記事詳細

夏にも壁の中で結露する? 「夏型結露」と冷房・外気の湿気の関係は?

Q.夏にも壁の中で結露する?
「夏型結露」と冷房・外気の湿気の関係は?

A.夏も、湿った外気などに由来する水蒸気が、冷房で冷えた壁の内側などで結露する場合があります。冬とは湿気が移動する向きが変わる条件があるため、冬の対策だけで一年を判断できません。地域、断面構成、冷房、乾く経路を合わせて検討します。

外から内へ湿気が移動する条件

水蒸気は、材料を通る場合、水蒸気の圧力が高い側から低い側へ移動する方向に働きます。冬は暖かい室内から外へ向かいやすい一方、夏の高温多湿な外気と冷房した室内では、外から内へ向かう条件が生じます。温度の高低だけで向きは決まりません。

壁の内部へ入った湿気が、冷えた部分で飽和すると結露する可能性があります。室内側の防湿性が高い層の手前などに水分がとどまり、乾きにくい構成も検討対象です。ただし、防湿シートを使った家がすべて夏に結露するという意味ではありません。

外装に含まれた水分が日射で温められることや、木材などの初期含水が影響する場合もあります。外気の湿気だけを一つの原因とせず、雨、水分の供給、材料の性質、日射と冷房の条件を合わせて確認します。

室内で見える水滴がないことだけでは、内部の状態は分かりません。一方、室内の湿度が高いから壁の中も必ず結露していると断定することもできません。室内、屋外、壁内部では条件が異なり、対象部位に合った検討が必要です。

冬の防湿と夏の乾燥を両立する

対策では、室内外の気密、外装の雨仕舞い、透湿防水材、通気層などを合わせます。壁へ入る水や空気を抑え、入り込んだ水分が乾く経路を確保する考え方です。窓まわりや壁と屋根の接続も含め、標準的な平面部分だけで終えないでください。

可変透湿のシートは、湿度条件に応じて透湿抵抗を変え、室内側への乾燥を助ける目的で使う製品があります。ただし、内装などの組合せや施工条件があり、採用すればすべて解決するというものではありません。製品資料と壁全体の構成で判断します。

設計時に確認したい項目

・建築地の夏の温湿度、日射と冷房の条件。

・内装から外装までの材料、厚さ、透湿抵抗。

・空気と雨水の侵入を抑える処理、乾く方向。

・検討や計算の方法、前提と施工で守る条件。

冬の結露検討に適合したことと、夏の変化まで詳しく確認したことは同じとは限りません。用いた方法がどの季節・現象を対象にしているかを確認します。時間変化や材料の含水を扱う解析を使う場合も、入力条件と結果の読み方を説明してもらいます。

冷房の設定や冷風の当たり方も確認します。特定の壁だけを強く冷やす状況などがあれば、気流と断熱の納まりを見ます。ただし、室温を我慢して冷房を止めることを、建物側の検討不足を埋める基本策にはしません。

換気を止めれば湿気が入らない、とも考えないでください。必要な換気を続けたうえで、外気の負荷と除湿、漏気への対策を設計します。熱交換換気があっても、壁の内部結露や室内湿度を無条件に防ぐ装置ではありません。

新築時や改修時に、内装を透湿しにくい材料へ替える場合も、乾燥の経路が変わらないかを相談します。断熱材だけを同じにして、壁全体も同じ性能だとは判断できません。変更した材料を計算や仕様書へ反映します。

夏に湿気や染みが気になる場合は、発生する場所、雨や日射、冷房、温湿度の記録を残します。夏型結露と決めつけず、雨漏りや配管からの水、空調のドレンなども調べます。原因に応じた調査と処置が必要です。

住宅会社には「冬に湿気を入れない設計と、夏に乾かす設計を、この壁でどう両立していますか」と聞きます。断熱材やシートの名称から、一年を通した湿気の計画へ進める質問です。

関連する質問

52 結露が始まる「露点温度」とは?室温・湿度・表面温度はどう関係しますか?

53 防湿シートと透湿防水シートは何が違う?壁の内側と外側で役割が変わる理由は?

54 吹付けウレタンなら防湿層は不要ですか?断熱材の種類と結露計算で何を確認しますか?

参照資料 D01、D05、D10

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
営業時間 9:00~18:00 / 定休日 水曜日

PAGE TOP ▲
ライン
フェイスブック
ツイッター
インスタ
イベント情報
電話番号
お問い合わせ