記事詳細

自分は現金で買えた9坪の家。売るときに買主が住宅ローンを使えなければ、買ってくれる人は限られますか?

はい。買主が希望する住宅ローンの対象にならなければ、その商品を利用しないと買えない人は候補から外れます。自分が現金で購入できたことは、次の人の資金調達を保証しません。小さな家を現金で建てるときほど、「借りる必要がないから面積条件は関係ない」と片づけないことが大切です。

ただし、9坪だから必ず売れないという意味ではありません。現金で買う人や、別の融資を使える人が選ぶ可能性はあります。問題は、その場所に、その間取りを、その価格で欲しい人が何人いるかです。買主の選択肢が少なくなる可能性を、価格と販売期間に織り込んで考えます。

現金で買えたという実績は買主へ引き継げない

9坪は単純換算で約29.75㎡です。2026年10月のフラット35の公表基準では、中古の一戸建て住宅は床面積50㎡以上が必要です。住宅部分の算定なども確認するため、広告の坪数だけで最終判断はできませんが、一般的な9坪の戸建てはこの商品の面積条件を満たしません。(出典:住宅金融支援機構 フラット35 中古住宅の技術基準)

マンションに設けられている面積条件を、そのまま戸建てへ当てはめてはいけません。また、国の制度で建築できること、住宅ローンの対象になること、税の控除を受けられることも別の確認です。「合法な住宅だから銀行も貸す」という説明では、買主の資金計画はつくれません。

現金購入では、借入審査がないまま取得できるため、この違いが表面化しないことがあります。しかし売却時には買主側の銀行が物件を調べます。売買の話が進んだ後で初めて対象外と分かると、価格交渉以前に取引が止まってしまう可能性があります。

現金購入者だけを想定すると価格の見られ方も変わる

現金で買える人にも、老後の住まいを探す人、一人暮らしの家を探す人、貸家として取得する人などがいます。それぞれ予算と目的が違います。「現金客がいるから大丈夫」と一括りにせず、地域で現実的に想定できる相手を絞ることが必要です。

例えば投資目的の買主は、自分が気に入るかだけでなく、貸した場合の収入と支出を見ます。売主が高額な造作家具を入れていても、その分の家賃が得られないと判断されれば購入価格には反映されにくくなります。建てた費用を知ってもらえば回収できる、という話ではありません。

一方、駅や生活施設への近さ、手入れのしやすさなどを高く評価する買主も考えられます。小さいことが選ばれる理由になる場面もありますが、それを確かめずに「需要はあるはず」と計画するのは危険です。具体的な買主像と、その人が選べる競合物件を並べてみます。

建てる前の相談では、想定する買主の予算上限を一つに決めず、低い価格でも売る必要が生じた場合を考えます。親の介護や仕事の都合で転居を急ぐなら、時間をかけて理想の現金購入者を待てない可能性があります。安く買えたことだけでなく、急いで手放すときに受け入れられる価格の幅を、家計の余裕として持っておきます。

融資が一部出ても自己資金の壁は残る

仮に売値が980万円で、ある買主に対する融資可能額が700万円だったとすると、差額280万円に購入諸費用を加えた現金が必要になります。これは実際の審査結果や相場ではありません。売値が安く見えても、買主が用意する現金は小さくない場合がある、という例です。

買主本人の年収、年齢、他の借入、健康状態なども条件になるため、「この家ならいくら借りられる」と一律には言えません。仲介会社が金融機関を紹介できても、審査の保証にはなりません。融資特約の内容や期限を含め、買主側の資金確認ができる売り方を組み立てます。

買主が使える可能性のある金融機関を調べるときは、建物だけでなく土地の面積や道路、用途も伝えます。金融機関に小さな戸建てとだけ説明して回答を得ても、正式な図面で別の条件が問題になる場合があります。事前の問い合わせを審査済みの証明にせず、どの資料でどこまで確認した情報なのかを区別してください。

土地が広ければ建物の小ささを補えるとは限らない

敷地が十分にあり、建て替えを考える人にも魅力的なら、建物が小さくても土地としての需要を検討できます。ただし、道路、形状、境界、上下水道、地域の購入予算によって評価は変わります。「土地は残る」というだけで、いつでも希望額で売れるわけではありません。

更地を希望する買主なら、既存建物は解体費を伴う対象になることもあります。反対に、そのまま使いたい買主には屋根や設備の状態が重要です。土地向けと建物利用向けの二つの売り方を比較し、どちらが手取り額と販売期間の面で現実的かを確認してください。

契約前に借り手ではなく次の買主を調べる

現金で建てる前でも、地元の仲介会社へ「この延床面積の戸建てを売るなら、どんな人が買い、融資でどこが問題になりますか」と相談できます。新築を売る会社の見通しだけでなく、中古住宅を実際に仲介する側の意見を聞くと、確認すべき点を増やせます。

国土交通省の不動産情報ライブラリでは、取引価格や地域の情報を確認できます。ただし、近隣の成約事例が一つあっても、面積や接道、築年数の違いを無視して自宅へ当てはめることはできません。事例の少なさも含め、仲介会社の査定理由を聞く材料にします。(出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ)

複数の金融機関へ物件条件を確認する場合も、現在の取扱いを調べる作業だと理解してください。二十年後の融資商品まで約束してもらうことはできません。それでも、現時点で使える商品が極端に限られる事実が分かれば、面積や取得価格を見直す判断につながります。

現金で買う強みを将来の身動きにも残す

現金購入には毎月の返済を抱えない利点がありますが、現金を住宅へ集中させると、住み替え時の資金が売却頼みになります。売れるまで次の住まいを確保できない状態にならないよう、生活費や転居費を手元に残すことも、取得時の面積と同時に検討したいところです。

比較するのは「現金なら買えるか」だけではありません。「必要になったら、何か月で、いくらの手取りを見込めるか」です。確約はできなくても、厳しい条件を置いた試算はできます。買うときに銀行を使わない人こそ、売るときに買主が銀行を使えるかまで調べておきましょう。

購入資金を現金で用意する人でも、生活費、医療や介護、次の住まいの資金は残す必要があります。家の売却代金を当てにせず転居できる余裕があれば、買主の条件が整うまで待てます。住宅の面積と手元資金の両方を切り詰めると、価格交渉の場でも弱くなりやすいため、取得時点で将来の資金の置き場所まで考えます。

 

 

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
営業時間 9:00~18:00 / 定休日 水曜日

PAGE TOP ▲
ライン
フェイスブック
ツイッター
インスタ
イベント情報
電話番号
お問い合わせ