Q. なぜ住宅に結露は発生するのか?
A. 湿気を含んだ空気が冷たい窓や壁に触れ、空気中に保持できなくなった水蒸気が水滴へ変わるからです
結露は、家が古いから発生するわけではありません。
新築住宅でも、室内の湿度が高く、窓や壁の表面温度が低ければ結露します。
特に注意したいのは、目に見える窓の結露だけではありません。
壁や天井の内部で発生する「壁内結露」は、発見が遅れやすく、断熱材、柱、合板などを傷める可能性があります。
結露を防ぐためには、断熱材を厚くするだけでは不十分です。
窓の性能、断熱、気密、防湿、換気、暖房方法、室内湿度を一体で考える必要があります。
結露が発生する仕組み
空気は、水蒸気を含むことができます。
しかし、空気が保持できる水蒸気の量は温度によって変わります。
暖かい空気は多くの水蒸気を含めますが、冷たい空気が保持できる量は少なくなります。
湿気を含んだ暖かい空気が冷たい窓や壁に触れると、空気の温度が下がり、保持できなくなった水蒸気が水滴へ変わります。
これが結露です。
冷たい飲み物を入れたコップの外側に水滴が付くのと、同じ仕組みです。
露点温度とは?
空気を冷やしたときに結露が始まる温度を、露点温度といいます。
例えば、室温20℃、相対湿度60%の場合、露点温度はおよそ12℃です。
窓ガラスや壁の表面温度が約12℃を下回ると、結露が発生しやすくなります。
同じ室温20℃でも、相対湿度が50%なら露点温度は約9℃まで下がります。
つまり、結露は次の2つが重なったときに発生します。
- 室内の水蒸気量が多い
- 窓や壁などの表面温度が低い
室温だけを見ても、結露するかどうかは判断できません。
温度、湿度、窓や壁の表面温度を合わせて考える必要があります。
住宅では多くの湿気が発生する
日常生活では、想像以上に多くの水蒸気が発生します。
主な発生源は次のとおりです。
- 人の呼吸や発汗
- 料理や湯沸かし
- 入浴
- 室内干し
- 加湿器
- 観葉植物
- 水槽
- 開放型の石油・ガス暖房
- 濡れた衣類や傘
家族の人数が多く、室内干しや料理の時間が長ければ、室内の水蒸気量も増えます。
加湿器を使いすぎると、部屋の中央では快適でも、温度の低い窓、玄関、北側の部屋では結露することがあります。
窓に結露が発生しやすい理由
住宅の中で窓は、断熱された壁より熱を通しやすい部分です。
冬は外気によってガラスや窓枠が冷やされます。
室内の暖かく湿った空気が冷たい窓に触れると、表面温度が露点温度を下回り、水滴になります。
特に結露しやすいのは次の窓です。
- アルミサッシ
- 一枚ガラス
- 北側の窓
- 日が当たりにくい窓
- カーテンを閉め切った窓
- 家具などで空気の流れが止まった窓
- 暖房していない部屋の窓
カーテンを閉めると、室内の暖かい空気が窓へ届きにくくなり、ガラス表面がさらに冷えることがあります。
サッシとガラスの性能で変わる
窓の断熱性能を高めると、室内側の表面温度が下がりにくくなります。
その結果、窓際の冷えと結露を抑えやすくなります。
確認したいのは次の項目です。
- アルミ・アルミ樹脂複合・樹脂などのサッシ材質
- ペアガラスかトリプルガラスか
- Low-Eガラスか
- アルゴンガスなどが封入されているか
- ガラス間スペーサーの材質
- 窓全体の熱貫流率であるUw値
- 窓まわりの断熱・気密施工
ただし、高性能サッシやトリプルガラスなら絶対に結露しないわけではありません。
室内湿度が高すぎたり、外気温が非常に低かったりすれば、高性能窓でも結露する可能性があります。
表面結露と壁内結露の違い
住宅の結露には、大きく分けて表面結露と壁内結露があります。
| 種類 | 発生する場所 | 主な問題 |
|---|---|---|
| 表面結露 | 窓、壁、収納内部など | カビ、汚れ、ダニ、内装劣化 |
| 壁内結露 | 壁、天井、床下などの内部 | 断熱材の性能低下、木材や合板の劣化 |
窓の水滴は目で確認できるため、拭き取ることができます。
一方、壁内結露は完成後に見えません。
気づかないうちに断熱材が湿り、カビや木材腐朽につながる可能性があります。
見えない結露の方が、住宅の寿命に深刻な影響を与える場合があります。
壁内結露はなぜ発生するのか?
