南アルプス市 カモミール
うちの夫はアウトドア好きということもあってたくさんのキャンプ道具を持っているのですが、先日、モデルハウで 玄関わきにある大きな土間空間に魅力を感じたようです。どうやらそこに キャンプ道具をと考えているようですが、そこで家族4人暮らしの家にもし土間をつくるなら…どの程度の広さが適当なのか教えていただきたいです。私としては、倉庫にしまってほしいと思っているのですが・・・・
ご主人のキャンプ道具収納に関するお悩み、よく分かります。モデルハウスで見た土間収納は魅力的ですが、実際の生活空間でどれくらいの広さが必要か、そしてご家族4人での生活とのバランスは重要ですよね。
ご主人のご要望と、奥様の生活スペースの確保という両面から、「家族4人暮らしの注文住宅における土間収納の適正な広さ」と「設計のポイント」についてご提案します。
家族4人暮らしの土間収納の適正な広さ
土間収納に必要な広さは、「何を・どれくらい収納したいか」によって大きく変わります。ご主人が「たくさんのキャンプ道具」をお持ちとのことですので、それらを前提とした広さの目安は以下の通りです。
1. 目安となる広さの考え方
土間収納の一般的な広さの目安は、以下のようになります。
| 目的 | 目安となる広さ (帖) | 特徴と収納できるもの |
| A. 玄関横の小物収納 | 0.5帖~1帖程度 | 簡易的な収納。ベビーカー、園芸用品、灯油缶、傘立て程度。キャンプ道具は小物に限られる。 |
| B. キャンプ道具も入る 標準サイズ | 1.5帖~2帖程度 | 多くのご家庭で採用される広さ。**キャンプテーブル・チェア、クーラーボックス、テント(小型)、靴、コート類など。 |
| C. 大量のキャンプ道具 と趣味の空間 | 3帖~4帖以上 | ご主人のようなアウトドア好きのご家庭向け。**大型テント、焚き火台、複数人分のギア、自転車、サーフボードなど、趣味の道具を広げて手入れできるスペースも確保できる。 |
2. ご主人向けのおすすめは「2.5帖〜3帖」
ご主人が「たくさんのキャンプ道具」を収納し、さらに玄関先をスッキリ保ちたいという目的であれば、最低でも2.5帖、できれば3帖程度あると余裕が生まれます。
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2.5帖(約4.5㎡): 奥行き90cm程度の棚を壁一面に設け、真ん中に道具を一時的に置くスペースを確保できます。
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3帖(約5.4㎡): 道具を収納するだけでなく、キャンプから帰宅した際に**「汚れたテントや靴を一時的に広げて乾かす(手入れをする)スペース」**としても機能させることができます。
失敗しない土間収納の設計ポイント
広さだけでなく、使い勝手を良くするために設計で考慮すべき点がいくつかあります。
1. 通路幅と扉の開閉を考慮する
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通路幅: 奥行きのある棚を置く場合、人が通れる幅(最低60cm)を確保してください。キャンプ道具は大型でかさばるものが多いため、運搬しやすい通路幅を意識しましょう。
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扉: 頻繁に出入りするなら、引き戸や折れ戸など、開けっ放しにしても邪魔にならない扉が便利です。
2. 換気と手入れのしやすさ
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換気: 濡れたり汚れた道具を置くことになるため、窓や換気扇を必ず設け、湿気やにおいがこもらないようにします。
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手入れ: 土間は水や砂で汚れます。水栓(立水栓)**を設置しておくと、ここで道具を洗ったり、土間全体を水で流したりできるので、奥様の掃除の負担が大きく軽減されます。
3. 棚の形式
キャンプ道具はサイズがバラバラなので、全てを固定棚にするとデッドスペースが生まれます。
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可動棚: 細かい道具や靴を収納するために便利です。
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ハンガーパイプ: ウェアやテントを吊るして乾かすのに使えます。
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壁面フック・有孔ボード(パンチングボード)ツールや小物を見せる収納として利用でき、使い勝手が向上します。
4. 玄関とのゾーニング
奥様が懸念されている「倉庫にしまってほしい」という気持ちは、「生活空間に趣味のものが溢れてほしくない」という思いの表れかと思います。
これを解消するために、土間収納内に「ご主人専用の趣味コーナー(汚れてもいい空間)」と「家族共用の玄関収納(靴、コートなど)」を明確に分ける設計にすると、お互いの要望を満たしやすくなります。











