Q.換気回数「0.5回/時」とは?
2時間で家中の空気が全部入れ替わる意味ですか?
A.0.5回/時は、対象とする室内の容積に対して、一時間にその半分に相当する量を換気するという意味です。2時間で、最初にあった空気が一つ残らずなくなるという意味ではありません。換気量、室内の混ざり方、各室への経路を分けて確認します。
回数は空気の量を容積で割った数字
換気回数は、一時間当たりの換気量を、対象の室内容積で割って表します。例えば、対象容積240m³に対して、外気との換気量が毎時120m³なら、120÷240で0.5回/時です。床面積だけではなく、どの範囲の容積で求めたかを確認してください。
この例なら、2時間に送る新しい空気の累計は240m³です。ただし、新しく入った空気も室内の空気と混ざって排出されるため、最初の空気だけを順番にすべて押し出すとは限りません。空気の量の累計と、元の空気の残り方は別です。
完全に混ざる一室で、換気量が一定、空気の流れの偏りがない、と仮定したモデルでは、0.5回/時で2時間後にも最初の空気が約37%残る計算です。これは換気の仕組みを説明する理想化した例で、実際の住宅の測定値や保証値ではありません。
現実の家では、部屋の形、家具、給排気口、ドアなどによって流れが変わります。空気がよく動く場所と動きにくい場所があり、家全体の平均の回数だけで、すべての寝室の状態が同じになるとはいえません。
計算した量を実際の部屋へ届ける
住宅でよく見る0.5回/時は、シックハウス対策の換気を説明する際の基本となる数値です。ただし、それだけで人数や活動に応じた二酸化炭素、湿気、調理時の発生物まで、常に十分対処できるという意味にはなりません。
寝室に複数人で長時間いる場合と、誰もいない部屋では、二酸化炭素などの発生量が違います。必要な機能を保つための常時換気と、生活に応じた追加の換気を分け、住宅会社へ運転方法を確認してください。
計画と引き渡しで確認する項目
・換気計算の対象範囲、容積、必要風量。
・選んだ機種と通常設定で確保する実風量。
・各室の給排気位置、ドアを閉めたときの経路。
・完成後の測定値、調整、掃除・交換の方法。
機器の最大風量やカタログの値を、そのまま自宅の換気量にしないことも大切です。配管、フィルター、端末などの抵抗がある状態で必要な量を確保できるかを設計し、施工後に確認します。空気が出ている感触だけでは正確な量は分かりません。
室内の空気を循環させる扇風機や、一般的な空気清浄機の処理風量も、そのまま外気との換気量にはなりません。同じ空気を回している量と、外から新しい空気を取り込んでいる量を区別してください。エアコンも機種の換気機能と計画への対応を確認します。
フィルターが汚れたり、給気口を塞いだりすれば、設計時と違う状態になる可能性があります。運転音や寒さが気になるときは、必要な換気を維持できる設定と対処を相談します。回数の数字を下げることだけで問題を解決しないようにします。
入居後にCO₂濃度を記録する方法は、使っている部屋の換気を考える助けになります。ただし、その値だけで家全体の必要風量を測ったことにはなりません。数値を見ながら、設計と実測の記録へ戻って確認する使い方が適しています。
必要な換気を連続して行う計画と、窓を開けて短時間に多くの空気を入れる使い方も区別します。窓開けの回数だけで常時換気の設計を置き換えず、それぞれの目的を説明してもらいます。
相談では「0.5回という数字は、どの範囲の何m³に対する、実際の何m³/時ですか」と聞いてください。曖昧な『全部入れ替わる』という説明を、確かめられる空気の量に置き換えられます。
関連する質問
31 第一種換気と第三種換気は何が違う?給気・排気・室内の圧力をどう考えますか?
34 ダクト式とダクトレス式の換気は何が違う?風量・配置・空気の経路をどう確認しますか?
39 CO₂濃度が低ければ室内空気は安全ですか?測定できるもの・できないものは?
参照資料 V01、V09、V10、V11










