Q8. リバースモーゲージの「金利上昇リスク」に備えるための対策
Q
68歳で自宅の建て替えを考えています。銀行からリバースモーゲージ型住宅ローンを提案されましたが、「変動金利なので将来返済額が上がる可能性がある」と言われて不安です。金利上昇リスクには、どう備えればよいのでしょうか?
結論
リバースモーゲージ型住宅ローンを利用する場合は、金利が1%上がっても生活が崩れない返済計画にしておくことが重要です。
多くのリバースモーゲージ型住宅ローンは、毎月の返済が「利息のみ」となる一方で、変動金利の商品が中心です。
そのため、借入額を抑える、自己資金を残す、金利上昇時の返済額を事前に試算する、家族と出口戦略を決めておくことが大切です。
金利上昇で何が変わるのか?
リバースモーゲージ型住宅ローンでは、元金を毎月返済せず、利息だけを支払う商品があります。
例えば、借入額が2,000万円の場合、
金利**年2.0%**なら、
年間利息は40万円
毎月の利息返済は約3万3,000円です。
しかし、金利が**年3.0%**になると、
年間利息は60万円
毎月の利息返済は約5万円になります。
つまり、金利が1%上がるだけで、毎月の負担は約1万7,000円増える可能性があります。
対策① 借入額を建築費いっぱいまで増やさない
リバースモーゲージ型住宅ローンで最も危険なのは、借りられる上限まで借りてしまうことです。
例えば、
建替え総額が2,500万円の場合、
2,500万円すべてを借りるのではなく、
- 自己資金 500万円
- 借入 2,000万円
というように借入額を抑えることで、金利上昇時の影響を小さくできます。
金利が上がったときに苦しくなるのは、建物価格ではなく、借入残高です。
対策② 生活予備資金を残す
シニア世代の建て替えでは、退職金や預貯金をすべて建築費に使うのは危険です。
医療費、介護費、車の買い替え、家電交換、固定資産税、火災保険など、建て替え後も出費は続きます。
目安として、最低500万円、できれば1,000万円程度の生活予備資金は手元に残しておくと安心です。
対策③ 金利1%・2%上昇時の試算を先に見る
契約前に必ず確認したいのは、
「今の返済額」ではなく、
金利が1%上がった場合
金利が2%上がった場合
の返済額です。
例えば、借入額2,000万円の場合、
金利2.0%では毎月約3万3,000円
金利3.0%では毎月約5万円
金利4.0%では毎月約6万7,000円
になります。
この金額を年金収入の中で払えるかどうかを確認することが重要です。
対策④ 元金の返済方法を家族で決めておく
リバースモーゲージ型住宅ローンでは、契約終了時に元金を返済します。
多くの場合、
- 自宅を売却して返済する
- 相続人が一括返済する
- 相続人が借換えを検討する
などの方法があります。
「子どもに家を残すのか」
「売却して返済する前提なのか」
この出口を決めずに契約すると、相続時に家族間でトラブルになる可能性があります。
対策⑤ ノンリコース型かリコース型か確認する
住宅金融支援機構の「リ・バース60」には、金融機関によってノンリコース型とリコース型があります。
ノンリコース型は、担保物件の売却代金で返済しても残債が残った場合、相続人に不足分を請求しないタイプです。
一方、リコース型は、売却代金で返済しきれない場合に、相続人へ不足分の返済が求められる可能性があります。
相続人の負担を考えるなら、この違いは必ず確認すべきポイントです。
対策⑥ 建物の性能で将来の支出を抑える
金利上昇に備えるには、ローンだけでなく、建てた後の支出を減らすことも重要です。
老後の家では、
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル・UA値0.46以下が目安)
- 気密測定によるC値1.0以下、できれば0.7以下
- 耐震等級3(許容応力度計算)
- 段差5mm以下のバリアフリー設計
を意識することで、光熱費、健康リスク、将来のリフォーム費用を抑えやすくなります。
安く建てても、寒い家、地震に弱い家、段差の多い家では、老後の出費が増える可能性があります。
法律・制度の根拠
リバースモーゲージ型住宅ローンは、住宅金融支援機構の**「リ・バース60」**を活用した商品が多く、満60歳以上を対象としています。
住宅ローン契約は、民法に基づく金銭消費貸借契約です。
また、金融機関は金融庁の監督指針に基づき、利用者の返済能力やリスク説明を踏まえて審査を行います。
ノンリコース型・リコース型の確認は、相続人の負担に関わるため、契約前に必ず金融機関へ確認する必要があります。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県では、60代・70代で「寒い家を暖かい平屋に建て替えたい」というご相談が増えています。
リバースモーゲージ型住宅ローンは、毎月の返済を抑えられる便利な制度です。
しかし、金利上昇リスクを見ないまま借りると、老後の家計を圧迫する可能性があります。
大切なのは、
借りられる金額ではなく、金利が上がっても安心して暮らせる金額で計画することです。
デザインハウス甲府では、建物価格だけでなく、ローン、光熱費、断熱性能、耐震性能、将来の暮らしまで含めた総額でご相談いただくことをおすすめしています。










