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「廊下をなくして広くする」は正解? トイレの音とニオイは、どこに届く?

結論

廊下をなくすこと自体は、間違いではありません。ただし、余った面積をLDKへ足す前に、トイレの入口と家族の過ごす場所の関係を確認します。私なら、食卓やソファからトイレの扉が直接見え、出入りも気になる配置は、そのまま採用しません。広さと落ち着きの両方を比べて決めます。

例えば友人が遊びに来ているとき、トイレへ入る姿が食卓からよく見えると、音が大きくなくても落ち着かない人がいます。逆に家族だけの暮らしでは気にしない人もいます。ここで考えたいのは、廊下が何畳あるかではなく、使う人がどの場面で気を使うかです。感じ方の違いを家族で先に話してください。

音とニオイと視線は分けて考える

トイレの不満を、全部同じ問題として扱わないことです。扉の向こうで話し声が気になる、流す音が聞こえる、入る姿が見える、使用後のニオイが気になる。それぞれ確かめる場所や対策が違います。扉を一枚増やせばすべて解決すると決めず、家族が一番気になることから整理します。

音に配慮した建具には、隙間を塞ぐ構造の製品があります。例えばDAIKENの指定の音配慮ドアは、枠や床との隙間をパッキンで塞ぐため、換気経路には使えないと説明されています。つまり、音を抑えたいからと隙間を一律に塞ぐのではなく、換気と一緒に設計する必要があります。[1]

ニオイについても、間取りだけを原因と決めないことです。TOTOは対象製品で、脱臭フィルターの詰まりなどを確認するよう案内しています。設備の機能や手入れの状況を確認せず、廊下さえあれば臭わないと考えるのは適切ではありません。新築計画では換気の設計、入居後は製品の説明書に沿った確認を分けます。[2]

私なら打ち合わせのメモも、音、ニオイ、視線の三つに分けます。家族の誰が、どこにいるときに気になるのかを書けば、設計者へ伝わりやすくなります。トイレは恥ずかしくて細かく聞きにくい場所かもしれません。しかし毎日使う設備なので、遠慮せず具体的な場面を話す方が後悔を減らせます。

廊下の役割を別の方法で残せるか

廊下には、部屋同士をつなぐ以外に、入口を少し離す役割を持たせることができます。ただ、長い廊下を作らなければならないとは限りません。トイレの扉の向きを変える、短い前室を挟む、洗面の位置と合わせて入口をずらす、といった案を比較します。どれが合うかは部屋の配置次第です。

例えば仮に、食卓の椅子からトイレの扉まで一直線に見える案と、入口が横へ折れている案を比べます。平面図の面積がほぼ同じでも、扉を開けたときの見え方は違います。これは防音性能を保証する比較ではなく、まず視線と出入りの気まずさを確認するための比較です。目的を混ぜないことが大切です。

収納を間に置く案もありますが、収納があれば十分静かになると断定はしません。壁や扉を含む納まりを設計者に確認します。また、収納の出し入れをする人がトイレの入口を塞がないかも見ます。一つの問題を解決するために、別の使いにくさを作らないよう、物と人の動きを重ねて考えましょう。

来客中と夜中で使い方を確かめる

私は、来客中と就寝中の二場面を確認します。来客中は、家族が気兼ねなくトイレへ行けるか。就寝中は、トイレへ行くために家族の寝る場所を通らなくてよいか。LDKから離すことだけを優先して寝室へ近づけると、別の人が音を気にするかもしれません。誰から離し、誰へ近づけるかを考えます。

例えば夜間に使う人がいる家庭では、寝室から近いことに価値があります。一方、その入口が別の家族の枕元に近い配置なら、扉や照明の使い方まで検討したいところです。図面では寝室の四角だけでなくベッドを描き、どちら側に頭を向ける予定かまで示すと、話が具体的になります。

子どもが小さい間は付き添うことも想定します。一人で入れる広さだけでなく、保護者が近くで待つ場所、着替えを手伝う場面を考えます。だからといって大きな前室を必ず設ける必要はありません。誰かが待っているときでも主な通り道を塞がないか、実際の動作に置き換えて確認します。

広さの得と暮らしの負担を同じ図で比べる

廊下を減らす案を提示されたら、その面積がどこへ移ったかを尋ねます。例えばLDKが広くなっても、トイレの前を避けるために家具を置けないなら、期待したほど使える場所が増えていないかもしれません。数字上の広さと、実際に使いたい場所の広さを分けて見てください。

比較するのは、廊下ありと廊下なしの二択だけではありません。短い通路を残す案、入口だけをずらす案、部屋の向きを入れ替える案もあります。私は家族の不満が少ない順に並べ、面積や設備の条件と照らして絞ります。廊下がある家を古い、ない家を合理的、と一括りにする必要はありません。

実物を見学できるなら、許可を得たうえでトイレの出入りや通常の使用音を確認します。ただし見学先と自宅では壁、建具、配管、周囲の静かさが違います。そこで感じたことは希望を伝える材料にし、自宅でも同じになると保証する材料にはしません。採用する仕様での説明を住宅会社へ求めましょう。

家族に意見を聞くときは、みんなの前で気にならないよねと確認するより、各自に一度書いてもらう方法もあります。特に来客中の使いにくさは、言い出しにくい人がいるかもしれません。多数決で気にしない人の意見だけを採らず、誰か一人の遠慮が毎日続かない配置かを確認します。設備の性能と本人の気持ちは、分けて聞くことができます。

深澤の判断と次の行動

私なら、廊下を減らすことを目的にせず、家族が落ち着いてトイレを使える配置を先に決めます。必要な距離や向きが短い通路で作れるなら、それを無駄とは呼びません。一方で、入口をずらすだけで十分なら長い廊下は作りません。面積の節約と日々の気まずさを同じ図面の上で比べます。

次の打ち合わせでは、食卓の席、ソファ、寝室の枕の位置からトイレを見てください。そして、音、ニオイ、視線のどれを優先して解決したいかを一つ選びます。住宅会社には、入口の向きを変える案と短い通路を残す案を示してもらい、換気の計画も含めて違いを説明してもらいましょう。

デザインハウス甲府へ相談する際は、廊下をなくしたいという希望だけでなく、来客中に家族がどう過ごしたいかを添えてください。私の判断は、広く見える家よりも、遠慮せず使える家です。トイレの位置は小さな間取りの修正に見えても、家族の落ち着きを左右する大切な選択だと考えます。

参考資料

[1] DAIKEN  音配慮ドアは24時間換気の換気経路となりますか

[2] TOTO  においが取れない、異臭がする

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