Q. 成約時に150万円の広告費が発生しても、住宅価格と無関係と言える?
A. 完全に無関係とは言えません。紹介されたお客様の見積りへ150万円をそのまま加算していない場合はあります。しかし、住宅会社が実際に150万円を支払う以上、価格、値引き、会社利益、広告予算、建物原価、サービスのいずれかへ影響します。「個別に上乗せしない」と「住宅価格と無関係」は別の話です。
建築金額3,000万円の住宅で、成約時に5%相当の広告費等が発生すると仮定します。
住宅会社が支払う金額は150万円です。
相談者は窓口で相談料を支払っていません。
そのため、
「150万円は住宅会社が広告予算から支払うので、お客様の住宅価格とは無関係です」
と説明されることがあります。
しかし、住宅会社から150万円が実際に出ていく以上、そのお金をどこかで確保しなければなりません。
無関係と言えるかどうかは、150万円をどのように負担しているかで決まります。
「無関係」には三つの意味がある
「住宅価格と無関係」という言葉には、少なくとも三つの意味があります。
1.見積書に広告費の項目がない
見積書へ、
紹介会社への広告費 150万円
という項目が書かれていないという意味です。
これは十分あり得ます。
広告費は会社の販売経費として処理され、見積書へ個別項目として記載されないことが多いからです。
2.紹介されたお客様へ個別加算しない
紹介経由のお客様だけに150万円を加算せず、直接問い合わせと同じ価格表を使うという意味です。
これも可能です。
会社全体の広告費として処理したり、自社の利益で負担したりすれば、紹介されたお客様への個別加算は避けられます。
3.価格・利益・仕様のどこにも影響しない
住宅価格も変わらない。
値引きも変わらない。
会社利益も減らない。
ほかの広告費も減らさない。
建築原価もサービスも変えない。
この状態で150万円だけを支払うことはできません。
会社から150万円が出ていく以上、必ずどこかの数字が変わります。
150万円は小さな経費ではない
建築金額3,000万円に対する150万円は5%です。
5%という数字だけを見ると小さく感じるかもしれません。
しかし、150万円は家づくりにおいて大きな金額です。
- 借入額を減らす
- 外構予算へ充てる
- 家具・家電を購入する
- 断熱や窓の性能を上げる
- 太陽光発電などの設備へ使う
- 将来の修繕資金として残す
- 地盤改良などの予備費にする
といった選択肢に使える金額です。
住宅会社にとっても、社員の人件費、現場管理、保証対応などへ使える資金です。
「広告費だから住宅とは無関係」と片づけられる金額ではありません。
150万円を個別に価格へ加算する場合
最も分かりやすいのは、紹介費用を紹介されたお客様の価格へ反映する方法です。
| 内容 | 直接問い合わせ | 紹介経由 |
|---|---|---|
| 紹介費用反映前の価格 | 3,000万円 | 3,000万円 |
| 紹介関連費用 | 0円 | 150万円 |
| 最終価格 | 3,000万円 | 3,150万円 |
この場合、150万円と住宅価格には明確な関係があります。
ただし、実際の見積書へ広告費として記載されるとは限りません。
建物本体、諸経費、付帯工事などへ含まれる可能性があります。
値引きを減らして調整する場合
本体価格を変えず、値引き額を変える方法もあります。
| 内容 | 直接問い合わせ | 紹介経由 |
|---|---|---|
| 当初見積り | 3,000万円 | 3,000万円 |
| 値引き | ▲150万円 | 0円 |
| 最終金額 | 2,850万円 | 3,000万円 |
見積書の本体価格は同じです。
「紹介料を上乗せしていない」という説明もできます。
しかし、最終的には150万円の条件差があります。
価格を比較するときは、本体価格だけでなく値引きやサービスまで確認する必要があります。
全契約者へ分散する場合
住宅会社が年間の紹介関連費用を、すべての住宅へ広く含める方法もあります。
例えば、年間に10件の紹介契約があり、一件150万円なら、年間支払額は1,500万円です。
年間建築棟数が50棟なら、一棟当たりの単純平均は30万円になります。
| 年間紹介契約 | 一件当たり | 年間支払額 | 全建築棟数 | 一棟当たり |
|---|---|---|---|---|
| 10件 | 150万円 | 1,500万円 | 50棟 | 30万円 |
紹介されたお客様へ150万円を個別加算しなくても、全50棟へ30万円ずつ分散できます。
この場合、紹介経由と直接問い合わせで価格は同じになる可能性があります。
しかし、相談サービスを利用していない人も、会社全体の広告費を間接的に負担します。
住宅会社が利益で負担する場合
住宅価格、値引き、仕様を変えず、住宅会社が利益から150万円を支払うことも可能です。
例えば、紹介費用を支払う前の利益が200万円だったとします。
| 内容 | 金額 |
|---|---|
| 紹介費用支払い前の利益 | 200万円 |
| 紹介関連費用 | ▲150万円 |
| 支払い後の利益 | 50万円 |
購入者の価格は変わりません。
しかし、住宅会社の利益は75%減ります。
利益が減れば、次の資金へ影響する可能性があります。
- アフターサービス
- 将来の保証対応
- 社員教育
- 現場管理
- 設備投資
- 内部留保
- 会社の経営安定
住宅会社が利益で負担している場合も、住宅購入者と完全に無関係とは言えません。
会社が長期間存続できなければ、保証やメンテナンスにも影響するからです。
