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一級建築士なら設計は安心ですか?資格と住宅の担当実務をどう確かめるか

建築士の資格は大切な確認事項ですが、それだけで自分たちの家に合う設計者かどうかが決まるわけではありません。資格、今回の担当範囲、類似した住宅での経験、設計を確認する体制を分けて見ます。若いから危険、年配だから安心という判断にも根拠はありません。

また、「一級建築士に合格」と「免許登録を受けた一級建築士」は同じ表現ではありません。肩書きを疑うためでなく、誰が責任を持って設計し、工事中に何を確認するのかを明らかにするために、資格と役割を確かめましょう。

試験合格と免許登録を区別する

国土交通省は、一級建築士になるには試験に合格し、免許を受ける必要があると説明しています。試験に合格したという紹介だけで、登録を確認したことにはなりません。会社の宣伝文句だけでなく、今回担当する人の資格と登録を確認してください。[18]

制度上の実務経験についても正しく理解します。2020年の制度見直しでは、原則として必要な実務経験を免許登録時までに積む仕組みに変わりました。若くして試験に合格できることを、登録した建築士に実務経験が全く要らないという意味へ広げないことです。[19]

ただし、登録要件を満たす経験と、自分が建てたい住宅の経験が完全に一致するとは限りません。資格の有無を確認した後に、住宅の種類、敷地条件、担当した業務を聞きます。免許だけで評価を終えず、今回必要な仕事との関係を確かめることが大切です。

会社の実績と、その人の担当実績を分ける

施工事例集に多くの住宅が載っていても、目の前の人がすべて設計したとは限りません。今回の担当者がどの事例で、基本計画、詳細設計、申請、工事監理等のどこを受け持ったかを聞きます。チームの実績と個人の役割の両方を知れば、依頼の形が見えてきます。

似た敷地や家族構成の事例を一つ挙げてもらい、何が難しく、どう調整したかを説明してもらうと参考になります。写真の美しさだけでなく、予算、動線、周囲の条件への対応を聞きます。施主の個人情報が出せない場合は、匿名化した説明でも確認できます。

件数が多いから必ず上手い、少ないから任せられないと決める必要はありません。少ない経験を誰が支援するのか、得意でない分野をどの専門家へ相談するのかも評価します。経験の不足を隠す説明より、確認体制を具体的に示す説明の方が判断しやすくなります。

一級と二級を、そのまま住宅の優劣にしない

資格ごとに設計等を行える建築物の範囲が異なりますが、その区分を、住宅の暮らしやすさの順位へ読み替えることはできません。まず今回の建物に必要な資格・体制を満たしているかを確認し、そのうえで住宅の経験と提案内容を見ます。肩書きだけの比較は避けます。

建物の規模や構造等が分からない段階で、「この住宅なら誰でも設計できる」と決めつけることもしません。今回の条件に応じて、担当する事務所に説明してもらいます。営業担当と建築士が別なら、必要な技術説明を建築士から直接聞く機会を設けます。

登録の確認には、国土交通省が案内する建築士名簿・事務所登録簿の閲覧方法を使えます。確認したいのは名刺の見栄えではなく、担当者と事務所の登録です。ただし、登録を確認できたことだけで、工事品質や相性まで保証されるわけではありません。[20]

図面の説明から、実務の進め方を見る

「なぜこの配置なのか」「この広さでどの家具が置けるか」「予算が増えた場合どこを調整するか」と質問します。答えを専門用語だけで終えず、家族の生活に結び付けて説明できるかを見ます。施主が理解できる資料を用意することも、設計を進めるうえで重要です。

仮定の例として、廊下を広くするため居室が小さくなる案では、通路だけの数値で選びません。必要な移動と家具配置を両方描き、何を優先しているか説明してもらいます。要望を一つかなえた結果、別の暮らしが不便になっていないかを確認するためです。

変更への対応も見ます。一つの設備を変更したときに、図面、費用、工期等の影響を整理できるかを確かめます。「設計者に全部お任せ」で説明を省くのでも、施主が細部を一人で判断するのでもなく、専門家の提案を理解して選ぶ関係をつくります。

設計と工事監理の範囲を契約で確認する

設計を担当した人が、工事中も同じ範囲で現場を見続けるとは限りません。誰が工事監理を担い、どのような確認と報告をするのかを聞きます。工事の工程や職人の手配などを行う現場管理と、設計図書との照合を行う工事監理も、役割を分けて確認します。[21]

設計受託契約等の前には、建築士による重要事項説明があります。業務内容、担当者、報酬、解除等の条件を確認する機会として使い、書類を受け取るだけで終えないことです。国土交通省の工事監理資料も、契約時に業務範囲や報告の方法を明らかにする重要性を示しています。[21]

例えば「現場へ定期的に行きます」と聞いたら、回数だけでなく、どの工程をどう確認し、施主へ何を報告するかを尋ねます。頻繁に顔を出すことと、必要な確認を記録することは同じではありません。後から内容をたどれる方法を決めておきましょう。

外部の確認を使うなら、役割を重ねず整理する

不安が残る場合は、別の建築士等による相談や確認を検討できます。ただし、誰が何を確認し、元の設計者や施工会社とどう調整するかを整理します。第三者へ依頼すれば自動的に問題がなくなると期待せず、確認の対象、時期、費用を明確にします。

設計が進んだ後に異なる要望を複数の人へ同時に伝えると、前提がそろわなくなるおそれがあります。外部の意見を得た場合は、変更したい点と理由をまとめ、正式な設計担当へ確認します。依頼した業務の責任と、参考にする意見の範囲を混ぜないことが必要です。

私なら、資格を確認したうえで、家族の生活を理解し、必要な技術確認を行い、予算との関係を説明できる人に依頼したいと考えます。年齢や資格の呼び名で安心を買うのではなく、今回の仕事をどの体制で完成させるかを見て判断します。

最初に「今回の設計と工事監理は誰が担当し、似た住宅ではどの業務を経験していますか。確認や引継ぎの体制も教えてください」と聞きましょう。資格は入口として確認し、その先は実務の内容と説明で、自分たちに合う設計者かを見極めてください。

 

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