甲府市 リンドウ
最近雑誌などを見ていて よく見かけるので 大空間LDK が流行っているのかな?って感じます。
この大空間LDKは 建設コストや電気代などのランニングコストのお話など伺いたいです。
また、人気の理由も教えてください。
大空間LDKは、現在の住宅のトレンドの中心と言っていいほど人気が高まっています。開放感や家族のコミュニケーションのしやすさが魅力ですが、建築コストとランニングコストの両面で注意が必要です。
大空間LDKが人気の理由
大空間LDK(一般的に20畳以上)は、以下の理由から多くの人に選ばれています。
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開放感と高級感: 壁や仕切りが少ないため、視覚的に空間が広がり、明るく開放的な雰囲気が得られます。吹き抜けや大開口窓と組み合わせることで、さらに高級感のある空間になります。
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家族のコミュニケーション促進: キッチンにいてもリビングやダイニングにいる家族の気配を感じられるため、自然と会話が生まれ、家族の繋がりが深まります。親が家事をしながら子どもの様子を見守る「見守り機能」も高いです。
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多様な使い方の実現: 広い空間は家具の配置の自由度が高く、ライフスタイルの変化(子どもの成長、在宅ワークなど)にも柔軟に対応しやすいです。リビング学習のスペース、畳コーナー、趣味の空間など、多様な居場所を設けることができます。
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来客への対応力: 大勢のゲストを招いても窮屈さを感じさせず、ホームパーティーなどにも活用しやすいです。
建設コストについて
大空間LDKは、一般的に建築コストが高くなる傾向があります。
1. 構造コストの上昇
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耐震補強の必要性: 大空間LDKは壁や柱の数が少なく、広いスパン(柱と柱の間隔)を確保する必要があります。その結果、建物の強度を保つために、梁を太くする、特殊な金物を使う、耐力壁を増やすなど、構造的な補強が必要となり、材料費や施工費が増加します。
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構造計算の複雑化: 大空間の設計には、一般住宅より詳細な**構造計算(許容応力度計算など)が必要となるため、設計費用が高くなることがあります。
2. 内装・設備のコスト
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床・壁面積の増加: LDK全体の床面積が広くなるため、単純にフローリング、壁紙、塗装などの内装材の費用が増えます。
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窓の大型化: 開放感を高めるために大開口窓を設ける場合、窓サッシ自体の価格や、高断熱・高気密な窓を採用する場合のコストが増加します。
ランニングコスト(電気代など)について
大空間LDKは、特に冷暖房費(電気代)が高くなるリスクがあります。
1. 冷暖房効率の低下
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熱容量の増大: 空間の体積が大きくなるため、快適な温度にするために必要なエアコンの出力(馬力)が大きくなり、初期の設備費がかさみます。
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暖房の非効率性: 暖かい空気は上昇しやすいため、特に冬場は足元が寒く、天井付近ばかり温まってしまう現象(温度ムラ)が起きやすく、エアコンの稼働時間が長くなりがちです。
2. 対策と工夫
ランニングコストの増大を防ぎ、大空間LDKを快適に保つためには、以下の対策が必須です。
| 対策 | 効果 |
| 高断熱・高気密化 (C値・UA値) | 最も重要です。 建築時に壁、床、天井の断熱性能を高め、窓を高性能なもの(樹脂サッシ、Low-E複層ガラスなど)にすることで、外気温の影響を遮断し、一度温めた(冷やした)空気を逃がさず、冷暖房費を抑えることができます。 |
| シーリングファン/サーキュレーター | 上昇した暖かい空気を攪拌し、室内の温度ムラを解消します。エアコンの設定温度を過度に上げ下げする必要がなくなり、電気代の節約に繋がります。 |
| 効率的な暖房設備の採用 | 床暖房や輻射熱を利用した暖房システムは、広範囲を均一に温め、体感温度を上げやすいため、大空間LDKに適しています。 |
| ゾーニングと間仕切り | 可動間仕切り(スライド式の引き戸など)を設けておき、使用しない時間は空間を仕切ることで、一時的に冷暖房する範囲を限定できます。 |
大空間LDKの実現には、高性能な断熱・気密性能を持つ住宅会社を選ぶことが、長期的なランニングコストを抑えるための最大のポイントになります。











