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売却の査定額を、そのまま新居の予算にしてよい?

売却の査定額を、そのまま新居の予算にしてよい?

結論  査定額は予算の出発点で確定した資金ではない

A 売却査定額をそのまま新居の予算へ使うのは避けます。査定は一定の条件で見込む価格で、必ずその額で買う人が現れる保証ではありません。売却費、残債、税等を引き、実際に使える見込額を計算します。高い査定を選ぶほど新居の予算も増やせるという進め方では、売れなかったときに資金が不足する場合があります。

査定額は、一定条件で売れると考える価格の意見であり、買主が支払う確定代金ではありません。売出価格、成約価格、売却費と残債を引いた手残りを分けます。査定が最も高い会社を選ぶことと、最も多くの現金が残ることは一致しない場合があります。

査定の根拠を聞く

周辺の成約例、現在の売出物件、土地と建物の状態、販売期間等を確認します。売出価格と成約価格も区別します。複数の査定が違う場合は、単に最高額を選ばず、どの条件を評価したかを聞きます。国土交通省の既存住宅評価の資料等も参考に、性能や改修記録を示しますが、評価へ反映されることとその額で成約することは別です。[資料27]

比較物件の成約時期、立地、面積、建物状態等と、対象物件との差を説明してもらいます。売出し中の他物件の希望価格だけを根拠にしていないかも見ます。複数査定は数字の平均ではなく、条件と販売方法の差を比較します。

査定を比べる時は、金額の大小だけでなく根拠をそろえます。近隣の募集価格と実際の成約価格は異なり、土地の条件、建物の状態、売却時期、引渡し条件でも変わります。査定を高く出した会社が、必ず高く成約させるとは限りません。担当者には、どの成約事例を比較し、違いをどう調整し、どの期間で売る想定かを聞きます。買主が付くまでの見込額、売買契約が結ばれた額、決済で受け取る額を、別の確度の数字として扱ってください。

売れる時期と現金になる時期を分ける

媒介の契約、売買契約、手付金、残代金、引渡し等の段階を確認します。申込みがあることだけで資金を確定しないでください。買主の融資条件等で契約の進み方が変わる場合もあります。新居の契約金が先なら、売却残代金を待てないことがあります。仲介から見込みを聞きつつ、金融機関へ実際にいつ使える資金かを確認することが大切です。

売却価格が決まっても、引渡し・決済まで使えない代金があります。買主の融資や契約条件が残る段階も区別します。新居の契約金に使う予定なら、その支払日より前に確実に入る現金かを確認する必要があります。

価格を下げた場合も試算する

想定価格、少し低い価格、販売が長引く場合等の複数案を置きます。下落率を根拠なく市場予測とせず、家計の耐久性を見る仮定として使います。諸費用と残債を引いた手残りで、新居の総額と必要借入を再計算します。今の生活を維持する資金も別に残してください。高値で売れた場合の余裕を、契約前からオプション等へ使い切らないことが重要です。

仮定例として、査定2,000万円でも、成約1,800万円、完済800万円、売却費100万円なら税等を除く手残りは900万円です。査定から完済だけを引いた1,200万円で新居を組むと300万円不足します。売価と費用の下振れ・上振れを反映する例です。

新居の予算へ入れる時は、売価の下振れと費用の上振れを同時に見ます。査定2,000万円を基準にしても、1,800万円、1,600万円等、地域の成約事情を踏まえた複数の案で手残りを出します。これは売価を一律に何割下げるという査定ではなく、家計の耐性を確認する試算です。差額を追加借入で埋める前提にせず、下振れ時に新居の面積や時期を変えられるかを確認します。旧居の価格が未確定なほど、使うことを約束するお金を慎重に設定します

販売中の見直しルールを決める

一定期間の反応を見て、価格、見せ方、条件等をどう調整するかを仲介と話します。査定を受けた時点の数字を固定せず、問合せや内覧等の状況を確認します。買取を利用する案は、提示価格と適用条件を別に読みます。新居を先に契約するなら、どの売却条件を下回ると進められないかを家族と金融機関へ共有してください。

「この査定の成約根拠と見込期間は何ですか。価格を下げる基準、販売費、手残りを示してください。見込価格で売れない場合、新居の支払いへどう影響しますか」と聞きます。

販売中は、問い合わせ、内見、購入申込み、融資、契約、決済を分けて進捗を確認します。内見が多いのに申込みがない場合と、露出自体が少ない場合では見直す点が違います。いつ価格や条件を再検討するか、旧居を維持できる月数はどれくらいかを先に共有します。高い査定額を一度聞いたことを理由に、売却が進まないまま新居への支払いだけを増やさないことです。契約で確定していない売却収入は、生活予備費を除く余裕のある範囲で予算へ反映してください。

使える確度に応じて予算へ入れる

査定、申込み、契約、決済は資金の確度が違います。予算表へ段階を付け、未確定の部分へ余裕を残します。相談では「査定どおりでない場合にも新居を買えるか、手残りで確認したい」と伝えてください。高い査定の安心感より、根拠と価格変更時の対応が分かることを重視すると、住み替え後の借入の膨張を避けやすくなります。

確定していない価格は複数の資金案で扱い、余裕を持つ範囲だけを新居予算へ入れます。高い査定を根拠に先に仕様を増やさないことです。販売が続く間も維持費が出るため、希望価格に固執して最終手残りを減らさない見直し日を決めます。

関連URL

1 [資料27] 国土交通省 既存戸建住宅の評価に関する留意点

既存戸建ての状態や性能を評価へ反映する考え方を確認できます。工事費と成約価格は同じではありません。

https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo04_hh_000104.html

2 [資料28] 三菱UFJ銀行 住宅ローンが残る家の住み替えと手順

残債がある住み替えの資金と売買の順序を確認する金融機関の解説です。融資承認の代わりにはなりません。

https://moneycanvas.bk.mufg.jp/know/column/B6OxYPV2SKSO3T1/

 

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