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見積もりの「予備費・その他」は何に使うお金? 最後に全部請求されないための確認方法

予備費を設けること自体は、悪いことではありません。建て替えには調査後でないと決まらない費用があるためです。ただし、使い道も精算方法も分からない「予備費一式」を、当然に会社へ支払う代金として受け取ってしまうと、予算に余裕を残したつもりが消えてしまいます。

最初に確かめたいのは、そのお金が家計で確保しておく予算なのか、契約金額に含まれる工事代なのかです。同じ「予備費」という言葉でも意味が違います。何に、どの条件で使い、使わなかったらどうなるかを、一項目ずつ確認してください。

予算の余白と、請負代金の中身を分ける

施主が自分の口座に残しておく予備資金は、追加の事態に備える家計の余白です。一方、見積書に含まれ、そのまま契約代金へ入る金額は、支払義務の対象や精算条件を確認する必要があります。「予備だから安心です」という説明だけでは、この違いが分かりません。

例えば、工事と諸費用の見込みが2,700万円、家計の予備資金が150万円なら、資金計画の総枠は2,850万円です。しかし、2,700万円の中にも地盤工事の概算100万円を入れていたなら、その100万円と150万円は役割が異なります。同じ費用を二重に見込んでいないか確認します。

反対に、見積もりの「その他150万円」が未確定費用の全部をまかなう根拠もないのに、「これで絶対に足ります」と思い込むのも危険です。調査項目と数量が分からなければ、予算の余白が十分かどうかも判断できません。

会社の管理費や利益を含む諸経費まで、不要な予備費として削る話にもすべきではありません。現場管理などのサービスに対する費用と、工事発生が未定の概算枠は別です。項目名よりも、その金額によって何が行われるのかを確認します。

未確定の理由と、確定する時期を聞く

地盤工事なら、調査をしていないのか、調査済みで設計判断待ちなのかで状況が違います。住まいるダイヤルも、設計前の調査が難しい場合には、調査費と補強・基礎変更の見込み費用を確認し、予算へ組み込むよう案内しています。[30]

解体なら、石綿調査の結果待ち、地中の埋設物が未確認、残す塀の範囲が未決定など、未確定の理由を分けます。「現場を見ないと分かりません」で終わらせず、いつ現場を見て、何をもって確定させるのかを質問してください。解体後でなければ確認できない箇所は、図面や現地調査で分かる部分と分からない部分を示してもらいます。その上で追加の可能性を見込むため、最初から分かる工事まで一緒に未確定にする必要はありません。調べる手間を省いた概算と、調べても残る不確実さを区別します。

外構や照明のように、施主が選べば金額を決められるものまで、ずっと予備費に置く必要はありません。希望する内容を早めに伝え、金額を確定する順番をつくります。予備費が多い見積もりを、確定金額の多い見積もりと単純に安い高いで比べないことです。

「使った分だけ精算」の内容を決める

概算で計上する項目には、実際の工事がなかった場合、安く済んだ場合、高くなった場合の扱いを確認します。見積額が自動的に上限になるのか、実費で増減するのか、固定価格で会社が負担するのかは契約次第です。言葉だけで同じものと扱わないでください。

仮に地盤工事の概算を100万円入れ、調査後に必要な工事が税込70万円で確定したとします。差額30万円を減額する約束なのか、別工事へ充当するには再承認が必要なのかを明らかにします。別の項目が増えたからと、説明なく差額を消してよいことにはしません。

追加する場合も、必要な理由、写真や調査結果、数量、単価、追加額、工期への影響を示してもらい、着手前の承認を基本にします。緊急の安全確保が必要な場合の連絡手順も決めておくと、現場を危険なまま止めることと、無制限に費用を認めることを避けられます。

建築以外の支出を「その他」に隠さない

仮住まい、二度の引越し、保険、登記、融資費用、家具の買換えは、建物本体の見積もりとは別に発生し得ます。東京都の購入計画の案内でも、こうした取得価格以外の支出への注意を挙げています。住宅会社へ払わない費用も、家計から出る総額には含めます。[31]

例えば、仮住まい家賃を月7万円で6か月、引越しを2回で計30万円、保管料を6か月で12万円と仮定すれば、合計84万円です。これは地域相場ではありません。工期が1か月延びた場合には、家賃や保管料がどれだけ増えるかまで確認するための計算例です。

老後の生活予備資金を、建築の予備費として二重に使わないことも大切です。病気や介護、車の買換えなどに備えて残す現金は、建築の追加が出たら使い切ってよいお金ではありません。建築で使える上限を、その手前に設けます。

毎回、残りの予備資金を更新する

打ち合わせで一つ変更するたびに、「今回の追加」と「変更後の総額」と「残る予備資金」を同時に確認します。5万円、8万円、12万円と小さく見える変更でも、積み上げれば25万円です。最初に余裕があった記憶だけで判断を続けないでください。

担当者には「未確定項目ごとに、現在の計上額、想定範囲、確定予定、精算方法を並べてください」と頼みます。その一覧に回答できない部分が残るなら、何を調べれば回答できるかも書いてもらいます。すべてを一括でゼロにする値引き交渉より、資金計画に役立ちます。

最終精算では、契約金額、合意した追加・減額、支払済額、残額を照合します。予備費の未使用分がどう扱われたかも確認してください。予算を用意した事実と、その金額の工事を正式に注文した事実は、別々に残しておくことが大切です。

予備資金に余裕が出ても、その場で全額を設備追加へ回す必要はありません。まだ確定していない工事と、引渡し後に払う費用が残っていないかを先に確認します。残ったお金を暮らしの備えに戻す選択も含め、家族で配分を決めるまで自動的な追加発注をしないことです。

予備費は、見積もりの穴を説明しなくてよい便利な欄ではありません。未確定な支出に備えながら、確定できるものを一つずつ確定させるためのお金です。用途、上限や増減の条件、承認、精算を明らかにして、工事が終わった後も手元に必要な現金が残る計画にしましょう。

 

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