住宅会社選びで失敗する人の共通点は?
こんなご相談をいただきました
住宅会社によって、価格、性能、デザイン、保証が大きく違います。
営業担当者からは自社のメリットばかり説明されるため、何を信じて選べばよいか分かりません。
住宅会社選びで失敗する人には、共通点がありますか?
A. 失敗する人の最大の共通点は、比較条件を決めないまま、価格、デザイン、営業担当者、値引きなど、一つの分かりやすい要素だけで契約してしまうことです。
後悔しないためには、総額、性能、現場、資金計画、保証、経営リスクを同じ条件で確認する必要があります。
失敗する人① デザインだけで決める
おしゃれなモデルハウスや施工事例を見ると、「こんな家に住みたい」と気持ちが動きます。
しかし、完成写真では次の部分が見えません。
- 断熱材の施工
- 気密処理
- 構造と耐震性能
- 防水施工
- 配管・配線
- 現場管理
- 契約後の追加費用
デザインは後から変更できる部分もありますが、壁の中の断熱・気密・構造を後から直すのは簡単ではありません。
デザインを見る前に、住宅としての基本性能と施工品質を確認してください。
失敗する人② 本体価格だけで決める
「新築1,500万円」「坪単価50万円」という価格だけで会社を選ぶと、契約後に予算が増える可能性があります。
本体価格に、次の費用が含まれていないことがあるためです。
- 屋外給排水
- 設計・建築確認申請
- 地盤改良
- 照明・カーテン・エアコン
- 太陽光発電
- 外構・駐車場
- 登記・融資・保険
- 消費税
例えば、本体価格1,800万円でも、付帯工事や諸費用が600万円なら総額は2,400万円です。
本体価格2,200万円で必要な工事が含まれている会社の方が、最終的に安い場合があります。
比較するのは本体価格ではなく、入居できる状態までの総額です。
失敗する人③ 営業担当者だけで決める
営業担当者の人柄や相性は大切です。
しかし、営業担当者が家を設計し、施工し、何十年間も保証するとは限りません。契約後に異動や退職をする可能性もあります。
確認すべきなのは担当者だけではありません。
- 会社の経営方針
- 社長の考え方
- 設計者の能力
- 現場監督の管理体制
- 職人との連携
- アフターサービスの仕組み
- 担当者が変わった場合の引き継ぎ
「この人を信用したから」という理由だけで、契約書や見積書の確認を省略してはいけません。
約束は口頭ではなく、図面、仕様書、見積書、契約書に残してください。
失敗する人④ 値引き額で決める
「今月中なら200万円値引き」と言われると、契約しなければ損をするように感じます。
しかし、値引き額が大きいことと、最終価格が安いことは別です。
- A社:3,200万円から200万円値引き=3,000万円
- B社:最初から2,850万円、値引きなし
この場合、値引きのないB社の方が150万円安くなります。
さらに、A社の見積もりに外構や照明、エアコンが含まれていなければ、差はさらに広がります。
値引き前の価格ではなく、値引き後の総額と仕様を確認してください。
失敗する人⑤ 「高性能」という言葉を信じる
どの住宅会社も、自社の住宅を「高断熱」「高気密」「地震に強い」と説明します。
しかし、言葉だけでは比較できません。
確認したいのは次の数値です。
- 断熱等級
- UA値
- C値
- 気密測定の実施率
- 窓と玄関ドアの仕様
- 換気設備
- 耐震等級
- 構造計算の方法
特にC値は、完成する住宅で測定しなければ分かりません。
「過去にC値0.3を達成しました」ではなく、自分の家を測定し、目標未達なら補修するかを確認してください。
また、「耐震等級3相当」は、第三者評価を受けた耐震等級3と同じとは限りません。構造計算方法まで聞く必要があります。
失敗する人⑥ 完成展示場しか見ない
モデルハウスや完成見学会は、間取りや設備を見るには役立ちます。
しかし、完成後には施工品質を確認できません。
契約前に、工事中の現場も見せてもらいましょう。
- 現場が整理整頓されているか
- 資材が適切に保管されているか
- 断熱材に隙間がないか
- 気密処理が丁寧か
- 防水施工が適切か
