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展示場やテレビCMの費用は家にいくら乗る? 「広告費が価格の何割」という話を信じていい?

広告や展示場の費用が会社の経費であることと、あなたの家にその費用が何万円上乗せされているかは、別の話です。外からCMの本数や展示場の豪華さを見ただけで、「住宅価格の三割が広告費」などとは判断できません。数字を出すなら、対象の会社、期間、事業、計算方法を示す必要があります。

一方で、広告費があるから仕方ないと、価格差を無条件に受け入れる必要もありません。施主が知りたいのは、最終的に払う金額と、そこで得られる家、検査、対応の中身です。広告の多い会社にも少ない会社にも、同じ条件で説明を求めましょう。見える経費の派手さだけで判断しないことが大切です。

経費の存在と一棟の上乗せ額を分ける

住宅会社には、資材や工事に直接かかる費用だけでなく、設計、営業、事務、教育、相談対応などの仕事があります。広告をなくしても、これらの作業が消えるわけではありません。「広告を出していないから、その分すべて安い」という説明も、最終価格との関係が示されなければ検証できないのです。

展示場には、顧客へ空間や設備を見せる役割があります。実物を見て使い勝手を確かめられれば、施主にも価値があります。ただし、立派な建物があること自体で、注文する家の施工品質や価格の妥当性が証明されるわけではありません。見学できる価値と、実際の契約内容を切り分けて評価してください。

反対に、展示場がない会社では、完成見学会や資料、実物サンプル等で何を確認できるかを聞きます。広告費の少なさを長所として語るなら、性能、施工確認、保証条件まで具体的に説明してもらいます。経費の一項目が小さいことから、会社全体の効率や施主への利益まで自動的に導くことはできません。

割り算だけでは施主の負担額は決まらない

仮に一年間の広告関連費が2,000万円で、その年の契約が20棟なら、単純に割ると一棟100万円です。契約が40棟なら50万円になります。これは架空の条件による計算例です。実際の会社の費用や受注を示す数字ではなく、同じ経費でも分母によって見え方が変わることを説明しています。

この計算には限界もあります。広告を見た人が翌年に契約することも考えられますし、広告が注文住宅以外の商品や採用にも関係しているかもしれません。契約棟数と完成棟数、会社単体とグループ全体を混ぜると、比較の意味が変わります。使った数字の範囲を合わせなければ、説得力のある金額にはなりません。

さらに、一棟当たりの経費を計算できても、その全額が価格から引けるとは限りません。受注量、仕入条件、人員、事業の継続に必要な費用も変わる可能性があるからです。「広告をやめればあなたの家が100万円安くなる」という結論には、割り算以外の根拠が必要です。計算結果と価格の決まり方を混同しないことです。

公表資料も読み方を間違えると誤解する

企業によっては、有価証券報告書などで広告宣伝費を確認できます。例えばタマホームの2025年5月期の報告書には、その項目が掲載されています。公表資料を使う場合でも、対象年度や集計範囲を確かめる必要があります。一社の数字を、そのまま住宅業界全体の共通の割合として使うことはできません。[50]

販売費及び一般管理費という大きな項目を、全部広告費と呼ぶのも不正確です。何の費用を含んでいるかを確認します。また、連結の売上高には複数の事業が含まれる場合があるので、注文住宅の価格だけに対応する数字とは限りません。資料に書かれていない一棟の原価を、断定的に逆算しない方がよいでしょう。

未上場の会社などで費用の詳細が公開されていなくても、それだけで不誠実とはいえません。施主へ社内の全会計資料を開示することと、契約金額や工事内容を明確に説明することは別です。確認できない経費率を推測し続けるより、見積もりに含まれる仕事と成果物を確かめる方が判断に結び付きます。

価格差を受け取る内容へ置き換える

仮に同じ条件に揃えた二社の総額が3,000万円と3,200万円なら、差は200万円です。その差に、設計提案、工事確認、設備、保証条件、対応体制など、どの違いがあるかを尋ねます。価格が高い理由をすべて広告費と決めつけず、説明された内容に自分が価値を感じるかを確認してください。

例えば、保証期間が長いことを理由にするなら、対象、免責、有償点検、修繕の条件まで比べます。担当者の人数が多いことを理由にするなら、誰が自宅を担当し、どの場面で確認するのかを聞きます。大きな組織や豪華な資料という印象を、実際のサービスの違いへ翻訳することが必要です。

国土交通省は、住まいにかかるお金を初期費用と継続費用に分けて捉えています。契約時の差額だけでなく、住んでから必要な維持費も見てください。初期価格が高いというだけで損とも、安いというだけで得とも決めず、比較期間と対象費用を揃えることが、家計に合う選択につながります。[7]

「他社は広告で高い」という説明にも根拠を求める

営業担当者が他社の価格を広告費のせいだと話したら、「その割合の出典と計算条件は何ですか」と聞いてください。根拠が示されなければ、一般的な見方として受け止め、自分の比較表には事実として書かないことです。競合の弱点を語る説明ほど、確認できる資料との対応が重要になります。

同時に、自社についても「この金額で何を実施し、何が別途ですか」と確かめます。他社を高いと説明する時間が長いのに、自社の検査や追加費用の条件が曖昧なら、判断に必要な情報が不足しています。比較する相手を批判する力より、自分たちの見積もりを説明する力を評価しましょう。

価格交渉では、想像した広告費率を根拠に大幅な値引きを迫るより、要望の優先順位と予算の上限を伝えます。不要な広さや設備を整理した案を出してもらい、性能と確認作業を守ったまま総額を調整できるかを見ます。経費を暴くことより、必要な家を無理のない負担で実現することが目的です。

展示場やCMの費用は気になるところですが、「何割が無駄か」という断定だけでは良い家は選べません。広告の多い会社にも少ない会社にも、同じ仕様、同じ工事範囲、同じ税込総額で比較を求めてください。確認できる価格と仕事の内容に戻れば、イメージの強さに振り回されず、納得できる差額を選べます。

 

 

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