Q.広すぎる家を持て余しているなら、使う範囲を改修するか、
小さく建て替えるか、どちらがよいですか?
A.普段使う場所をまとめるだけで困り事を解消できるなら、生活範囲の改修が選択肢になります。ただし、使わない部屋も建物の一部として残り、屋根や外壁などの管理は必要です。小さく建て替える案とは、日常の動きやすさと、残る家全体を維持できるかの二つで比較します。使わない面積を、そのまま負担ゼロとは考えないでください。
生活の広さと所有する家の広さを分ける
まず、一年を通して使う部屋、来客時だけ使う部屋、物置になっている部屋を分けます。食事、就寝、洗濯、入浴をどこで行い、何回階段を使っているかを確認します。困っているのが移動の長さなのか、掃除の量なのか、家全体の維持なのかで、有効な対策が変わります。
使う範囲だけを改修する場合は、居間、寝室、トイレ、浴室をできるだけ無理なくつなげられるかを検討します。一階中心にまとめても、水回りへ行くたびに寒い廊下を通る、収納が二階に残るといった不便があれば、生活は完結しません。改修する場所と、毎日使う経路を同じ図面へ描きます。
使わない部屋の扱いも決めます。荷物を置くのか、時々家族が泊まるのか、当面利用しないのかで、点検や清掃の方法が変わります。雨漏りや設備の漏水などを見逃さない管理も必要です。普段の出入りを減らすことと、建物の状態を確認しなくてよいことは別に考えましょう。
比較のために整理する四項目
・毎日使う部屋と、生活に必要な移動経路
・残す持ち物、家具、来客用の場所の必要性
・使わない部屋の用途と、点検・清掃する方法
・家全体で今後必要になる補修と、管理する人
例えば、二人暮らしで二階の多くを使っていなくても、一階に必要な寝室や収納を確保できれば、今の家を生かす案が考えられます。一方、荷物を置く場所を失わないために動線を無理に長くするなら、先に持ち物を整理することで、どちらの案も改善する場合があります。
小さくすることで失うものも確認する
小さな家への建て替えでは、掃除する床や維持する外装の面積を減らせる可能性があります。ただし、必要な収納や作業場所まで削ると、家具が通路にはみ出すことがあります。坪数を先に目標にせず、残す家具と必要な動作を入れたうえで、適切な広さを考えてください。
小さくしても、浴室、キッチン、トイレなど一式が必要になるため、工事費が面積に比例して下がるとは限りません。また、同じ人数が暮らすなら、給湯などの負担が面積と同じ割合で減るわけでもありません。「半分の広さなら負担も半分」という前提で比べないようにしましょう。
改修案は、使う場所の工事費だけでなく、残す屋根や外壁の状態を確認します。建て替え案も、新築後に必要となる点検や設備交換まで考えます。将来の修繕費を足す方法は第2章でそろえ、改修側だけに古い家全体の負担を加え、新築側を永久に費用ゼロとしない比較にします。
家族が泊まりに来る頻度や、趣味、仕事の使い方が変わる可能性も検討します。今使っていない部屋が必要になる予定があるなら、根拠と時期を具体的にします。将来のためと何室も残す場合も、その管理を誰が続けるかまで話し合ってください。
残す家具や季節用品は、収納したときの寸法まで確認します。今の空き部屋に置いている物をすべて新居へ入れると、小さくした家が物置中心になることがあります。建物の大きさを決める前に、使い続ける物と保管方法を家族で整理しましょう。
私は、使う範囲を囲んだ図面と、家全体の維持項目を並べることを勧めます。暮らしをまとめる改修で十分なら、家を残す利点があります。残る広さの管理が大きな負担になるなら、必要な空間へ小さく建て替えた場合の違いを比較してください。
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