- 現場監督が説明できるか
- 工事写真と検査記録があるか
完成写真は撮り方で美しく見せられますが、工事中の現場には会社の日常が表れます。
失敗する人⑦ 銀行が貸す上限を予算にする
住宅ローンの事前審査で4,500万円の承認が出ても、4,500万円を借りるべきとは限りません。
金融機関の融資可能額には、各家庭の教育費、車、介護、老後資金まで細かく反映されていません。
住宅ローン以外にも、建築後は次の支出があります。
- 固定資産税
- 火災・地震保険
- 光熱費
- 外壁・屋根の修繕
- 給湯器やエアコンの交換
- 車の買い替え
- 教育費
- 医療・介護費
- 老後資金
失敗する人は「借りられる金額」で家をつくります。
後悔しにくい人は、金利上昇や収入減少があっても「返し続けられる金額」から予算を決めます。
失敗する人⑧ 希望をすべて入れようとする
せっかく家を建てるなら、希望をすべて実現したくなります。
- 大きなLDK
- 吹き抜け
- 余分な客間
- 高級キッチン
- 大型の収納
- 太陽光と蓄電池
- 広いウッドデッキ
- 豪華な外構
一つひとつは魅力的でも、合計すると面積と総額が膨らみます。
住宅会社がすべての希望へ「できます」と答えるだけなら、予算管理ができているとは限りません。
良い会社は、優先順位を整理し、不要な面積や設備を減らす提案をします。
失敗する人⑨ 保証年数だけで安心する
「30年保証」「最長60年保証」という言葉だけで会社を選んではいけません。
長期保証には、定期点検や指定された有償メンテナンスが条件となる場合があります。
確認するのは次の点です。
- 初期保証期間
- 保証対象となる部分
- 保証延長の条件
- 有償工事の時期
- 予想されるメンテナンス費
- 会社が倒産した場合の対応
- 完成保証と瑕疵保険の違い
保証期間が長くても、保証を維持するために高額な工事が必要なら、その費用も住宅総額の一部です。
失敗する人⑩ 比較する会社を増やし過ぎる
1社だけで決めるのは危険ですが、10社以上を同時に比較しても、判断が難しくなります。
情報が増え過ぎると、最後は次の要素で決めがちです。
- 最も熱心に連絡してきた
- 最も大きな値引きを提示した
- 営業担当者と話が合った
- キャンペーン期限が迫っていた
まず5~8社から情報を集め、具体的な図面と総額見積もりを依頼する会社は3社程度に絞るのが現実的です。
同じ面積、性能、設備、工事範囲で比較してください。
失敗しないための比較順序
住宅会社は、次の順序で比較します。
- 希望総額と手元に残す資金を決める
- 必要な面積と間取りを決める
- 断熱・気密・耐震性能をそろえる
- 入居までの総額を比較する
- 工事中の現場を見る
- 検査と測定方法を確認する
- 保証と有償メンテナンスを確認する
- 完成保証と支払い条件を確認する
- 社長・担当者の説明と書類が一致するか見る
- 金利上昇と収入減少を含めて返済を試算する
この条件を満たしたうえで、最後にデザインや担当者との相性を判断します。
デザインハウス甲府からのアドバイス
住宅会社選びで失敗する人は、知識が足りない人とは限りません。
情報を集め過ぎた結果、最も大きな数字や、最も強い言葉に引っ張られてしまうことがあります。
- 200万円値引き
- 坪単価50万円
- UA値0.3
- 60年保証
- 太陽光で電気代ゼロ
- 月々5万円台
一つの数字だけでは、良い住宅会社か判断できません。
デザインハウス甲府では、総額表示、断熱等級6・UA値0.46以下、全棟気密測定によるC値0.7以下、許容応力度計算による耐震等級3、全棟完成保証など、比較できる条件を明確にしています。
住宅会社へは、次のように質問してください。
「この金額で生活を始められますか。性能は私の家で計算・測定しますか。会社に何かあっても完成しますか」
三つとも書面で回答できる会社なら、比較の土台に乗せられます。
住宅会社選びで失敗する人は、悪い会社を選んだ人ではありません。比較できない状態のまま、感情で契約した人です。価格・性能・現場・保証を同じ条件にそろえてから決めてください。










