Q.床断熱と基礎断熱は何が違う?床下を室内側に含める意味は?
A.床断熱は床付近、基礎断熱は基礎の立ち上がり等に断熱層を設ける方法です。一般に床断熱では床下を断熱の外側、基礎断熱では内側として計画します。違いは材料の場所だけではなく、床下の温湿度、空気の扱い、点検や配管との関係にも及びます。
どこで外部と区切るかを確認する
床断熱では、居室の床の下などに断熱材を施工します。床下が外気に近い環境になる計画では、床を通る熱の出入りを抑え、端部や配管貫通部で必要な断熱と気密を確保します。断熱材を落下やずれから支える方法も、完成後の性能に関係します。
基礎断熱では、基礎壁の内側または外側など、採用する工法に沿って断熱します。土間や外周の地盤との関係も含めて設計します。「基礎断熱」という名称だけから、床下全面へ同じ厚さの断熱材を敷いていると推測しないようにします。
例えば床下を空調の経路に使う計画では、その空間を断熱と気密のどちらでもどう扱うかを明らかにします。基礎へ断熱材を張っただけで、床下の空気が各室へ十分に届くわけではありません。断熱の内側に含めることと、空調に利用することは別の設計です。
反対に、床下を空調に使わない基礎断熱の住宅もあります。床下を室内側へ含めても、自動的に居室と同じ温度や湿度になるとは限りません。地盤からの影響、施工時の水分、空気の動きなどを考え、必要な管理方法を決めます。
床断熱と基礎断熱を一棟の中で使い分ける場合は、切り替わる箇所を確認します。玄関や浴室などで方法が変わる計画では、境界に隙間や断熱の不足が残らない納まりが必要です。土間等の詳細はNo6と合わせて、同じ断面図で確認すると整理できます。
床下を使い続けられる構成にする
床断熱では、断熱材の上端と床の構成、支持材、外周部の気流への対応を見ます。床下から風が入り込む箇所があると、材料本来の性能を十分に生かせない場合があります。材料の熱抵抗の説明だけでなく、取り合いの施工も確かめます。
床と基礎の比較で見る項目
・断熱する位置と、床下を含める範囲。
・断熱材の材料、厚さ、固定と境界の納まり。
・床下の湿気、空気の経路、防蟻と点検方法。
・給排水管、設備、点検口と将来の作業経路。
基礎断熱では、外周と配管貫通部、点検口などの連続性を確認します。断熱の内側へ床下を含める設計で、外気へ開放する部分があれば、その役割を尋ねます。床下換気口を開ける方法を、床断熱の家と同じ感覚で自己判断してはいけません。
湿気への配慮は、どちらの方法でも必要です。床下へ風を入れれば一年中必ず乾く、密閉すれば湿気がなくなる、といった単純な説明では判断できません。採用する構成に応じて、防湿、排水、乾燥、必要な換気等を設計者が確認します。
断熱材とシロアリ対策の関係も見ます。基礎を覆う断熱材がある場合には、被害を確認する場所や経路がどう残るかを尋ねます。薬剤の名称や保証年数だけでなく、構造と点検を含めた方法を把握することが大切です。詳しい防蟻対策は第6章で扱います。
配管の点検や修理のしやすさも比較します。床下へ入る開口があっても、基礎の内部や機器の配置によって、目的の箇所まで届かない場合があります。断熱を優先して点検口をなくす、点検のために気密処理を省くという決め方にはしません。
設計時には、床断熱と基礎断熱それぞれの断面と、床下の空気の流れを示してもらってください。どちらが名前として優れているかより、自宅の設備、地域条件、維持管理まで整合する構成を選べるかが判断のポイントです。
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参照資料 P06、P07、P09










