Q 解体工事は住宅会社経由と直接発注のどちらが得?
調査・撤去範囲・工程調整までどう比べますか?
A 解体工事は、住宅会社経由と直接発注で同じ撤去範囲をそろえ、事前調査、処分、整地、新築との工程調整まで含めて比較します。直接発注の工事費が低くても、別途の撤去や追加対応が必要なら差額は縮まります。調査や適正な廃棄物処理を確保した案の中から選びましょう。
建物以外の撤去範囲を先に確認する
比較用の資料には、建物の構造と面積だけでなく、物置、カーポート、塀、庭木、既存基礎、浄化槽などの撤去対象を書き込みます。残す境界標や利用する給排水設備も区別します。建物だけの解体費と、敷地全体を新築できる状態にする費用を同じ金額だと考えないことが大切です。
室内に残る家財の処分も工事に含まれるかを確認します。施主が処分する物と業者が扱う物を事前に分け、自治体のルールや適切な処分方法に沿って手配します。引越し後に荷物が残ったため着手できない、追加の搬出作業が増えるといった事態を避けるため、撤去期限も共有します。
石綿の有無を確認する事前調査は、解体の見積もりで特に確認したい項目です。厚生労働省の発注者向け案内も、事前調査費用の計上などを確認するよう求めています。調査と、石綿が確認された場合の除去・処分費は区別し、必要な対策が未確定なら別途費用の条件を明記してもらいます。[E4]
発注方法を変えた後の総額で比べる
住宅会社経由では、新築の工程や引き継ぎをどこまでまとめて行うのかを確認します。直接発注では、施主、解体業者、住宅会社の連絡担当を決め、着工条件と完了時の確認方法をそろえます。住宅会社の管理費が減る場合も、代わりに必要な調整費や作業を比較へ含めます。
| 確認対象 | 両案でそろえる内容 |
| 撤去・残置 | 建物、基礎、塀、樹木、設備、家財 |
| 調査・処理 | 石綿調査、必要な対策、廃棄物処理 |
| 追加条件 | 地中障害物、残土、追加数量と承認方法 |
| 新築への引継ぎ | 整地、利用設備、完了確認、工程調整 |
仮の例で、住宅会社経由が税込180万円、直接発注の提示額が155万円でも、後者に含まれない同じ撤去対象の処分費10万円と、必要な工程調整費5万円が加われば、比較総額は170万円です。差額は25万円ではなく10万円となります。これは相場ではなく、比較範囲を合わせる計算例です。
一方の見積もりだけに事前調査や養生が入っていない場合は、必要な費用を加えて再見積もりを取ります。単に項目を削って安い方へ合わせるのではなく、両方とも同じ完成状態と調査・処理の条件にします。残土や地中障害物は発見時の対応と、写真・数量・単価の提示方法を決めておきます。
解体工事に伴う許可・登録や、分別解体・再資源化、届出等の適用も担当業者へ確認します。山梨県は建設リサイクル法の対象工事と届出制度を案内しています。対象や提出先は工事条件で確認し、誰が手続きを行うかを明確にします。手続きのための期間も着工予定に組み込みましょう。[E5]
新築へ引き継ぐ状態を合意する
解体前には、水道、ガス、電気等の停止・撤去と、工事中に使う設備の扱いを関係先へ確認します。再利用を予定する管や設備を誤って撤去しないよう、残置する位置を図面や現地で共有します。上下水道の利用条件と配管費の見直しはNo27で扱い、ここでは引き継ぎの範囲を決めます。
担当者には「建物以外に何を撤去し、何を残しますか」「石綿調査と追加対策は見積もりのどこに入っていますか」「新築会社が受け取る敷地の状態はどう決めますか」と質問します。地中の残置物などを新たに発見した際には、費用と工期を説明してから進める手順も確認します。
工事完了時は、撤去範囲、整地の状態、残す設備、隣地との境目を写真で記録し、必要な処理・再資源化の報告等を受け取ります。新築会社も現地確認できる日程にすると、着工直前の食い違いを減らせます。建物の滅失登記の手配が必要かも確認し、登記の依頼範囲はNo28へつなげます。
解体の発注先を決める基準は、建物面積当たりの単価だけではありません。必要な調査と撤去、適正処理、新築工事への引き継ぎをそろえた総額で判断します。価格差に加えて、追加条件を説明できること、連絡と工程調整の責任者が明確であることも確認して選びましょう。
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参考資料 E4 E5










