窓で後悔する人とは?
窓は「大きければ明るい」「多ければ開放的」ではありません
質問
明るく開放的な家にしたいので、大きな窓をたくさん付けたいと考えています。
窓の位置や大きさを決めるとき、注意することはありますか?
回答
結論から言うと、窓で後悔する人は、窓を「外観と明るさ」だけで決めた人です。
窓には、
- 採光
- 眺望
- 通風
- 断熱
- 日射取得
- 日射遮蔽
- 防犯
- プライバシー
- 気密
- 防音
- 家具配置
- 出入り
という複数の役割があります。
一つの窓にすべての役割を持たせようとすると、窓が大きくなりすぎたり、数が増えすぎたりします。
その結果、
- 夏に暑い
- 冬に寒い
- 外から丸見え
- カーテンを閉めたままになる
- 家具を置けない
- 掃除できない
- 開閉が重い
- 防犯が不安
- 結露する
- 光熱費が増える
という後悔につながります。
窓は多いほど豊かになるのではありません。
必要な場所へ、必要な目的で、必要な大きさだけ付けることが重要です。
窓で後悔する人の共通点
窓で後悔しやすい人には、次の共通点があります。
- 図面上の見た目だけで窓を決めた
- 外から室内がどう見えるか確認していない
- 家具配置を決める前に窓を配置した
- 方位ごとの日射を考えていない
- 大きな窓ほど高級だと思っていた
- 「南側だから大開口」と決めた
- 西日の影響を考えていない
- 開閉方式を比較していない
- 樹脂サッシならすべて安心だと思った
- ガラスの種類を確認していない
- カーテン費用を計算していない
- 窓掃除や高齢後の開閉を考えていない
窓は、完成後に場所や大きさを変更するのが難しい部分です。
間取りの最後に余った壁へ付けるのではなく、暮らし方と一緒に決める必要があります。
後悔1|大きな窓を付けたのに、カーテンを閉めたまま
明るく開放的なリビングにするため、大きな掃き出し窓を付けることがあります。
しかし、窓の外に、
- 道路
- 歩道
- 隣家の窓
- 駐車場
- 集合住宅
- 通学路
があれば、外からの視線が気になります。
せっかく大きな窓を付けても、一日中レースカーテンや遮光カーテンを閉めていれば、光や景色を十分に生かせません。
窓を決めるときは、平面図だけでなく、
- 道路を歩く人の目線
- 隣家の窓の高さ
- 駐車した車からの視線
- 椅子に座ったときの視線
- 夜に照明を付けた室内の見え方
まで確認してください。
窓の大きさより、カーテンを開けたまま暮らせるかの方が重要です。
昼間見えなくても、夜は見える
日中は室内より屋外が明るいため、ガラスの反射によって室内が見えにくい場合があります。
しかし、夜に室内の照明を付けると、外から室内が見えやすくなります。
「昼間に現地を確認したから大丈夫」ではありません。
夜の視線対策には、
- 窓の位置
- 窓の高さ
- 植栽
- 目隠しフェンス
- 外構
- 型板ガラス
- カーテン
- 外付けスクリーン
を組み合わせます。
ただし、目隠しフェンスを後から追加すると、外構費が大きく増える可能性があります。
窓と外構は、別々ではなく同時に計画するべきです。
後悔2|家具を置く壁がなくなった
窓を増やすと、その分だけ家具を置ける壁が減ります。
完成後に、
- テレビを置く場所がない
- ソファの背面が窓になる
- ベッドの頭側に窓がある
- 本棚を置けない
- 収納家具を追加できない
- エアコンの設置場所がない
という問題が起こることがあります。
間取り図には家具が小さく描かれている場合があります。
実際に使用する家具の寸法を入れ、
- 家具本体
- 扉や引き出しの開閉
- 人が通るスペース
- コンセント
- カーテン
- エアコン
まで確認してください。
窓を先に配置するのではなく、暮らしと家具を配置した後に窓を決めます。
後悔3|テレビ画面へ光が映り込んだ
リビングの窓とテレビの位置によっては、日中に画面へ光が映り込み、見にくくなることがあります。
特に、
- テレビの正面に大きな窓がある
- テレビの背面が明るい
- 西日が画面へ当たる
- 吹き抜けの高窓から光が入る
場合は注意が必要です。
完成後は、カーテンを閉める以外に調整できないことがあります。
