Q.太陽光発電の収支が売電頼みになっていませんか?自家消費と買電をどう比較しますか?
A.太陽光発電は、発電量だけでなく、自宅で使う量、売る量、電力会社から買う量を分けて比較します。売電収入を多く見せた表だけでは、家計の効果は判断できません。昼夜の使い方と料金条件を揃え、設備費を含む収支を確認します。
発電と使用の時刻を合わせる
年間の発電量と消費量が同じでも、電気代がゼロになるとは限りません。昼に余って売り、夜に買う家庭では、売電と買電の単価が違うためです。月ごとの合計に加え、昼に自宅でどれだけ使えるかを確認すると、試算の意味が分かります。
在宅勤務、洗濯乾燥、給湯など、昼へ動かせる使用を挙げます。ただし、家族の生活を無理に変えない範囲で考えます。昼に発電するからといって、使う予定のない電気を増やしても節約にはなりません。元から必要な使用を移せるかで検討します。
仮に売電単価が一kWh当たり十円、買電を減らせる単価が三十円で、千kWhを直接自家消費へ移せるなら、単純な差は年二万円です。これは実際の料金ではなく、計算を示す仮定です。基本料金や各種調整、設備効率等は別に考慮します。
同じ千kWhについて、売電収入と買電削減を同時に満額計上してはいけません。自家消費へ回した分の売電は減ります。営業資料に両方の効果が載っていたら、それぞれの電力量と重複がないかを聞きます。発電した電気の行き先を図にすると確認しやすくなります。
自宅の屋根と契約条件へ置き換える
発電量の試算は、方位、勾配、影、パネル容量、損失などの条件を確認します。近くの家の実績は参考になりますが、屋根と周辺環境が違えば同じ結果にはなりません。将来、隣に建物が建つ可能性など、分かる条件も設計者へ伝えます。
収支表で分ける項目
・月別の発電量、自家消費量、売電量と買電量。
・使った料金単価、適用期間、基本料金の扱い。
・設置費、借入利息、点検と機器の更新費。
・在宅時間、給湯や家電を使う時刻の前提。
固定価格の買取期間と、その後の契約も分けます。現在の有利な条件が、比較期間の最後まで続くとは限りません。採用する設備と認定時期で適用条件を確認し、期間終了後は複数の売電単価を仮定して見ます。終了年を2030年と一律に決めることもしません。
蓄電池を足す提案なら、太陽光だけの案との差額を示してもらいます。太陽光自体の効果を、追加した蓄電池の利益へすべて含めないようにします。直接使う電気と、蓄電を経由する電気では、機器の損失と費用も違います。
収支と停電時の備えは別に評価します。停電時に使える回路、出力、切り替えの操作は製品で異なります。売電の試算がよいことだけで、家中の設備を普段どおり使えるとは限りません。必要な備えの範囲も確認します。
補助金がある場合も、自己負担額と交付条件を区別します。申請前に着工してよいか、対象となる機器、併用条件、入金時期を確認します。受け取ることが確定していない金額を、支払い資金として先に使い切らないようにします。
資源エネルギー庁も、自家消費や売電などの選択肢を案内しています。どちらが有利かは料金と生活条件によるため、一般的な成功例を自宅の確定収入として扱わず、条件を明示した比較へ置き換えます。
契約前には、太陽光なし、太陽光のみ、蓄電池併用の収支を分けて依頼してください。発電量の大きさより、家族が必要な電気をどう賄い、いくら支出を減らせるかを確認する方が、将来の家計へつながる判断になります。
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