会社役員は、給与所得者と同じ審査?
結論 :役員報酬だけでなく会社資料を求められることがある
A 会社役員は給与を受け取っていても、一般の給与所得者と同じ資料だけで審査が済むとは限りません。本人の役員報酬に加え、会社の決算、借入、継続性等を確認する商品があります。経営への関わり方や親族経営の会社に勤める場合の扱いも、申込先へ確認してください。
例えば三菱UFJ銀行の必要書類案内には、会社経営者・役員について本人の収入資料に加え、会社の決算書等を求める例があります。これは一つの銀行の案内であり、全商品に共通する提出年数や基準ではありません。会社員という呼び方だけで申込区分を決めないことが重要です。[資料03]
法人役員でも、出資や経営への関与がどの程度かで確認事項は変わり得ます。役員報酬があるという理由だけで、一般の給与所得者と全く同じ提出物でよいとは限りません。代表者、出資者、親族会社の役員、雇われ役員等の立場を示し、申込区分と必要資料を銀行へ確認します。会社が厳しいときも報酬が続くかという点を、本人と会社の両面で整理します。
本人の立場と報酬の実態を整理する
代表者、取締役、経営に関与しない役員等の立場、就任日、株式や親族関係、報酬の額と推移を整理します。銀行の申込書でどの区分に該当するかを確認し、役員であることを記載しないまま一般従業員として進めないでください。登記や源泉徴収票等で確認できる情報と合わせます。
役員報酬を最近引き上げた場合は、いつから、どの決定に基づき、実際に支払われているかを説明できるようにします。帳簿上の報酬と実際の入金が違う場合も、そのまま高い数字だけを申告しません。銀行へ提出する資料の内容に不明点があれば、会社の税理士等へ確認してください。
役職、就任日、報酬額、変更の経緯、持株、保証等を一覧にします。源泉徴収票だけでなく、会社からの貸付や本人が立て替えた費用があれば区別します。仮定例で口座に年600万円入っていても、その中に立替返還100万円があれば、全額を給与とは扱えません。実際の報酬とその他の資金移動を資料で照合し、銀行が求める区分に沿って説明してください。
会社決算は必要な期間と範囲を確認する
決算書の必要期数、貸借対照表・損益計算書等の範囲、借入明細、追加資料を銀行へ聞きます。利益の出た期だけ選ぶ、会社の負債が分かるページを省く、といった提出はしません。会社の機密も含まれるため、銀行が指定する安全な提出先と方法を使いましょう。
赤字がある場合は、本人の報酬が支払われていることだけで問題なしとは判断できません。会社の赤字と役員本人の家計を区別し、それぞれの資料を示します。銀行が何を採用するか分からない場合も、紹介者が推測で数値を加工するのではなく、正式な申告・決算をもとに照会してください。
親族の会社に勤めている場合も、本人が役員でないから会社資料は絶対不要、と決めつけないでください。銀行の商品で確認範囲が異なるため、関係と役職を先に伝えます。会社の担当者や税理士へ依頼する前に、必要な期数とページを確定すると、機密資料の不要な共有も減らせます。
会社の決算は、どの年度・付属資料・法人の範囲が必要かを確認します。会社情報には他の関係者の情報も含むため、銀行が指定する安全な方法で提出します。利益だけでなく、借入、資金繰り、税の支払い等について補足を求められる場合があります。会社の実態を隠すのでなく、必要な資料を担当部署や税理士と準備し、住宅会社へ無制限に共有することは避けます。
会社と本人の貸借や保証を確認する
会社から本人への貸付、本人から会社への貸付、個人保証、会社の借入等があれば、申込先の質問に沿って説明します。会社名義だから本人の住宅審査へ一切関係ない、と自己判断しないでください。実際の返済や保証責任が本人の家計へ及ぶ可能性も整理します。
本人から会社へ入れた資金を住宅の頭金として回収する場合は、返還の時期と会社の資金繰りへの影響を確認します。返してもらう予定だけでは、決済日に現金があるとは限りません。会社の納税や給与支払いを圧迫して自宅資金を用意する計画になっていないか、専門家と一緒に点検しましょう。
役員貸付金、役員借入金、本人の保証、土地等の担保を整理します。会社から本人が借りて頭金へ使う場合、現金が入っても返す責任は残ります。本人が会社へ貸している場合も、いつでも返金されるとは限りません。名義と返済条件を銀行へ伝えます。会社の口座と個人の口座の残高を合計して、全て自由な自己資金だと考えないことが重要です。
報酬が下がった場合の家計を試す
経営者の住宅予算は、会社が好調な年の報酬だけで決めないようにします。業績悪化時に報酬を下げる、会社へ追加資金を入れる等の可能性を考えます。住宅ローンに加え、固定資産税、保険、修繕、教育、老後資金を払った後に、会社と家庭へ何を残せるかを確認してください。
例えば本人の手取りが月10万円減る仮定なら、年120万円の余裕が失われます。これは経営の予測ではなく、返済額を選ぶための試算です。事業の現金と家庭の予備資金を一つにまとめて安心せず、それぞれ必要な額を残す計画にすると、急な資金需要へ対応しやすくなります。
仮定例で手取りが月50万円から35万円へ下がり、生活費・事業に関わる個人支出等が28万円なら、住宅費等へ回る残額は7万円です。年収の高かった時期に借りられる最大額とは違います。退任、病気、売上減等で報酬が変わる場合も試算します。本人の収入と会社の業績が同時に悪化する可能性を考え、会社を支える現金まで頭金へ入れないでください。
申込区分と資金の移動を先に確認する
銀行には「私の役職と関係では何の区分になるか」「会社の何期分の資料が必要か」「会社との貸借や保証をどこへ申告するか」を聞きます。会社資料の取得には時間がかかる場合があるため、契約期限から逆算して準備し、未取得の資料は提出予定を伝えてください。
住宅会社には、会社資金を守ったうえで使える自己資金と、通常の役員報酬から決めた総予算を伝えます。高い報酬額だけで計画を大きくせず、会社が続き、家庭も返済を続けられることを優先しましょう。本人と会社の両方の資料を正確にそろえることが、会社役員の準備の中心です。
銀行には、役員としての申込条件、会社資料、本人の債務・保証、収入認定、実行前の変更連絡を確認します。税務や会社法等に関わる資金移動は、適切な専門家へ別に相談します。住宅の承認を得るためだけに報酬や貸借を不自然に動かすのでなく、事実と整合した資料で説明します。会社と家族の両方へ必要な現金を残せる総額が、住宅予算の上限になります。
関連URL
1 SBI新生銀行 審査のお申し込み方法および条件
会社役員等の申込み資料を確認できます。個人収入に加えて必要となる決算資料等を照会します。
https://www.sbishinseibank.co.jp/retail/housing/flow/examination/?intcid=hou1_snavi_34
2 三菱UFJ銀行 住宅ローンの必要書類
所得区分別の必要書類を確認できます。役員報酬の証明と会社資料の不足を整理する際に使います。
https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/soudan/shorui_form/index.html










