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売るリースバックと借りるリバースモーゲージ 家賃と利息と相続はどう違いますか?

リースバックとリバースモーゲージは、同じ仕組みではありません。前者は自宅を売って賃借する方法、後者は自宅などを担保に借りる方法です。「家に住みながらお金を受け取れる」という共通点だけで選ぶと、所有権、毎月の負担、住める期間、相続の違いを見落とします。

建て替え資金の相談では、いくら受け取れるかより先に、何のための資金が必要なのかを決めてください。同じ敷地で新築したいのか、別の住まいへ移るまでの資金が必要なのか、今の家で暮らす生活費が不足しているのか。目的によって適した方法は変わります。

リースバックは売却後に家賃を払う契約

リースバックでは、不動産の所有権が買主へ移り、元の所有者は賃貸借契約に基づいて住み続けます。国土交通省のガイドも、売買と賃貸借の両方を確認するよう示しています。売却価格が高いかだけでなく、家賃、契約期間、修繕負担、退去条件まで合わせて判断します。[28]

特に定期借家契約では、契約期間が終わった後も必ず住み続けられるとは限りません。再契約の扱いを、「ずっと住めます」という営業の言葉だけで判断しないでください。買主が変わる場合や、施設へ移るため途中で解約する場合も、契約条項を確認します。[28]

自宅を売った後は、以前のように自由に解体や建て替えを決められる立場ではありません。同じ土地に建て直す予定なら、その取引が目的と両立するかを先に確かめます。資金が手に入るという一点だけで、建て替えの手段に組み込まないことが必要です。

リバースモーゲージは借入れとして考える

リバースモーゲージには金融機関ごとに異なる商品があります。住宅金融支援機構のリ・バース60は、住宅の建設、購入、リフォームなどに使う住宅ローンです。一般的な生活資金の調達商品と同じ使途だと思い込まず、今回払いたい費用が対象かを確認します。[9]

リ・バース60では毎月は原則として利息を払い、元金は契約者(連帯債務の場合は全員)の死亡時に相続人による一括返済や担保不動産の売却で返す仕組みです。通常の元利返済と比べて毎月の負担が小さく見えても、元金が同じように減っているわけではありません。最後に何を返すのかまで理解します。[9]

現行のリ・バース60には全期間固定金利の選択肢もありますが、取扱金融機関や商品条件を確認する必要があります。リバースモーゲージは全部変動、という古い説明をそのまま使わず、自分が申し込む商品の金利タイプと変更条件で判断してください。[9]

毎月の支払いだけでお得を判断しない

仮に1,000万円を借り、年3%の利息だけを払うなら、単純計算で月2万5,000円です。金利と元金が変わらず20年間払えば、利息の合計は600万円になります。その後も元金1,000万円の返済が残る計算で、手数料や税金は含んでいません。

一方、リースバックの家賃を仮に月7万円とすると、20年間で1,680万円です。ただし、この金額だけで前の借入例と優劣は決まりません。受け取る資金、所有権、税金、修繕負担、最後に残る不動産や債務が違うからです。月額の大小を比べる前に、契約全体を揃えます。

長く住む場合は累計支払額を、早く転居する場合は解約や返済の条件を確認します。平均寿命だけで期間を切らず、想定より長く住む案も作ります。老後の資金計画では、長生きによって生活資金が不足する可能性も、無理なく扱える仕組みを選ぶことが重要です。

相続人の責任と配偶者の住まいを確認する

リ・バース60では、担保不動産の売却後に債務が残る場合、ノンリコース型かリコース型かで相続人の返済責任が異なります。ノンリコース型なら相続人はその残債務を返す必要がありませんが、債務免除に伴う課税の可能性など、別の確認事項は残ります。[9][29]

借入本人が亡くなった後も配偶者が住み続けたい場合は、その方法と条件を契約前に確認します。「夫婦で住んでいるから、そのまま大丈夫」と推測しないことです。契約上の立場、債務の引継ぎ、手続の期限、必要な審査を、取扱金融機関へ具体的に聞きます。[30]

子どもへ家を残したい希望が強いなら、売却による返済を予定する仕組みとの相性を考えます。相続人が自己資金で返す方法があっても、将来そのお金を用意できると決めつけません。本人が希望する暮らしと、家族が引き継げる条件を同じ場で話しておきましょう。

担保評価と必要な現金の差を計算する

融資額は建築費の希望だけでは決まりません。商品によって担保評価額に対する上限や、年齢、収入、対象地域などの条件があります。土地を昔高く買ったことと、今回の金融機関が評価する金額は別です。建物の計画を大きくする前に、利用可能額の見込みを確かめます。[9]

仮に担保評価が2,000万円で、融資比率60%の条件なら1,200万円という計算です。必要な総額が2,600万円なら、単純差額で1,400万円を別に用意する必要があります。実際には所要資金や他の融資条件で変わるため、これは評価額と建築予算が違うことを示す例です。

必要な自己資金を払った後、生活費や医療・介護への備えが残るかまで確認します。通常の住宅ローンが難しいからという理由だけで、別商品の借入可能額いっぱいに建てるのは避けたいところです。金融商品の選択肢が増えても、家計の負担能力そのものが増えるわけではありません。

売却や小さな建て替えも同じ条件で比べる

比較には、通常の売却と住み替え、工事規模を抑えた建て替え、一部改修、一般の住宅ローンも入れます。どの案にも手数料や引越し、維持費などがあります。今の土地への思いを大切にしながら、同じ暮らしの目的を別の方法で実現できないかを確かめます。

見積もりは、受取額、初期費用、毎月の支払額、住める条件、修繕負担、途中でやめる条件、死亡時の扱いを揃えてください。資料の名称が違っても、この項目へ置き換えれば比較しやすくなります。分からない項目を残したまま、印象のよい説明だけで決めないことです。

検討の場には、将来その家に住む可能性がある家族にも参加してもらうと話が具体的になります。ただし、子どもに相続させやすいことだけを優先し、本人の暮らしを犠牲にする必要もありません。誰のどんな希望を守るための契約か、本人の意思を中心に整理します。

相談では「売却して借りる案と、担保にして借りる案を、入居中の負担と最後の精算まで並べてください」と依頼しましょう。家を活用する金融商品は、条件が合えば役立ちます。毎月が安く見えることだけに引かれず、所有権、住まいの継続、家族に残る責任まで納得して選んでください。

 

 

 

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