Q 引き渡しの施主検査で何を見る?
傷・作動・未完成工事をどう記録し、補修期限を決めますか?
回答範囲 検査する部位と操作を一覧化し、写真、未完事項、担当、補修予定と再確認方法を記録する。
A 引き渡し前の施主検査では、契約した仕様との一致、傷、設備や建具の作動、未完成の工事を確認します。指摘は写真と図面で位置を特定し、対応内容、担当者、補修期限、再確認日を残しましょう。法令に基づく完了検査とは目的が異なります。署名を急がず、どの状態を確認した書類なのかを理解することが大切です。
検査する項目と当日の条件を準備する
契約書、最新の仕様書、変更後の図面、設備一覧を準備し、部屋と屋外を回る順番を決めます。明るい時間に十分な時間を取れるか、電気や水を使えるか、設備を誰が操作するかを確認します。照明が未設置なら見えにくい部分もあるため、当日の確認条件を施工会社へ相談してください。
床、壁、天井、窓、建具、収納を順に見て、仕上げの傷と、契約内容との違いを分けます。扉や引出しを開閉し、鍵、照明、コンセント、給排水等を、説明を受けながら確かめます。自分で危険な通電や高所作業を行わず、安全に見られない部分は検査記録や担当者の説明を依頼します。
一度の施主検査で、隠れた構造や断熱、防水の品質まで完全に証明できるわけではありません。施工中の検査や写真、法定検査、必要に応じた専門家の確認と組み合わせます。大田区の完了検査の案内は、法令への適合を検査し、適合時に検査済証を交付する流れを示しています。[M10]
指摘を場所と対応ごとに一覧にする
指摘には番号を付け、部屋名、図面上の位置、状態、写真番号をそろえます。「リビングの傷」だけでは場所を取り違えやすいため、全体が分かる写真と近接写真を組み合わせます。図面と仕様の違い、傷や汚れ、作動の不具合、未完成を分類して記録してください。
| 確認の対象 | 記録する内容 | 次の確認 |
| 仕様との違い | 図面の版と部位・品番 | 合意した仕様への対応 |
| 傷と作動 | 位置・写真・症状 | 清掃・調整・補修後の状態 |
| 未完成と未確認 | 残工事と試運転の範囲 | 担当・期日・再確認日 |
| 引き渡し書面 | 署名の意味と留保項目 | 控えと入居後の窓口 |
写真だけでは、大きさや状態が伝わらない場合があります。安全にできる範囲で寸法や位置を補足し、施工会社と同じ現物を確認します。傷に見えるものが清掃で取れるのか、補修が必要か、その場で判断できないのかも記します。「確認します」という返答だけなら、回答の予定日を決めてください。
国土交通省の標準請負契約約款は、工事完成時の確認や検査、修補後の検査等の流れを示しています。実際の検査と引き渡しは自分の契約条件で進めますが、指摘を伝えるだけで終わらず、直した後の確認まで予定に入れる参考になります。[M2]
補修と引き渡しの条件を確認する
たとえば、窓の開閉調整、床の傷、未設置の照明がある場合は、それぞれ担当、対応方法、予定日を分けます。部材の取り寄せで時間がかかる項目は、入居中に作業できるか、立会い、家具の移動、養生が必要かも確認します。まとめて「後日対応」と書くだけにしないことが大切です。
検査時点で確認できなかった設備は、未確認として残します。給湯器等の試運転や説明が別日なら、その日時と担当を決めます。確認していない項目を「すべて問題なし」とする書面に含めないよう、どこまでの確認かを担当者と読み合わせてください。
署名や押印を求められたら、工事の完成確認、指摘事項の受領、引き渡しの承認など、何の書類かを確かめます。署名したら将来の不具合をすべて主張できなくなる、とも、署名しても何も変わらない、とも一律には考えず、留保する項目を具体的に記録します。控えも受け取りましょう。
重大な未完成や安全上の懸念がある場合は、引き渡し、残金、入居の予定を、契約と工事の状況に沿って協議します。自分だけで支払停止を決めるのではなく、根拠と対応案を確認し、必要なら専門窓口へ相談します。小さな補修と、生活を始められない問題を分けて整理してください。
再確認では、指摘番号ごとに補修後の状態を見て、完了日を記録します。残る項目があれば期限を更新し、入居後の連絡先を確認します。施主検査は、探した傷の数を競う場ではありません。契約の内容、完成の状態、未完事項の対応を、双方が同じ資料で確認する機会として使いましょう。
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