Q 住宅ローンは金利だけで比べてよい?
諸費用・返済期間・金利上昇時の総支払額をどう計算しますか?
A 住宅ローンは、金利だけでなく、借入額、返済期間、初期費用、保障、金利が変わる場合の負担をそろえて比較します。月額を下げるために期間を延ばすと、利息の総額や完済年齢が変わります。まず同じ条件で計算し、返済期間と金利を変えた場合の家計への影響を確認しましょう。
比較の基準と含む費用を決める
候補ごとに、借入額、元利均等・元金均等、ボーナス返済、適用金利、団信、事務手数料や保証料等を記載します。「月々の返済額」と「元金・利息の合計」と「諸費用も含む負担」は区別します。住宅金融支援機構も、返済額の計算と、諸費用を含む比較を案内しています。[F12]
手数料の定額型・定率型等の詳しい比較はNo25へ分け、本項では返済期間と金利条件による差を扱います。諸費用を借入れに含める場合は元金も変わるため、最初は借入額をそろえて比較し、その後、手元に残す資金を考慮して必要な借入額を計算し直します。
試算の条件は、借入額3,000万円、元利均等、毎月返済、ボーナス返済・繰上返済なしとし、比較用の初期費用60万円は現金で別に払うものとします。以下の金利は全期間変わらない仮定です。実際の商品金利、手数料、将来の金利の予測を示すものではありません。
月々の差と総額の差を同時に見る
| 仮の返済条件 | 月返済の概算 | 元利+初期費用 |
| 35年 年1.5% | 約91,855円 | 約3,918万円 |
| 30年 年1.5% | 約103,536円 | 約3,787万円 |
| 35年 年2.5% | 約107,249円 | 約4,564万円 |
| 35年 年3.5% | 約123,987円 | 約5,267万円 |
35年・年1.5%を30年・年1.5%に変えると、仮の計算では月返済が約1万1,681円増え、元金・利息・初期費用の合計は約131万円減ります。短期化は総額を下げても、毎月の家計に余裕が必要です。教育費や退職後の収入と照合し、無理なく払える条件かを判断します。
一方、35年のまま年1.5%を年2.5%として最初から計算すると、月返済は約1万5,393円増えます。比較表は金利差への耐性を調べるためのものです。今後途中で金利が上がる実際の変動金利ローンの返済推移を、そのまま表しているわけではないことに注意しましょう。
実際に途中から金利が変わる試算では、変更時点までの返済、残高、残りの期間、変更後の金利を使います。さらに、契約上の金利見直しと返済額への反映時期も確認します。借入当初の金利だけを全期間へ当てはめた合計を、変動金利の将来の確定額として扱わないことが大切です。
金利上昇と完済年齢を家計に反映する
変動金利の返済額については、いわゆる5年ルールや125%ルールがすべての商品に付くわけではありません。SBI新生銀行の案内には採用しない取扱いも示されています。候補の金融機関へ、適用の有無、返済額の改定時期、利息が増えた場合の元金の減り方を確認します。[F13]
借入時の年齢に返済年数を足し、予定する完済年齢も比較表へ記載します。35年で借りて後から短縮する計画なら、そのための繰上返済資金を、何の収入からいつ確保するかを具体化します。「余裕があれば返す」分を、確実に実行できる返済として総額から差し引かないようにします。
家計では、ローンに固定資産税、火災・地震保険、修繕、設備交換等の積立を加えて住居費を確認します。月返済が年収の一定割合以内という条件だけで判断せず、教育費や車の更新、老後資金を確保した後に残る金額を見ます。金利が上がった条件でも、手元資金を急に使い切らない計画が必要です。
担当者には「同じ借入額で30年と35年の返済予定を出してください」「金利が変わった時点の残高から試算できますか」「諸費用と団信をそろえた総額はどう違いますか」と質問します。金融機関ごとの計算結果には、条件の日付と、金利が決まる時点も記載してもらいましょう。
表の数字は、毎月返済額を丸める前の数値で元利合計を計算し、表示を円または万円単位に丸めた概算です。実際の端数処理や初回返済等で差が生じます。候補が絞れたら金融機関の正式な返済予定で確認し、借りられる額ではなく、生活と貯蓄を守って返せる額へ調整します。
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