ほかの広告費を削る場合
住宅会社が相談サービスを利用する代わりに、従来の広告を150万円削れば、販売経費の合計は変わりません。
| 広告費 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| チラシ・ウェブ広告など | 200万円 | 50万円 |
| 相談会社への支払い | 0円 | 150万円 |
| 合計 | 200万円 | 200万円 |
この場合、住宅価格や利益へ新たな影響を与えずに済む可能性があります。
相談会社が自社広告より効率的な集客手段なら、合理的な方法です。
ただし、
- 本当にほかの広告費を削減したのか
- 相談サービス導入後も総広告費は増えていないか
- 成約一件当たりの集客費は下がったか
を確認しなければ、無関係とは判断できません。
受注増による効率化で吸収する場合
相談サービスによって建築棟数が増えれば、一棟当たりの固定費が下がる可能性があります。
例えば、年間固定費6,000万円で単純計算すると、
| 年間建築棟数 | 一棟当たり固定費 |
|---|---|
| 20棟 | 300万円 |
| 30棟 | 200万円 |
| 40棟 | 150万円 |
紹介によって年間20棟から30棟へ増えれば、一棟当たりの固定費は100万円下がります。
この効率化によって紹介費用を吸収できる場合があります。
ただし、棟数増加によって社員や事務所を増やせば、固定費も増えます。
施工体制を超えて受注すると、現場管理やアフターサービスの質が下がる可能性もあります。
原価やサービスで調整する場合
住宅価格を上げず、利益も減らさず、ほかの広告費も削らないなら、別の費用を調整する必要があります。
- 建材・設備の仕入価格
- 職人への発注額
- 標準仕様
- 設計対応範囲
- 現場検査の回数
- 定期点検
- 無料補修
- 社員一人当たりの担当棟数
適正な仕入れ交渉や業務効率化で吸収できる場合もあります。
しかし、過度な原価削減なら、施工品質やサービスへ影響します。
住宅価格が同じでも、中身が同じとは限りません。
「150万円を会社が払う」は説明の途中
相談会社から、
「150万円は住宅会社が支払うため、お客様は負担しません」
と説明された場合、その説明は間違いとは限りません。
直接請求されないという意味では正しいからです。
しかし、それは費用の流れの途中までしか説明していません。
次に確認すべきなのは、
住宅会社は、その150万円を何によって回収・吸収するのか。
という点です。
住宅会社が払ったところで、お金の話が終わるわけではありません。
紹介費用以上の価値があれば問題は小さくなる
相談サービスが住宅会社へ次の価値を提供しているなら、150万円を支払っても経営上合理的な場合があります。
- 自社広告より低い費用で契約できる
- 資金計画済みの相談者を紹介する
- 住宅ローンの可能性を確認している
- 商談期間を短縮できる
- 営業担当者の負担を減らせる
- 契約後のトラブルを減らせる
相談者にとっても、
- 不適切な住宅会社を避けられる
- 追加費用を防げる
- 予算オーバーを防げる
- 契約内容を確認してもらえる
など、150万円以上の損失を防げるなら価値があります。
重要なのは、150万円の存在を隠すことではなく、その費用に見合うサービスが提供されているかです。
当社が過去に提示された条件
当社が過去に提携した一部の住宅相談サービスでは、紹介されたお客様が契約した場合、建築金額の4%ないし5%相当を広告費等として支払う条件が提示されました。
建築金額3,000万円なら120万~150万円です。
契約時期、地域、サービス、住宅会社によって条件は異なります。
すべての無料相談サービスが同じ仕組みであるとは限りません。
しかし、150万円を住宅会社が支払うなら、その金額をどこで負担するのかは、住宅購入者にも関係する問題です。
相談者が確認する質問
無料相談会社と住宅会社へ、次の質問をしてください。
- 150万円は紹介された顧客へ個別加算されますか
- 本体価格ではなく値引きで調整しますか
- 全契約者の価格へ広く含めますか
- 住宅会社が利益から負担しますか
- ほかの広告費を削って吸収しますか
- 受注増による効率化で吸収しますか
- 標準仕様やサービスへ影響しませんか
- 紹介経由と直接問い合わせで最終条件は同じですか
- 150万円に見合う具体的な支援は何ですか
- 「価格と無関係」と言える根拠を説明できますか
「広告費なので関係ありません」という回答だけでは、150万円の負担先が分かりません。
最終結論
成約時に150万円の広告費が発生しても、紹介されたお客様の見積りへ直接加算しないことは可能です。
しかし、住宅会社が150万円を支払う以上、
- 住宅価格
- 値引き
- 全社の広告予算
- 会社の利益
- 建物原価
- 標準仕様
- アフターサービス
のいずれかへ影響します。
ほかの広告費を削ったり、受注増による効率化で完全に吸収できたりする場合もあります。
その場合は、紹介費用による新たな価格上昇を抑えられるでしょう。
それでも、
150万円と住宅会社の経営が完全に無関係
ということにはなりません。
無料住宅相談を利用するときは、こう質問してください。
「150万円を私の価格へ載せないのであれば、その150万円は具体的にどこから出るのですか?」
金額の支払者だけでなく、最終的な負担先まで確認してください。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










