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再雇用やアルバイトを前提に建て替えて大丈夫? 働けなくなった場合の家計を見る

退職後も働く計画は、収入だけでなく生活の張り合いにもつながります。ただし、「働き続ける限り返せる」という条件だけで建て替えを決めると、体調や家族の事情が変わったときに困ります。就労収入が早く終わる場合でも、暮らしを調整できる計画にしておくことが大切です。

再雇用収入を全く見込まないことが正解というわけではありません。契約や見通しを確かめた収入を使いつつ、その収入が減った場合に何が起きるかを確認します。住宅会社が「まだ働けますから」と言うだけでは、返済の根拠にはなりません。

制度上の雇用機会と、本人の給与を分ける

高年齢者雇用安定法には、65歳までの雇用確保や70歳までの就業機会確保に関する仕組みがあります。ただし、70歳までの就業機会確保は努力義務であり、現在と同じ仕事や賃金が一律に保証される制度ではありません。[12]

勤務先では、再雇用後の給与、契約期間、更新条件、勤務日数、社会保険等の扱いを確認します。「年収は半分くらい」という口頭の説明だけでは、家計の手取りが分かりません。賞与がある前提なのか、年ごとの見直しがあるのかも確かめましょう。

アルバイトを新しく探す場合は、希望する働き方と採用が決まっている状態を区別します。勤務場所、通勤手段、体力面、家族の都合が合う仕事を長く続けられるかは、収入額とは別の問題です。未確定の収入を確定欄へ入れると、計画が良く見えすぎます。

額面の収入から、働くための支出を引く

再雇用の給与を家計に入れるときは、税や社会保険料を差し引いた手取りで確認します。さらに、通勤、仕事着、外食など、働くことで増える支出も見ます。年収の数字が同じでも、家に残るお金が同じとは限りません。

仮定の計算例として、就労による手取り収入が月10万円でも、通勤等で月2万円増えるなら、生活に回せる増加分は月8万円です。これを五年間見込めば480万円になります。給与10万円を丸ごと使えると置く場合との差は、五年で120万円です。

支出を引くときは、既存の生活費と二重計上しないようにします。車をすでに保有し家計に維持費を入れているなら、仕事で新たに増える部分を整理します。生活の実態から収入の効果を見れば、働く意味と必要な返済額の関係が分かりやすくなります。

仕事が早く終わる場合を金額にする

先ほどの月8万円を五年分見込んでいても、二年で就労を終えれば、残る三年の288万円が入らないことになります。これは失敗を予言する数字ではありません。その分を預金で補えるか、住居費を抑える必要があるかを判断するための仮定です。

さらに、働けなくなった理由が本人や家族の病気なら、収入減と支出増が重なるかもしれません。就労収入ゼロだけでなく、生活支援費が増える案も比べます。すべての悪条件を一つに積むより、どの変化が家計に大きく効くかを順に見た方が対策を考えやすくなります。

支えとなる貯蓄を確認するときは、すでに車や設備更新へ割り当てた資金を除きます。入らなくなった収入を穴埋めしたため、今度は住宅の修理費が足りなくなる計画では困ります。同じ予備資金を何度も使っていないか、年次の残高表で確認しましょう。

手取り収入だけでなく、仕事に伴う支出がいつまで続くかも確認します。退職後も車が必要なら、通勤をやめたから車関連費が全部なくなるとは置きません。収入減と経費減を別に見積もることで、働けなくなった場合の不足を正確に把握しやすくなります。

就労収入の使い道をあらかじめ決める

年金等で日常の生活費と返済を賄い、働いた収入を予備資金や楽しみ、繰上返済へ回せる形なら、働き方を変える余地が生まれます。一方、働く収入が止まると食費と返済が足りなくなるなら、借入額や総額を再検討する理由になります。

収入が続いた場合に予算の余裕ができても、毎月の固定費を増やすと、仕事をやめにくくなることがあります。新しい車や設備、定期サービスを増やす前に、その支出が就労終了後にも残るかを確認します。入ったお金の使い道を家族で決めておくことが役立ちます。

建て替え時に「もう少し働けば払える」と設備を追加する場合も、追加費用が何か月分の手取りに相当するかを出してもらいます。例えば120万円の追加が月8万円の十五か月分なら、その働く時間を使っても欲しい設備かを具体的に考えられます。

本人と配偶者の仕事を別々に試算する

夫婦のどちらも働く前提なら、一人が働くのをやめた場合と、二人ともやめた場合を分けます。配偶者が家事や介護を担うことで、もう一人の就労が成り立っている場合もあります。二人の収入を独立した確実なものとして足すだけでは、家庭の実態が見えません。

年金の見込額は、それぞれの記録と今後の働き方に基づいて確認します。ねんきんネットでは条件を変えた試算ができます。就労を長く続ける場合と早く終える場合の年金見込みも確認し、給与の増減だけで比較を終えないようにします。[1]

子供の支援を予定している場合も、金額や期間が合意されているか確認します。親の就労が終わる時期に、子供側の教育費や住宅費が増える可能性があります。支援を前提とするなら、子供側の家計も含めて無理のない範囲を話し合う必要があります。

働く自由を残せる住宅予算にする

住宅のために働くことが本人の希望に合う場合もありますが、借入れが原因で希望の働き方を選べなくなる状態は避けたいものです。勤務時間を減らす、家族の介護をする、旅行へ行くなど、建て替え後に望む暮らしを先に確認します。

住宅金融支援機構の資金計画シミュレーションは、家計やライフイベントを組み合わせた比較に使えます。勤務先の条件が変わったときに、年収と支出を入れ直せる形で表を残しましょう。契約時の一度きりの試算を、将来も変わらない保証にはしません。[2]

私は、再雇用収入を理由に借入上限を広げる前に、働く収入がない場合の住宅案も見せるべきだと考えます。その案と希望案の差額が分かれば、どの快適さのために働くのか、家族が納得して選べます。年齢だけで働ける・働けないを決めつける必要はありません。

相談では「再雇用が予定より三年早く終わった場合、何を変えれば生活を続けられますか」と聞いてください。仕事が続いたら余裕が増える計画と、続けなければ支払いが回らない計画には大きな違いがあります。働く自由まで残る建て替え予算を目指しましょう。

 

 

 

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