窓計画では、テレビ、ソファ、照明、太陽の方向を同時に確認します。
後悔4|夏の西日で暑くなった
甲府盆地の窓計画では、西日への対策が非常に重要です。
西日は夏の午後、低い角度から室内へ入ります。
軒や庇だけでは遮りにくく、
- 室温が上がる
- エアコン負荷が増える
- 床や家具が日焼けする
- 眩しくてカーテンを閉める
- 帰宅時に室内が暑い
という問題につながります。
西側の窓は、
- 必要以上に大きくしない
- 日射遮蔽型Low-Eガラスを検討する
- 外付けシェードを設置する
- 植栽や外構で遮る
- 窓の用途を明確にする
ことが重要です。
西側に大きな窓を付けて、室内カーテンだけで対処する計画には注意が必要です。
後悔5|南側の窓を大きくしたのに日が入らなかった
「南側の窓を大きくすれば、冬は暖かい」と説明されることがあります。
しかし、南側に、
- 隣家
- 高い塀
- 集合住宅
- 山
- 樹木
- カーポート
があれば、冬の日射が入らない可能性があります。
夏と冬では太陽高度が違い、隣家の影も変わります。
設計前に、
- 冬至前後の日影
- 夏至前後の日射
- 周辺建物の高さ
- 隣地との距離
- 将来建つ可能性のある建物
を確認してください。
方位が南というだけでは、日射取得を保証できません。
後悔6|窓が多いのに暗かった
窓の数が多くても、必ず明るい家になるとは限りません。
- 窓の外が隣家の壁
- 深い軒がある
- 北側の小窓ばかり
- 廊下や部屋の奥まで光が届かない
- 窓の位置が低い
- 外構やカーポートが光を遮る
場合は、期待した明るさにならない可能性があります。
部屋の奥まで光を届けたい場合は、窓の数だけでなく、
- 窓の高さ
- 天井付近の高窓
- 建具の位置
- 室内の色
- 吹き抜け
- 欄間
- 隣室からの採光
を検討します。
ただし、高窓は清掃や開閉が難しくなるため、採用後の管理方法も必要です。
後悔7|高窓を掃除できなかった
吹き抜けや勾配天井へ高窓を設置すると、光を取り入れやすくなります。
一方で、
- ガラスを拭けない
- 蜘蛛の巣を取れない
- カーテンを付けにくい
- 網戸を掃除できない
- 開閉装置が故障した
- 西日が入っても遮れない
という問題があります。
高所作業を業者へ依頼すれば、定期的に費用がかかります。
設計時に、
- 室内側から清掃できるか
- 外側をどう清掃するか
- 日射遮蔽が必要か
- 電動開閉装置を交換できるか
- FIX窓でよいか
を確認してください。
後悔8|風を通す窓のはずが開けなかった
通風のために窓を設置しても、
- 道路の騒音
- 車の排気ガス
- 花粉
- 黄砂
- 虫
- 防犯
- 隣家の視線
- 夏の高温
- 冬の冷気
によって、実際には開けられないことがあります。
現在の住宅では、24時間換気設備が必要です。
そのため、「換気のために窓をたくさん付ける」という考え方だけで窓を増やす必要はありません。
窓を開ける自然換気と、24時間換気設備による計画換気は別のものです。
窓を開けられない日でも、必要な換気量を確保できる住宅にする必要があります。
風は窓の数だけでは通らない
風を通すには、空気の入口と出口が必要です。
同じ面だけに窓を複数付けても、期待した通風が得られない場合があります。
- 対面する窓
- 角度の異なる窓
- 高低差
- 風向き
- 室内建具
- 隣家との間隔
を考える必要があります。
縦すべり出し窓は、窓面が風を受けることで、外気を室内へ取り込みやすい場合があります。
ただし、風が強い日に開けると、窓や金物へ大きな力がかかる可能性があります。
後悔9|引違い窓ばかりで隙間風が気になった
引違い窓は、開閉しやすく、出入りにも便利です。
一方、構造上、FIX窓や開き窓、すべり出し窓などと比べて気密性能を確保しにくい場合があります。
必要な出入口は引違い窓や掃き出し窓とし、それ以外は、
- FIX窓
- すべり出し窓
- 開き窓
などを使い分ける方法があります。
窓単体の商品性能だけでなく、完成後に住宅全体の気密測定を行い、実測C値を確認することが重要です。
後悔10|縦すべり出し窓が危険だった
縦すべり出し窓は、気密性を確保しやすく、風を取り込みやすいメリットがあります。
