Q フルローンなら現金ゼロで建てられる?
融資前に必要な支払いと手元資金は?
回答範囲 借入対象と融資時期を確認し、土地・工事代金などの支払日と入金日を資金繰り表で整理する。
A フルローンを利用しても、融資前の支払いと生活用の手元資金を準備する必要がある場合があります。「物件価格の全額を借りられる」と「支払日に現金が要らない」は別の話です。借入対象になる費用、実際の入金日、契約で決める支払日を照合し、途中で不足する金額を確認しましょう。
フルローンで借りる範囲を確認する
フルローンという言葉だけでは、土地と建物の代金までか、登記や融資の手数料等も含むかは分かりません。住宅会社が示す総額と、金融機関が融資対象として認める費用を項目ごとに分けます。家具・家電、引越し、外構なども、すべて借りられると思い込まず、申込先へ確認してください。
住宅金融支援機構のフラット35にも、借入額や資金使途、借入対象となる費用についての条件があります。審査で承認された金額だけを見ず、何の代金として借りる金額かを整理しましょう。住宅会社に支払う総額と、入居までに家計から出る総額が一致しない場合もあります。[J1]
諸費用まで借りる場合は、借入額が増えた後の返済と、費用を融資金から差し引くかも確認します。たとえば融資額が3,000万円でも、同時に手数料等を支払うなら、入金額をすべて工事代金へ回せるわけではありません。金額の承認と、実際に使える資金の計算を分けてください。
支払日と融資日を同じ表へ入れる
注文住宅では、土地の手付金、工事契約時の支払い、着工金、中間金、完成時の残金などが発生する場合があります。金額と時期は契約で異なります。住宅金融支援機構が案内する建設時の一般的な手続でも、竣工検査等を経て借入契約と資金受取へ進む流れが示されています。[J2]
| 完成前の支払い例 | 仮の金額 | 確認すること |
| 土地の手付金 | 100万円 | 支払日と融資の可否 |
| 工事契約時の支払い | 50万円 | 契約の支払条件 |
| 先払いの諸費用 | 50万円 | 項目と入金時期 |
| 先に必要な現金の計 | 200万円 | 使える自己資金との差 |
表は完成前の支払いを仮定した例です。土地の手付金100万円、工事契約時50万円、先払いの諸費用50万円なら、先に必要な現金は合計200万円です。預金300万円のうち生活用に150万円を残す計画なら、住宅へ使えるのは150万円なので、支払時点で50万円が不足します。
完成時に総額分の融資が認められる見込みでも、そのお金を数か月前の支払いへ使うことはできません。既に自己資金で払った代金を融資対象にできるかも、金融機関ごとに確認します。「後で戻る予定だから大丈夫」と考える前に、戻るまでの口座残高が足りるかを見てください。
不足する資金の用意を契約前に決める
不足がある場合は、融資を分けて受け取れるか、つなぎ融資を利用できるか、工事代金の支払時期を相談できるかを確かめます。利用できる方法や費用は商品と申込経路によって違います。分割融資とつなぎ融資の選び方はNo13に分け、ここでは各支払いを何のお金で賄うかを確定させます。
住宅会社には「契約時から入居まで、いつ、いくら支払いますか」と聞き、金融機関には「この支払日までに、どの費用の融資を受けられますか」と同じ表を見せます。担当者同士で話をしている場合も、本人が金額と日程を確認し、融資の回答と契約上の支払条件をそろえましょう。
資金繰り表には、毎回の支払い前後の残高を記入します。融資の手数料や登記費用を別の時期に払うなら、その行も追加します。契約時点で確定していない工事費や補助金は、確定済みの入金と区別します。交付時期が決まっていない補助金を、直近の支払原資へ自動的に入れないようにしてください。
工期が延びた場合のつなぎ利息や家賃、家電を買う時期が早まる場合も試算します。追加借入れが必要になってから別のカードローンを使うと、住宅ローンの審査条件に影響する可能性があります。不足に気づいた段階で、自己判断で借り足さず、住宅ローンの申込先へ相談しましょう。
最後に、総額を借りる案と自己資金を一部使う案を、入居時に残る預金と返済額で比較します。現金を多く使えばよいとも、全額借りれば安心とも一律には言えません。契約前に、支払日ごとの不足を解消し、入居後の生活に必要なお金が残る計画になっているかを確かめます。
関連する質問
No04[本巻外] 本当の予算は住宅営業に伝えるべき?「借りられる額」に合わせた提案を避ける質問は?
No13 ネット銀行の住宅ローンは土地購入・注文住宅でも使える?分割融資・つなぎ融資の確認点は?
No17 住宅ローン審査前に車のローンを完済すべき?残債・クレカの分割払い・手元資金をどう整理しますか?
参考資料 J1 J2










