金を分ける予算表の作り方は?
A 予備費を残すには、使える総予算を決めたうえで、確定額、概算、未計上の費用、工事の予備費を分けて管理します。生活や教育、老後のために残す手元資金は、工事の予備費とは別です。見積もりの空欄をゼロ円と扱わず、条件が確定するたびに残額を更新しましょう。
建築に使えるお金と残すお金を分ける
初めに預貯金のうち、住宅取得へ使える金額を決めます。住宅金融支援機構の資金計画シミュレーションでも、貯蓄等の総額と、住宅取得や諸費用に充てる自己資金を分けて入力します。教育資金、老後の生活資金、毎月の収支も確認し、借入可能額だけで予算を決めないことが必要です。[G15]
仮に預貯金800万円のうち生活等の手元資金として300万円残し、500万円を住宅取得に使うとします。借入予定3,000万円なら、計画上使える総予算は3,500万円です。この300万円は各家庭へ一律にすすめる金額ではありません。収入の安定性や家族構成、今後の支出から個別に設定します。
借入予定額は、希望すれば全額が使える確定資金ではありません。審査、融資対象になる費目、自己資金の使い方、実行時期を金融機関と確認します。申請中の補助金や売却予定の資産も、金額と入金時期が未確定なら、そのまま確実な支払原資として見込まないよう整理します。
確定額と未確定額を同じ予算表で管理する
表は、使える総予算3,500万円に対する税込の仮の配分例です。実際の見積もりでは、建物、敷地工事、外構、諸費用、家具家電などの項目ごとに、金額の状態を付けて管理します。
| 金額の状態 | 仮の配分 | 記録する内容 |
| 確定額 | 2,600万円 | 合意した工事と仕様 |
| 概算 | 500万円 | 根拠と確定する時期 |
| 未計上費用の仮置き | 100万円 | 項目名と確認予定日 |
| 工事の予備費 | 200万円 | 使途と使用後の残高 |
| 計画合計 | 3,400万円 | 総予算3,500万円以内 |
確定額2,600万円、概算500万円、まだ見積もりがない費用の仮置き100万円、工事の予備費200万円で、計3,400万円です。予算との差100万円は、未確定条件を確認したうえで配分を考える余地です。「予備費が200万円あるから、さらにオプションへ200万円使える」と二重に数えてはいけません。
概算欄には金額だけでなく、調査中の内容、想定する工事範囲、見積もりを取る日を記載します。未計上欄も「登記等確認中」「カーテン未選定」のように名前を付け、概算枠を置きます。既に概算へ入れた工事費そのものを予備費へもう一度計上せず、予備費はその増額や新たな必要工事への備えとして分けます。
仮に概算の500万円が580万円へ増えた場合、予備費200万円を維持するなら総額は3,480万円、余裕は20万円になります。予備費から80万円を充てて総枠を維持する方法もありますが、その場合の予備費残高は120万円です。どちらの扱いにするかを記録し、使った後も200万円残っているように表示しないでください。
支払日ごとの資金不足も確かめる
総額が足りていても、契約金や中間金を払う時点で現金が足りないことがあります。住宅会社への支払日、土地代や登記費用の支払日、融資が実行される日を時系列に並べます。つなぎ融資などが必要なら、利用条件と利息・手数料を加えます。支払う総額と支払える時期を、別々に確認することが必要です。
工事の予備費に決まった万能の割合はありません。地盤や造成、解体の有無、希望仕様の確定度などで必要な備えが変わります。調査済みだから予備費ゼロでよいとも限りません。担当者に残る不確定要素を挙げてもらい、金額を見積もる前提と、いつ分かるかを共有しましょう。
確認質問は「未確定の工事と仮置き額は何ですか」「予備費を使った後の残高はいくらですか」「引き渡しまでに現金が不足する時点はありませんか」です。資金計画と月々の返済を併せて試算し、固定資産税、保険、修繕や設備交換の積立も入居後の家計へ入れます。これらは工事予備費と別に準備する支出です。
オプションを追加するときは、変更前後の総額、予備費残高、生活用の手元資金を一緒に確認します。見積もりの最終ページに余裕があっても、未計上の必要費用があれば使えるお金は減ります。希望の追加は、必要な調査と見積もりがそろい、残すお金を確保できると確認してから決めましょう。
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