しかし、設置場所によっては、
- 開いた窓が通路へ出る
- 人の頭や顔へ当たる
- 強風であおられる
- 隣地側へ張り出す
- 網戸の操作が面倒
- 雨が入りやすい
という問題があります。
玄関脇、狭い通路、隣地境界付近では、開いた状態まで確認してください。
図面では閉じた窓しか描かれていないことが多いため、開閉範囲を確認する必要があります。
後悔11|浴室やトイレが外から見えた
浴室、洗面室、トイレでは型板ガラスを採用することがあります。
しかし、型板ガラスでも、夜に照明を付けると人影や動きが外から分かる場合があります。
特に、
- 浴槽の近く
- 脱衣位置
- トイレの正面
- 道路沿い
- 隣家の2階から見下ろされる位置
には注意が必要です。
窓の高さ、外部の目隠し、ブラインド、防犯まで含めて考えます。
「型板ガラスだから見えない」と決めつけてはいけません。
後悔12|防犯を考えず大きな窓を付けた
戸建て住宅では、窓が侵入口になる可能性があります。
警察庁は、戸建て住宅への侵入では窓からの侵入が大きな割合を占めるとして、防犯合わせガラス、補助錠、ロック付きクレセントなどを案内しています。警察庁「住まいる防犯110番」
特に注意したいのは、
- 道路から見えない窓
- 建物の裏側
- 植栽や塀で隠れた窓
- 足場になる設備が近い2階窓
- 勝手口
- 浴室窓
- 人が入れる大きさの窓
です。
窓を小さくすれば防犯が完成するわけではありません。
- 防犯合わせガラス
- 補助錠
- シャッター
- 防犯センサー
- 人感照明
- 外構の見通し
を組み合わせます。
シャッターを付ければ安心とは限らない
シャッターには、防犯、台風時の飛来物、視線、遮光などの効果が期待できます。
一方で、
- 手動シャッターを毎日閉めるのが負担
- 電動シャッターは将来修理費がかかる
- シャッターボックスが外観へ影響する
- 強風時に開閉できない場合がある
- 長期間使わないと動きが悪くなる
可能性があります。
すべての窓へ一律に付けるのではなく、寝室や大開口など、必要な場所へ採用します。
後悔13|窓を開けるのが重かった
大きな掃き出し窓やトリプルガラスは、ガラス重量が大きくなります。
若いときには問題なくても、高齢になると開閉が負担になる可能性があります。
特に、
- 大型引違い窓
- 重いトリプルガラス
- 頻繁に庭へ出る窓
- 毎日開閉する勝手口
では操作性を確認してください。
ショールームでは、小さな展示窓だけでなく、実際に採用する寸法に近い窓を開閉してみることが重要です。
樹脂サッシでも開閉を確認する
樹脂サッシは断熱性に優れますが、「樹脂ならどんな条件でも万全」というわけではありません。
甲府盆地では、夏の強い日射、高温、西日、濃色枠、大型窓などの条件も考慮する必要があります。
現在の樹脂窓は補強材やガラス接着などで強度が確保され、メーカーも熱変形試験や開閉耐久試験を行っています。
そのため、樹脂サッシが一律に暑さで変形するとはいえません。
一方で、窓寸法、ガラス重量、方位、色、日射、施工精度、躯体の変形などが重なると、建付けへ影響し、開閉が重くなる可能性があります。
樹脂・複合という名称だけでなく、
- 使用可能寸法
- 補強方法
- 外観色
- 方位
- 日射条件
- 取り付け精度
- 保証と調整方法
を確認してください。
後悔14|窓の下枠につまずいた
掃き出し窓からウッドデッキや庭へ出る場合、室内床、サッシ下枠、デッキに段差が生じることがあります。
若いときは気にならなくても、高齢になると転倒の原因になる可能性があります。
一方、室内外を完全に同じ高さにすると、雨水処理、防水、排水などに注意が必要です。
段差をなくすことだけを優先せず、
- 防水
- 排水
- 庇
- デッキ下
- サッシ納まり
- 手すり
- 出入り頻度
まで検討します。
後悔15|カーテン代を予算に入れていなかった
大きな窓や高窓、特殊形状の窓では、カーテンやブラインドの費用が高くなる場合があります。
- 電動ロールスクリーン
- 高所用ブラインド
- 大型カーテン
- 外付けシェード
- 特注サイズ
は、一般的な窓より費用がかかります。
また、カーテンレール、下地、電源を建築時に用意しなければ、後からきれいに取り付けられない場合があります。
