生前贈与で「相続時精算課税制度」を利用して建て替えるメリット・デメリットは?
Q
75歳の父が「建て替え資金を生前に援助したい」と言ってくれています。税理士から「相続時精算課税制度」という制度を勧められましたが、よく分かりません。この制度を利用すると、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
結論
相続時精算課税制度は、多額の資金を生前に贈与しても一定額までは贈与税が課税されず、相続時にまとめて精算する制度です。
建て替え資金を援助する際には有効な制度ですが、一度選択すると原則として暦年課税(年間110万円の基礎控除による課税方法)へ戻ることはできません。
利用するかどうかは、建て替えだけでなく、将来の相続まで考えて判断することが重要です。
相続時精算課税制度とは?
相続時精算課税制度とは、
父母や祖父母などから子や孫へ財産を贈与した場合に、
一定額まで贈与税を抑え、相続時にその贈与財産を相続財産へ加算して相続税を計算する制度です。
「今の贈与」と「将来の相続」を一体で考える制度と言えます。
建て替えではどんなメリットがある?
例えば、
父から建て替え資金として
1,500万円
の援助を受ける場合でも、
この制度を利用すれば、
まとまった資金を贈与しやすくなります。
そのため、
- 自己資金を増やせる
- 借入額を減らせる
- 毎月の住宅ローン負担を軽減できる
などのメリットがあります。
シニア世帯の建て替えでは利用されることが多い制度の一つです。
一番のデメリット
最大の注意点は、
一度この制度を選択すると、原則として暦年課税へ戻れないことです。
つまり、
毎年110万円まで非課税となる暦年課税制度との選択を自由に変更することはできません。
そのため、
将来の贈与計画まで考えたうえで選択する必要があります。
相続税はなくなる?
いいえ。
「相続税がゼロになる制度」ではありません。
贈与した財産は、
相続が発生した際に、
原則として相続財産へ加算され、
相続税が計算されます。
そのため、
相続税対策だけを目的に利用する制度ではありません。
令和6年以降の改正ポイント
令和6年(2024年)以降は制度が改正され、
毎年110万円までの基礎控除が創設されました。
この基礎控除額以内の贈与については、一定の条件のもとで相続財産への加算対象外となる仕組みが導入されています。
制度内容は今後も改正される可能性があるため、最新情報を確認することが重要です。
利用する際の注意点
制度を利用するには、
贈与を受けた年の翌年に、
贈与税の申告
を行う必要があります。
税金が発生しない場合でも、
申告をしなければ制度を利用できません。
シニア世代の建て替えではどう考える?
建て替えでは、
相続時精算課税制度だけで判断するのではなく、
- 住宅取得等資金の贈与税の非課税措置
- 小規模宅地等の特例
- 建物の名義
- 相続税
まで含めて考えることが重要です。
制度を単独で考えるのではなく、
相続全体の設計をすることが成功のポイントです。
法律・制度の根拠
相続時精算課税制度は、相続税法に基づく制度です。
令和6年税制改正により、年間110万円の基礎控除が創設されました。
制度の内容や申告方法については、国税庁が公表しています。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県でも、
「建て替え資金を親が援助してくれる」
というケースは少なくありません。
しかし、
制度だけを見て判断すると、
将来の相続で後悔することがあります。
私たちは、
建築だけではなく、
- 相続
- 贈与
- 名義
- 資金計画
- 税金
まで含めて考えることをおすすめしています。
建て替えは「家を新しくすること」だけではありません。
家族の資産を次の世代へどう引き継ぐかまで考えることが、本当に成功する建て替えだと考えています。










