YouTubeをやっている会社は信用できる?
こんなご相談をいただきました
住宅会社を探していると、YouTubeで家づくり情報を発信している会社がたくさん出てきます。
社長や営業担当者が顔を出して詳しく説明していると、信用できそうに感じます。YouTubeを積極的に更新している会社は、安心して家づくりを任せられるのでしょうか?
A. YouTubeをしているだけでは信用できません。ただし、社長の考え方、実際の建築現場、価格、失敗事例まで継続して公開している会社なら、判断材料は大幅に増えます。
見るべきなのは、動画の本数や再生回数ではありません。
「会社にとって不都合な情報まで話しているか」と「動画の説明を契約書へ書けるか」です。
再生回数と住宅の品質は関係ない
再生回数が10万回を超えている住宅会社を見ると、人気があり、施工実績も多いように感じます。
しかし、再生回数が伸びる理由は住宅の品質だけではありません。
- 強いタイトルやサムネイル
- 有名人やインフルエンサーの出演
- YouTube広告の利用
- 動画制作会社による企画
- 視聴者の不安をあおる内容
- 全国向けの一般的なノウハウ
動画が面白い会社と、良い家を建てる会社は同じではありません。
登録者数が多くても、地域の施工体制、現場管理、アフターサービスが優れているとは限りません。
ルームツアーだけでは判断できない
完成した家のルームツアーは、住宅会社のデザインや間取りを知るには役立ちます。
ただし、動画で映るのは主に表面です。
- 断熱材の施工状態
- 気密処理
- 基礎や構造
- 防水施工
- 配管・配線
- 現場の整理整頓
- 第三者検査
- 気密測定の結果
こうした重要な部分は、完成後には見えません。
おしゃれなキッチンや大きな吹き抜けだけでなく、工事中の現場を継続して公開しているか確認してください。
信用度が上がる動画の内容
住宅会社を判断するなら、次のような動画があるかを確認します。
- 社長が自分の言葉で方針を説明している
- 実際の施工現場を映している
- 気密測定を一棟ごとに公開している
- 耐震性能の計算方法を説明している
- 本体価格ではなく総額を示している
- 追加費用が発生する条件を説明している
- 自社商品のデメリットも話している
- 引き渡し後の不具合と対応を紹介している
- 建てた施主が入居後の感想を話している
- 数年前から一貫して発信を続けている
会社にとって都合のよい完成事例だけでなく、問題が起きたときの対応まで話せる会社の方が、実態を判断しやすくなります。
危険なのは「他社批判だけ」の動画
再生回数を増やすため、強い言葉で他社を批判する住宅動画があります。
- この断熱材を使う会社は危険
- この間取りは絶対に後悔する
- 大手ハウスメーカーは高いだけ
- ローコスト住宅はすぐ壊れる
- この設備を選ぶ人は損をする
問題点を指摘すること自体は必要です。
しかし、特定の商品や工法を一律に否定し、自社の商品だけを正解にする動画には注意が必要です。住宅は地域、敷地、予算、家族構成によって適切な答えが変わります。
批判の強さではなく、根拠、数値、条件まで説明しているかを見てください。
台本を読んでいるだけでは会社の考え方は分からない
動画は、外部の制作会社へ企画から台本作成まで依頼できます。
出演者が詳しく説明しているように見えても、本人が設計や施工を理解しているとは限りません。
相談時には、動画と同じ質問を営業担当者へ直接聞いてみてください。
例えば動画で「全棟気密測定」と説明していたら、次のように確認します。
- 自分の家も測定するのか
- 目標C値はいくつか
- 測定時期はいつか
- 数値が悪い場合は補修するのか
- 測定結果を書面でもらえるか
その場で答えられない、または動画と説明が違うなら、発信内容と現場が一致していない可能性があります。
過去の動画を確認すると会社の本質が見える
最新動画を数本見るだけでなく、2~3年前の動画も確認してください。
見るべきポイントは、説明の一貫性です。
- 以前と現在で標準仕様が変わっていないか
- 価格表示の範囲が変わっていないか
- 過去に強く推奨した設備を、理由なく否定していないか
- 補助金や制度の古い情報を放置していないか
- コメント欄の質問に誠実に回答しているか
住宅性能や価格が変わること自体は問題ありません。重要なのは、変更理由を説明し、古い情報を訂正しているかです。
YouTubeの説明を契約書に残せるか
動画でどれほど良い説明をしていても、契約内容に入っていなければ、自分の家に適用されるとは限りません。
特に次の項目は、必ず書面で確認してください。
- 建物本体と付帯工事を含む総額
- UA値と断熱等級
- C値の目標と気密測定
- 耐震等級と構造計算方法
- 換気設備の種類
- 住宅設備のメーカーと型番
- 保証期間と有償メンテナンス条件
- 契約後に追加となる可能性がある費用
動画は説明資料であり、契約書ではありません。
「YouTubeで言っていました」だけでは、引き渡し後の保証や補償を求めることが難しくなります。
動画を見た後は実際の現場を見る
YouTubeで候補を絞ったら、次に行うべきことは建築現場の確認です。
完成見学会だけでなく、工事中の現場を見せてもらいましょう。
確認するのは次の点です。
- 現場が整理整頓されているか
- 木材や断熱材が雨に濡れていないか
- 気密処理が丁寧か
- 職人への安全配慮があるか
- 現場監督が工事内容を説明できるか
- 図面と現場が一致しているか
動画の印象と実際の現場が一致して、初めて信用度が上がります。
デザインハウス甲府からのアドバイス
デザインハウス甲府もYouTubeで情報を発信しています。
しかし、「動画を毎日出しているから信用してください」とは考えていません。動画の役割は、契約を迫ることではなく、来店前に会社の考え方、価格、性能、家づくりのリスクを知っていただくことです。
私たちが発信で重視しているのは、住宅会社に都合のよい話だけではありません。
- 建築費以外に必要な付帯工事
- 住宅ローンの金利上昇リスク
- 建て替え後に残すべき老後資金
- 長期保証に必要な有償メンテナンス
- 高性能住宅にもあるデメリット
- 将来売却できない可能性
こうした情報を契約前に知ってもらうことが、正直な家づくりにつながると考えています。
YouTubeを見たら、動画の内容をそのまま質問してください。そして、その回答が見積書、仕様書、図面、契約書、実際の現場と一致するか確認してください。
YouTubeは会社を信用するための証明書ではありません。しかし、会社が何を隠し、何を公開するのかを見抜くための、非常に有効な入口です。