冬は、室内の暖かく湿った空気が、壁の中へ入り込もうとします。
その空気が壁の内部で冷やされ、露点温度を下回ると結露します。
壁内へ湿気が入る主な原因は、次のとおりです。
- 気密シートや防湿層の隙間
- コンセントや配線まわりの処理不足
- 配管貫通部の隙間
- 断熱材の欠損
- 断熱材のずれや押し込み
- 壁と天井の取り合い
- 窓まわりの施工不良
- 建物全体の漏気
断熱材の商品名が同じでも、施工方法によって壁内結露のリスクは変わります。
だからこそ、断熱材の種類や厚みだけでなく、気密施工と防湿設計が重要になります。
気密性が高いと結露するのか?
「高気密住宅は湿気が逃げないから結露する」と言われることがあります。
しかし、高気密そのものが結露の原因ではありません。
高気密住宅では、計画していない隙間からの空気の出入りを減らし、換気設備によって必要な空気を入れ替えます。
問題になるのは、高気密化したのに換気を止めたり、必要な換気量を確保できていなかったりする住宅です。
反対に、隙間の多い家では、湿った室内空気が壁の内部へ入り、見えない場所で結露する可能性があります。
断熱、気密、換気は、三つをセットで考える必要があります。
換気を止めると湿気がたまりやすい
24時間換気は、室内の湿気、におい、二酸化炭素、化学物質などを排出するために設置されています。
寒い、音が気になる、電気代がもったいないという理由で停止すると、室内湿度が上がりやすくなります。
特に注意したいのは、寝室です。
就寝中は窓やドアを閉め、家族の呼吸によって湿気と二酸化炭素が増えます。
朝、寝室の窓だけ結露している場合は、窓性能だけでなく、換気量や空気の流れも確認する必要があります。
換気設備は原則として常時運転し、フィルターや排気口を定期的に清掃してください。
暖房方法でも結露の量が変わる
室内で燃焼する開放型の石油ストーブやガスファンヒーターは、燃焼時に水蒸気を室内へ放出します。
暖房によって室温は上がりますが、同時に水蒸気も増えるため、窓などの冷たい部分で結露しやすくなる場合があります。
高断熱・高気密住宅では、エアコンや床暖房など、室内へ燃焼水蒸気を出さない暖房方式が適しています。
暖房器具を選ぶときは、温かさや燃料費だけでなく、換気と湿度への影響も確認しましょう。
暖房していない部屋にも注意する
リビングだけを暖房し、廊下、洗面所、寝室を冷たいままにすると、住宅内に大きな温度差ができます。
暖かい部屋の湿った空気が冷たい部屋へ移動すると、窓や壁で結露することがあります。
北側の収納、押入れ、家具の裏側など、空気が動きにくい場所も注意が必要です。
結露を抑えるには、家全体の温度差を小さくし、空気が動くようにすることが有効です。
収納へ物を詰め込みすぎず、外壁側の家具を壁へ密着させない工夫も必要です。
夏にも結露は発生する
結露は冬だけの問題ではありません。
夏は、外の高温多湿な空気が建物内部へ入り、冷房で冷やされた部分に触れることで結露する場合があります。
これを夏型結露と呼ぶことがあります。
特に注意したいのは、次のような状態です。
- 冷房を強く使う
- 外の湿度が高い
- 壁内へ外気が入り込む
- 防湿設計が地域や構成に合っていない
- エアコン配管やダクトの断熱が不足している
- 床下や小屋裏の湿気対策が不十分
冬型と夏型では、水蒸気が移動する方向が異なることがあります。
壁の構成や防湿層は、地域の気候と冷暖房方法を踏まえて設計する必要があります。
結露を抑える具体的な方法
結露対策は、一つの設備だけで解決するものではありません。
次の対策を組み合わせます。
- 断熱等級とUA値を確認する
- 窓の断熱性能を高める
- 断熱材を隙間なく施工する
- 防湿層を連続させる
- 気密測定を全棟で行う
- 24時間換気を止めない
- フィルターを定期的に清掃する
- 室内湿度を測る
- 加湿器を使いすぎない
- 開放型燃焼暖房を避ける
- 室内干しでは除湿や換気を行う
- 家全体の温度差を小さくする
- 家具や収納の裏側へ空気を通す
冬の室内湿度は、温湿度計を見ながら管理してください。