窓本体だけでなく、日射・視線を制御する費用まで総額に含めてください。
後悔16|窓を減らしすぎた
断熱性能を高めるため、窓を極端に減らす方法にも注意が必要です。
窓を減らせば、一般的に熱損失は抑えやすくなります。
しかし、
- 昼間でも暗い
- 外の景色が見えない
- 圧迫感がある
- 朝日が入らない
- 庭とのつながりがない
- 冬の日射を利用できない
という住宅になる可能性があります。
窓は住宅の弱点であると同時に、光と景色を取り込む重要な設備です。
性能計算の数値だけを良くするために、暮らしの質を失ってはいけません。
窓を増やすより「見たい景色」を決める
すべての方向へ均等に窓を付ける必要はありません。
- 庭の植栽
- 山
- 空
- 朝日
- 中庭
- 家族の帰宅
- 子どもの遊ぶ場所
など、室内から何を見たいのかを決めます。
見たくない方向には窓を減らし、必要な方向へ効果的に配置します。
隣家の外壁を見る大きな窓より、空や植栽が見える小さな窓の方が暮らしを豊かにすることがあります。
窓は完成後に簡単に移動できない
窓を交換するだけでも、外壁、防水、内装へ関わる工事になります。
窓の位置や大きさを変更する場合は、構造耐力壁にも影響する可能性があります。
完成後に、
「ここへ窓を追加したい」
「この窓を小さくしたい」
「外から見えるので窓をなくしたい」
と思っても、簡単には変更できません。
窓を決めるときは、平面図だけでなく、室内・外観パースや現地で視線を確認する必要があります。
契約前に確認したい18の質問
- この窓の目的は採光・眺望・通風・出入りのどれですか
- 外から室内がどう見えますか
- 夜に照明を付けても見えませんか
- 隣家の窓と向かい合っていませんか
- 家具とテレビを置けますか
- 夏の西日は入りますか
- 冬の日射を取り込めますか
- 外付けの日射遮蔽を設置できますか
- サッシ枠の材質は何ですか
- 窓全体の熱貫流率はいくつですか
- ガラスの日射熱取得率はいくつですか
- 開閉方式は暮らしに合っていますか
- 高齢になっても開閉できますか
- 室内外から清掃できますか
- 防犯合わせガラスや補助錠は必要ですか
- カーテン・ブラインド費用はいくらですか
- 窓周囲の施工写真を受け取れますか
- 完成後に気密測定を行いますか
この18項目を確認して初めて、その窓が本当に必要かを判断できます。
デザインハウス甲府の考え方
デザインハウス甲府では、窓を大きさや商品名だけで決めません。
甲府盆地では、
- 冬の冷え込み
- 夏の暑さ
- 強い西日
- 日射取得
- 日射遮蔽
- プライバシー
- 防犯
- 開閉耐久性
を一体で考える必要があります。
基本仕様として、
- Low-E複層ガラス
- アルゴンガス
- アルミ樹脂複合サッシ
- 断熱等級6
- UA値0.46以下
- 全棟気密測定
- C値0.7以下
を採用しています。
アルミ樹脂複合サッシを基本にするのは、樹脂サッシを否定するためではありません。
甲府盆地の夏の日射、外部側の耐候性、開閉性、断熱性、価格のバランスを考えた選択です。
敷地、方位、窓寸法によっては、樹脂サッシや異なるガラス仕様を検討します。
重要なのは、同じ窓を全方位へ付けることではありません。
窓一つひとつに目的を持たせ、必要のない窓を減らし、必要な窓には性能と費用をかけることです。
まとめ
窓で後悔する人は、窓が少なかった人でも、大きかった人でもありません。
窓を付ける目的を決めなかった人です。
窓には、
- 光
- 景色
- 風
- 熱
- 視線
- 音
- 防犯
- 家具配置
- 掃除
- 開閉
が関係します。
後悔しないためには、
- カーテンを開けて暮らせるか
- 家具を置けるか
- 夏の日射を遮れるか
- 冬の日射を利用できるか
- 高齢になっても開閉できるか
- 掃除できるか
- 外から侵入されにくいか
- 地域の暑さと寒さに合っているか
まで確認する必要があります。
大きな窓が、開放的な暮らしをつくるとは限りません。
外から丸見えなら、結局カーテンを閉めたままです。
本当に価値のある窓は、
大きな窓ではなく、毎日カーテンを開け、光と景色を楽しめる窓です。










