Q.お客様が「将来高く売れる家にしたい」と言ったら、保証できないことをどう説明しますか?
A.将来の売却価格や買い手が見つかる時期は、住宅会社が確約できるものではありません。私は、売却しやすさを考える設計や記録の保存は提案できても、その工夫が特定の価格を保証するような説明はしたくありません。現在調べられる地域の取引条件と、将来変わる需要を分け、売れたお金を過大に見込まない計画が必要だと考えています。
現在の相場と将来の予測を区別します
周辺の売出し価格は、実際に成約した価格とは限りません。また、近い地域でも道路、土地の形、交通、建物の状態などによって条件が違います。広告で見かけた高い価格を、そのまま自分の家の将来価格として扱わないことが大切です。
査定を受ける場合は、いつ、どんな条件で売る想定かを確認します。時間をかけて買い手を探す価格と、早期の売却を重視する価格では見方が変わる場合があります。査定額は売買契約で確定した代金ではないことも、家族で共有してください。
今は便利な地域でも、人口、交通、商業施設、災害情報などの条件が変わる可能性があります。住宅会社が説明できる現在の情報と、予測にすぎない事項を分けます。将来の開発や値上がりを、確定した利益のように説明することはできません。
家の状態を説明できる準備をします
性能の計算や証明、設計図書、施工の記録、点検と修繕の履歴は、家の状態を次の人へ伝える材料になります。資料があるだけで高値になるとは限りませんが、何を建て、どう管理したかを確認しやすくする意味があります。工事をしたら記録も更新してください。
例えば、耐震や断熱の性能を説明する場合は、住宅会社の宣伝文句だけでなく、対象の住宅についての資料を残します。改修で構造や設備を変えた場合は、変更した範囲と時期を記録します。建築時の性能が、その後も無条件に保たれていると推測しないことが重要です。
間取りは、自分たちの暮らしに合うことを優先しつつ、将来変更できるかも考えます。ただし、誰にでも売れる万能の間取りはありません。将来の買い手のためだけに現在の生活を我慢するより、使い方を説明し、変更の条件を残せることを重視します。
売却できる額と手元に残る額を分けます
売却代金からは、住宅ローンの返済や売却に必要な費用などを差し引いて考えます。高く売れたように見えても、残債や諸費用によって手元資金は変わります。次の住まいの購入費や引っ越し費も合わせ、住み替え全体で不足しないかを確認してください。
検討時には次の4点を分けて整理します。
・現在確認できる地域の取引情報。
・家の性能と状態を説明できる資料。
・将来の価格や需要の不確実さ。
・売却時の残債と諸費用や次の住居費。
説明用の試算では、売却額を一つに固定せず、低い場合や売却まで時間がかかる場合も置きます。実際の査定を示すものではなく、予定どおり売れなくても生活を続けられるかを確かめるためです。根拠のない値上がりを前提に借入れを増やすことは勧めません。
特別な買取りや価格保証の商品があると説明された場合は、通常の見込みと分け、契約主体、期間、条件、手数料、対象外の事項を確認します。「保証」という名称だけで、いつでも希望する価格で売れるとは判断できません。書面を受け取って内容を確かめてください。
売却を想定する場合も、定期的に見通しを更新します。建てた年の相場を長く使い続けず、住み替えを考えた時点の状況と建物の状態で、改めて必要な資金を確かめます。
私は、売却価値への希望を否定したいわけではありません。維持管理と記録など、今からできる準備を具体的にし、約束できない価格は約束しないことが必要です。当社へも、将来の値段を聞くと同時に、どんな資料と管理を続ければ家の状態を伝えられるかを相談してください。
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