Q 今建てるのと貯めてから建てるのはどちらが安い?
家賃・建築費・金利をどう試算しますか?
A 今建てるか、貯めてから建てるかは、待つ期間の家賃、増える自己資金、建築費と金利の変化を同じ表で試算して判断します。貯蓄が増えても、家賃や取得費が増えれば有利とは限りません。将来の価格を一つに決めず、変わらない場合と上下する場合を比較しましょう。
待つ期間と比較する支出を固定する
まず「二年待つ」など期間を決め、その間の家賃、更新・引越し等の費用と、生活費を支払った後に増やせる住宅資金を見込みます。貯蓄目標は収入全額から単純に差し引くのでなく、家族の支出予定を含めて計算します。生活の予備資金は、住宅に使えるお金と分けて残します。
借入額は、取得費から実際に使う自己資金を引いて求めます。頭金を多くすれば元金は減りますが、貯蓄の増加額そのものを「住宅価格の値引き」として扱わないことが重要です。比較額を、取得費と利息、待機中の家賃等の合計と定義すれば、自己資金の二重計上を避けられます。
国土交通省の建設工事費デフレーター等は、工事費の動向を確認する資料になります。ただし、指数から二年後の自宅の見積額が決まるわけではありません。同じ面積・性能・設備で住宅会社へ見積もりを依頼し、将来分は複数の仮定を置いて検討します。[F14]
価格と金利の条件を変えて試算する
説明用に、今の取得費を3,000万円、住宅に使う自己資金を500万円とします。二年待つ場合は家賃月8万円で計192万円を払い、その支払いと生活費を済ませた後に住宅資金が240万円増え、使う自己資金は740万円になると仮定します。借入諸費用等は、以下の比較額へ含めません。
| 時期と取得費・仮定 | 全期間の金利 | 取得費+利息+待機家賃 |
| 今 3,000万円 | 年1.5% | 約3,715万円 |
| 二年後 3,000万円 | 年1.5% | 約3,838万円 |
| 二年後 2,850万円 | 年1.5% | 約3,645万円 |
| 二年後 3,150万円 | 年1.5% | 約4,031万円 |
| 二年後 3,150万円 | 年2.0% | 約4,285万円 |
全案とも借入期間35年、元利均等、毎月返済、ボーナス返済・繰上返済なし、金利は借入れから全期間変わらない仮定です。今建てる案の借入額は2,500万円、二年待って取得費が同じ案は2,260万円です。取得費が3,150万円になる待機案の借入額は2,410万円となります。
この仮定では、取得費と返済利息、待機家賃の合計は、今建てる案が約3,715万円、二年待って価格・金利が同じ案は約3,838万円です。増えた貯蓄で利息は減っても、家賃を含めると約123万円多くなります。条件を説明する計算例であり、今建てる方が常に得という意味ではありません。
二年後の取得費が150万円増えると年1.5%の待機案は約4,031万円、さらに年2.0%なら約4,285万円です。逆に取得費が150万円下がり2,850万円、年1.5%なら約3,645万円で、今建てる案より約70万円少なくなります。価格や金利を都合のよい一方向だけに置かず、条件を入れ替えて比べましょう。
完済時期と手元資金も判断材料にする
比較の終了時点は今から37年後にそろえ、今建てる案は35年後、待つ案は37年後に完済する設定です。表の比較額には借入諸費用、税金、保険、修繕、光熱費等を含めていません。実際の判断では、今建てた住宅の維持費が先に発生する点など、期間による差も加えて検討します。
金利と返済額の計算は、住宅金融支援機構等のシミュレーションで条件をそろえて確認できます。表示された元利合計に、頭金と待機家賃を加える場合は、元金を別に再加算しないようにします。表は月返済を丸める前の計算結果を万円単位へ丸めた概算です。[F12]
建て替えなら、待機中の家賃がない代わりに、現住居の応急修繕等が必要になる場合があります。今建てる案の解体・仮住まい費と、待つ案の維持費をそれぞれ計上します。若い世帯と退職前の世帯では、二年後の完済年齢や借入期間の選択肢も異なるため、家計と融資条件を確認します。
担当者には「同じ住宅条件で今の総額と価格の期限を示してください」「二年待つ場合の家賃と自己資金を入れて比較できますか」「価格と金利が変わった案でも、予備資金が残りますか」と質問します。差額だけでなく、入居時期と完済時期、家族が必要とする生活も一緒に確認しましょう。
急いで建てるために手元資金を使い切ることも、将来の値下がりを期待して無期限に待つことも避けたい判断です。待つ期間、貯蓄の目標、再検討する時期を決め、見積もりと資金計画を更新します。建てる時期は、試算と家族の準備がそろう条件から決めましょう。
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