金利が低い銀行が、総支払も最安になる?
結論 :金利が最小でも総支払が最小とは限らない
A 住宅ローンは、利息に加えて手数料、保証料、団信の上乗せ、登記、途中払いの資金等を含めて比較します。低い金利でも初期費用が大きい場合や、別のつなぎ融資が必要な場合があります。広告金利の小数点以下だけを比べず、自分が借りる額と期間で総額を確認してください。
また、変動と全期間固定、当初だけの優遇等では、将来の金利条件が違います。現在の返済額が小さいことと、将来を含む総支払が必ず小さいことは同じではありません。確定した費用と、金利等の仮定で変わる費用を分けて比較することが重要です。
金利の小ささは重要な比較項目ですが、借入の総費用を全て表すものではありません。手数料、保証、保障、途中払い、繰上返済等が違えば、結果も変わります。借入額、期間、返済方式、保障、利用時期をそろえます。金利が変わる商品の将来額は確定できないため、仮定を明記して複数のケースを比べ、最安と断定する根拠を曖昧にしないことが大切です。
初期費用を円へ直して並べる
定率の事務手数料は借入額を掛け、定額の費用も加えて、契約時にいくら必要かを計算します。例えば仮に3,000万円の借入に手数料2.2%という条件なら、計算上は66万円です。これは商品の提示ではなく説明用の条件で、実際の料率や課税の表示は銀行の見積もりで確認してください。
保証料が別に必要な案、金利へ含む案、事務手数料が中心の案を同じ欄に整理します。「保証料ゼロ」でも他の費用がないとは限りません。電子契約、印紙、抵当権設定、司法書士等の費用も、誰がどこまで提示しているかを確認し、銀行外へ払う分を比較から落とさないようにします。
仮定例で3,000万円の2.2%は66万円、定額5万5,000円との差は60万5,000円です。ただし、この差だけで選ばず、金利・保証等の違いを加えます。費用を現金で払うか借入へ含めるかでも、預金と利息が変わります。「手数料は借りれば負担ゼロ」とは考えず、対象として認められるか、返済へどう反映されるかを確認してください。
返済額は借入条件をそろえて計算する
借入額、年数、元利均等か元金均等か、ボーナス返済、団信をできる範囲でそろえます。月額が安い商品が、単に借入期間を長くしているだけではないかを見ます。返済表で利息総額と残高の減り方を確認し、月額、総支払、退職時の残債を別々に比較してください。
金利がいつ決まるかも重要です。申込時の広告金利が融資実行まで約束されるとは限りません。金利の決定時点、優遇幅の条件、固定期間終了後等の説明を受けます。将来の金利は分からないため、変動する案は複数の仮定で計算し、最低金利がずっと続く前提だけにしないようにしましょう。
比較する返済表は、借入額、期間、元利・元金均等、賞与返済、金利の適用時点、団信等をそろえます。仮定例で3,000万円・35年・元利均等・賞与なし、全期間年1.5%なら月約9万1,855円です。同じ金額を30年へ変えた額と比較しても、差全体を金利差とはいえません。広告の当初月額だけでなく、条件と期間を表へ明記することが重要です。
借りる期間によって費用差を確認する
完済まで返す場合と、途中で売る・大きく繰上返済する場合では、初期費用を負担する意味が変わります。十年後等を仮の比較時点にして、その日までの支払い、残高、清算費用を銀行へ確認します。保証料等の返還がある場合は条件と計算を、返らない手数料はその扱いを確認してください。
途中で必ず借換えできる、売却額で必ず返せるという仮定は置きません。将来の審査や物件価格、諸費用も変わり得ます。今の条件のまま返済を続ける案でも家計が成立することを確認したうえで、途中返済の案を追加の比較として使うと、過度な期待を避けられます。
繰上返済の手数料等は、インターネットと窓口、全額と一部で取扱いが違うかも確認します。将来まとめて返す案を比較するなら、その案で実際に使う手続きを前提に費用を入れてください。住宅会社の簡単な月額表だけでなく、銀行から受け取る条件表と返済予定を保管しましょう。
短期で返す予定なら、当初の手数料負担が比較へ大きく影響する場合があります。長く借りる場合は金利差の影響が積み重なりますが、変動等の将来は仮定で確認します。借換え時の新規費用、繰上返済で戻る費用・戻らない費用等も商品で違います。何年借りると必ず逆転という一般論にせず、自分の返済案と契約条件で計算してください。
工事中の借入と保障も含める
注文住宅では、つなぎ融資や土地先行・分割融資の利息と手数料が加わる場合があります。完成後の住宅ローンだけを比較せず、土地代から引き渡しまでに払う金融費用を合計してください。商品によって利用できる支払範囲が違うため、金額と日程を見せて確認します。[資料22・23]
団信の保障差も明確にします。金利が高い案に必要な保障が含まれている場合、同じ保障へ近づけたときの費用で比べます。ただし、保障内容は完全に同一にできない場合もあります。費用へ換算しにくい差は文章で残し、低金利という一点で必要な条件を切り捨てないようにしましょう。
注文住宅では、土地先行・つなぎ・分割等に必要な利息と手数料を加えます。保障の上乗せ、付随する金利条件のため必要な契約等も確認します。仮定例で本体の利息差が20万円有利でも、途中資金の費用等が30万円増えるなら、関連費用を含む単純差は10万円不利です。費目を同じ範囲にし、二重計上と除外がないように比較します。
総支払と手元資金の両方で決める
銀行には、総返済額と借入に必要な費用の一覧を同じ条件で出してもらいます。家計では、初期費用を払った後の残高も確認してください。総額が低くても、契約時に現金を使い切り、別の借入が必要になれば計画は変わります。手元資金を残す案も比較することが大切です。
最終的には「入居までに払う費用」「返済中に払う費用」「途中で終える場合の費用」を合計します。広告金利の順位を、そのまま家族にとっての安さの順位にはしないでください。数字の前提と保障の違いを確認し、自分の借入期間と生活に合う総負担で選びましょう。
最終表には、当初現金、通常月、総費用の仮定額、途中返済時、金利上昇時、入居後預金を載せます。総額が小さくても初期現金が不足する案は、その不足への対応も必要です。月額、総額、手元資金は別の指標として確認します。家族に合うのは、最小の広告金利そのものではなく、必要な時期に資金が出て、将来の支出と予備費を残せる条件です。
関連URL
1 住宅金融支援機構 住宅ローンシミュレーション
同じ額・期間で返済額を比較する試算に使えます。融資手数料や登記等の費用は別途加えて比較します。
https://www.flat35.com/simulation-info/index.html
2 住宅金融支援機構 新機構団信の加入要件と保障内容
保障内容の違いを確認できます。金利差と同時に、団信の対象・保障・加入条件を照合します。










