リバースモーゲージの「金利上昇リスク」に備えるには?
リバースモーゲージは、毎月の返済を利息だけに抑えられる点がメリットです。しかし、元金が減らないため、変動金利が上昇すると、その影響が毎月の返済額に直接表れます。
「利息だけだから負担が軽い」と考えるのではなく、金利が上がっても年金収入で払い続けられるかを確認することが重要です。
金利が1%上がると、いくら増える?
金利が1%上昇した場合の負担増は、次のように計算できます。
| 借入額 | 金利1%上昇時の月額増加 | 金利2%上昇時の月額増加 |
|---|---|---|
| 1,000万円 | 約8,300円 | 約1万6,700円 |
| 1,500万円 | 約1万2,500円 | 約2万5,000円 |
| 2,000万円 | 約1万6,700円 | 約3万3,300円 |
たとえば2,000万円を借りた場合、毎月の利息はおおむね次のようになります。
- 金利2%:約3万3,000円
- 金利3%:約5万円
- 金利4%:約6万7,000円
- 金利5%:約8万3,000円
月3万円台なら払えても、医療費や介護費が増える時期に月8万円を払い続けられるかは、慎重に考えなければなりません。
また、金利2%のまま25年間借りても、支払う利息は単純計算で約1,000万円です。それでも元金2,000万円は残ります。金利4%なら、25年間の利息は約2,000万円に達し、さらに元金2,000万円が残る計算です。
固定金利型も比較する
住宅金融支援機構の「リ・バース60」には、変動金利型だけでなく全期間固定金利型もあります。固定金利なら、市場金利が上昇しても毎月の利息返済額は変わりません。
ただし、固定金利は当初の金利が高くなる場合があり、取り扱う金融機関も限られます。現在の返済額だけでなく、90歳・100歳まで生きた場合の総支払利息で比較する必要があります。
なお、全期間固定金利型はノンリコース型のみとされています。商品内容は金融機関によって異なるため、最新条件を確認してください。住宅金融支援機構「リ・バース60」
「金利が何%までなら払えるか」を先に決める
契約前には、現在の金利だけでなく、少なくとも次の3段階で試算します。
- 現在の金利
- 現在より1%上昇
- 現在より2~3%上昇
年金などの手取り収入から、生活費、税金、保険料、住宅修繕費、医療・介護費を差し引き、残った金額の範囲で利息を支払えるか確認します。
「金利が上がったら貯金を取り崩せばよい」という考え方だけでは不十分です。預貯金には、生活費の予備資金、医療・介護資金、住宅設備の交換費用も含まれているからです。
最も確実な対策は、借入額を小さくすること
金利上昇リスクを抑える最も確実な方法は、借入額そのものを減らすことです。借入額を100万円減らせば、金利が1%上昇した際の負担を毎月約830円抑えられます。
ただし、退職金や預貯金をすべて頭金に入れるのも危険です。必要な現金を残したうえで、建物を適正な大きさにする、設備のグレードを整理する、外構工事を段階的に行うなど、総額を調整します。
耐震・断熱・気密・換気といった、完成後に直しにくい基本性能まで削るのはおすすめしません。
山梨県では「死亡後に売れば返せる」とは限らない
山梨県では、地域や敷地条件によって住宅の再販が難しく、金融機関の担保評価が伸びないことがあります。そのため、希望額を借りられない、あるいはリバースモーゲージ自体を断られるケースもあります。
「死亡後に家を売れば元金を返済できる」と決めつけず、建築契約の前に金融機関の担保評価と事前審査を受けてください。相続人に追加負担を残したくない場合は、売却代金が残債を下回っても相続人へ不足分を請求しない、ノンリコース型を基本に検討します。
金融機関に確認したいこと
契約前には、次の点を必ず確認しましょう。
- 変動金利・固定金利・固定期間型のどれか
- 金利を見直す頻度と返済額が変わる時期
- 金利が1%・2%・3%上昇した場合の返済額
- 全期間固定金利型を選べるか
- 元金を途中返済できるか、手数料はいくらか
- 配偶者が契約を引き継げるか
- ノンリコース型か
- 担保評価額と死亡後の売却方法
一般的な住宅ローンにある返済額の「5年ルール」「125%ルール」が適用されると思い込んではいけません。商品ごとの契約内容を確認してください。
まとめ
リバースモーゲージは月々の返済が安い住宅ローンではありません。元金を返していないため、当面の支払いが利息だけになっている仕組みです。
デザインハウス甲府では、現在の金利だけでなく、金利が2~3%上昇した場合や90歳・100歳まで暮らした場合も含めて資金計画を確認します。建物本体だけでなく、付帯工事や諸費用まで含めた総額を把握し、老後資金を残せる建替え計画を考えることが大切です。
年金世帯が選ぶべきなのは、「今日払える金利」ではなく、上がっても生涯払い続けられる金利と借入額です。