一般的には40~60%程度が一つの目安ですが、外気温や窓性能によっては、60%未満でも結露する場合があります。
結露対策のチェックリスト
| 確認項目 | 住宅会社へ確認する内容 |
|---|---|
| 断熱性能 | 断熱等級とUA値はいくつか |
| 窓性能 | サッシ・ガラス・Uw値 |
| 気密性能 | 全棟でC値を測定するか |
| 防湿層 | どこへ、どう連続させるか |
| 断熱施工 | 配線・配管部分をどう処理するか |
| 換気方式 | 第一種か第三種か |
| 換気量 | 各部屋の空気が流れるか |
| 暖房方法 | 室内へ水蒸気を出さないか |
| 壁構成 | 内外の湿気をどう処理するか |
| 検査 | 施工写真や検査記録を残すか |
山梨県で結露対策が重要な理由
山梨県は、地域によって気温差が大きく、冬の朝晩は冷え込みます。
甲府市、甲斐市、南アルプス市などの盆地でも、真冬には窓や外壁の表面温度が低くなります。
北杜市や富士吉田市など標高の高い地域では、さらに外気温が下がるため、窓、断熱、気密の性能が重要になります。
一方、夏は高温になり、冷房を長時間使用する家庭もあります。
山梨県の結露対策は、冬の窓結露だけでなく、夏の高温時における湿気と冷房の関係まで考える必要があります。
建築地の標高、日当たり、暖房方法、家族の生活に合わせて設計してください。
デザインハウス甲府の考え方
デザインハウス甲府では、結露対策を窓や換気設備だけの問題とは考えていません。
標準仕様は、壁厚約160mmの2×6工法、断熱等級6、UA値0.46以下です。
Low-Eアルゴンガス入りアルミ樹脂複合サッシを採用し、窓からの熱の出入りと表面温度の低下を抑えます。
全棟で気密測定を行い、C値0.7以下を基準としています。気密施工を実測で確認し、熱回収率92%の第一種熱交換換気と組み合わせます。
断熱材を入れるだけではなく、湿った空気が壁の内部へ入り込みにくい施工と、必要な換気を継続できる設計が重要です。
24坪平屋3LDKは、付帯工事、建築確認申請費、消費税込みで2,050万円。30坪二階建て3LDKは、同条件で2,200万円です。
住宅価格を安く見せるために、完成後には直しにくい断熱、気密、換気を削らないことを大切にしています。
よくある質問
新築住宅でも結露しますか?
室内湿度が高く、窓や壁の表面温度が露点温度を下回れば、新築でも結露します。
樹脂サッシなら結露しませんか?
結露しにくくなりますが、絶対に発生しないわけではありません。室内湿度、外気温、ガラス性能、換気などにも左右されます。
結露したら換気を増やせばよいですか?
湿気を排出する効果はありますが、窓や壁の断熱性能が低い場合は、換気だけで解決できないことがあります。
加湿器は使わない方がよいですか?
室内が過度に乾燥する場合には有効です。ただし、湿度計を確認せずに長時間使い続けると、結露の原因になります。
窓の結露を拭けば問題ありませんか?
表面の水滴は拭き取れますが、結露が続く原因は残ります。また、壁内部の結露は目で確認できないため、設計と施工による予防が必要です。
俺流結論
結露は、窓が悪いからだけでも、高気密だからでもありません。
湿気を含んだ空気と、冷たい部分が出会うことで発生します。
窓の水滴なら目に見えます。
しかし、本当に怖いのは、壁の中で誰にも気づかれずに発生する結露です。
断熱材が湿り、性能が落ち、カビが発生し、木材や合板が傷んでも、完成後は簡単に確認できません。
だから結露対策は、入居後に除湿器を置くだけでは不十分です。
設計段階から、窓、断熱、気密、防湿、換気、暖房を一体で考える必要があります。
「結露しないサッシです」という言葉ではなく、UA値、C値、換気方式、壁の構成、施工方法まで住宅会社へ確認してください。
私は、毎朝窓を拭く生活を当たり前にするのではなく、結露が発生しにくい家を最初からつくることが大切だと考えています。
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