Q.「説明より寒い・電気代が高い」と感じたら、御社は何を測って原因を調べますか?
A.室温と外気温、冷暖房の運転条件、電気の使用量などを記録し、設計上の前提と実際の状態を照合します。私は、寒さや高い請求額をすぐに住まい方のせいにせず、建物、設備、使い方、料金条件を順に確かめることが必要だと考えています。どの測定を行うかは症状に応じて決め、必要なら設計や設備の担当者へ調査をつなぎます。
寒く感じる場所と時間を記録します
家中が寒いのか、窓の近くや足元だけなのかで調べる範囲が変わります。起床時、帰宅時、入浴前など、気になる時間と部屋を記録してください。エアコンの設定温度だけでは、実際の室温や温度差は分かりません。
測定は、日射や暖房の吹出口の影響を受けにくい場所を選び、温度計の位置や時刻をそろえます。部屋の中央、床付近、廊下などを比較する場合も、測る高さを記録します。一瞬の数値だけで結論を出さず、外気や運転と対応する変化を見ます。
湿度、空気の流れ、周囲の表面温度も体感に関係します。必要に応じて専門的な調査を検討しますが、赤外線画像など一つの資料だけで施工不良を確定することはできません。測定条件と、そこから判断できる範囲を説明してもらってください。
請求金額と使用量を分けます
電気代が上がっても、使用した電力量が同じとは限りません。また、使用量が変わらなくても、料金単価や契約条件の変化で金額が上がる場合があります。請求書の円の数字だけでなく、使用量、対象期間、料金の内訳を確認します。
太陽光発電がある場合は、買った電気、家で使った発電、売った電気を分けます。売電の入金を請求額から差し引いた数字と、設備だけの消費電力量を混同しないでください。比較する資料が、何を含む数字なのかをそろえることが大切です。
説明時の試算があるなら、気候、世帯人数、運転時間、設定温度、料金単価を確認します。試算と違う条件で暮らしていることが分かっても、それだけで建物の調査が不要になるわけではありません。差を生む要因を整理する材料として使います。
建物と設備の状態を順に確かめます
設備では、能力、運転モード、フィルター、風量、室内の空気の通り方などを確認します。住宅側は、施工記録や計算書、窓の仕様、必要に応じた気密や断熱の調査を検討します。換気を止めて暖かくするような対策で、別の問題を起こさないことが前提です。
相談前に整理すると役立つのは次の4点です。
・寒い場所と時刻や室温の記録。
・冷暖房や換気の設定と運転時間。
・電気の使用量と料金の明細。
・契約前の説明や試算の条件。
調査の費用、実施日、結果の説明方法も先に確認します。設備の故障や施工の問題が見つかった場合は、是正内容と再確認する条件を決めます。設定変更だけで改善した場合も、何を変えてどう測ったかを残すと、その後の使い方へつなげられます。
一度の訪問で原因が分からなければ、測定期間を延ばす、季節を変えて確認するなど、次の手順を相談します。冬の症状を夏の室温だけで評価することはできません。調査できない理由と、代わりに確認できる記録を明らかにすることが必要です。
電気の検針期間が違う請求書を比較する場合は、対象の日数も見ます。長い期間の請求を一か月分と思い込まず、季節と使用日数をそろえて、違いが生じた理由を確かめてください。
私は、「高性能だから寒いはずがありません」という返答をしたくありません。感じている不便を出発点に、測れるものをそろえ、説明との違いを調べることが会社の役割です。当社へも、気になる時点の記録を添えて、具体的に相談してください。
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