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家を建てよう。ラジオ放送の質問から(2025年10月放送分3)

山梨市   DO ベストさん

これまで、賃貸マンションで気にしたことがなかったのですが

気になったことがあってメールしました。 屋根の上に乗ってしまう落ち葉です。

お家を建てようとしている場所近くには林があり・・・ 落ち葉が飛んで黒と思われます。

一般的にはどうされているのでしょうか、最近の家は、落ち葉がたまらない 雨どいがない 

家 なんてあるのでしょうか?

ご新築を検討される中で、賃貸では気にしなかった部分に気づかれるのは、家づくりに対する意識が高まっている証拠です。ご懸念の「屋根の落ち葉」は、特に周辺に林や木が多い立地では、非常に重要なメンテナンス課題となります。

ご質問に対し、「一般的な対策」「屋根・雨樋のデザイン」の視点から深掘りして解説します。

 

1. 落ち葉が溜まることによるリスク

 

落ち葉が溜まることによる主な問題は、屋根の上ではなく雨樋(あまどい)の詰まりです。

  • 詰まりと溢れ: 落ち葉やゴミが雨樋に溜まり、雨水がスムーズに流れなくなると、雨水が雨樋から溢れ出します。
  • 建物の劣化: 溢れた水が軒裏や外壁を伝って流れ落ち、軒天(のきてん)や外壁の劣化、ひいては雨漏りの原因となる可能性があります。
  • 腐葉土化と害虫: 溜まった落ち葉が湿気で腐敗し「腐葉土」になると、水をせき止めるだけでなく、虫が湧きやすい環境を作ってしまいます。
  • 高所作業の危険性: 詰まりの解消には、基本的に高所での作業が必要となり、ご自身での清掃は危険が伴い、業者に依頼するとランニングコストがかかります。

 

2. 落ち葉対策の「設計・デザイン」による解決策

 

最近の家では、落ち葉が溜まりにくいようにデザイン上の工夫を凝らすことができます。

 

A. 屋根の形状による工夫

 

屋根の形状 落ち葉への影響 特徴
片流れ屋根 比較的溜まりにくい 屋根が一方向に傾斜しているシンプルな形状。勾配がついていれば、雪や落ち葉が一方に集まり、自然に落ちやすい。ただし、水が集まる側の排水処理が重要。
寄棟屋根・切妻屋根 落ち葉が溜まりやすい 日本で一般的な形状。屋根の面が複数あり、雨樋も複数箇所に設置されるため、集まった落ち葉が雨樋全体に溜まりやすい。

 

B. 雨樋を「隠す・なくす」デザインの選択

 

 

1. 内樋(うちどい)・箱樋の採用(隠す)

 

  • **元旦内樋(がんたんうちどい)**など、雨樋を屋根材や外壁で覆って隠してしまう工法があります。これにより、雨樋が外観から見えなくなり、スッキリとしたモダンなデザインを実現できます。
  • 製品によっては、雨樋の蓋にも傾斜をつけたり、落ち葉が入りにくい特殊な構造を持たせたりすることで、詰まりにくい工夫がされています。
  • ただし、内樋は万が一詰まった場合、雨漏りのリスクが通常の雨樋よりも高いため、定期的な点検と清掃は必須です。

 

2. 雨樋のない家(なくす)

 

  • **雨樋を設置しない家(オーバーハングを大きくする)**は、モダンなデザインで採用されることがありますが、あまり一般的ではありません。
    • デメリット: 屋根から落ちた雨水が直接地面に叩きつけられ、その泥水が外壁を汚しやすくなります。また、雨水が跳ね返り、建物の基礎や土壌を濡らしやすくなるため、外壁や基礎の劣化を早めるリスクがあります。
    • 対策: 軒や庇を大きく出す、雨水が落ちる地面に砂利や「雨落ち溝」を設けるなど、十分な対策が必要です。

 

3. 落ち葉対策の「後付け」による解決策

 

最も一般的で効果的な対策は、雨樋に落ち葉除けグッズを取り付けることです。

対策グッズ 特徴と効果 注意点
落ち葉除けネット 網状のネットを雨樋の上に設置し、大きな落ち葉やゴミの侵入を防ぐ。設置が比較的容易で安価。 細い葉(針葉樹など)や土埃は網目をすり抜けて溜まることがある。詰まった際にネットを外す手間がかかる。
落ち葉よけシート ネット状ではなく、凹凸のあるシート状になっている製品(穴がない)。雨水は凹の部分を流れ、落ち葉は凸の部分に引っ掛かる。 ネットよりも細かなゴミの侵入を防げるように改良されたもの。製品選びが重要。
落ち葉止め(部品) 竪樋(たてどい:地面に水を流す縦の管)への入り口(集水器)に設置する、網やカゴ状の部品。 落ち葉がここに引っ掛かりやすい反面、ここが詰まると水が溢れるため、定期的なチェックとゴミ捨てが必要です。

 

最終的な提案

 

お近くに林があるという環境から、以下の点をハウスメーカーと相談されることをお勧めします。

  1. 屋根形状: 片流れ屋根や、軒の出(軒先が外壁から出ている長さ)を長くするデザインを検討する。
  2. 雨樋: 軒樋(のきどい)には、高性能な落ち葉よけネットやシートを設置することを標準仕様に含めてもらう。
  3. メンテナンス: 定期的な(年に1〜2回程度)雨樋の点検・清掃サービスを、メンテナンス計画に組み込めるか確認する。

これらの対策をまとめて「周辺環境(林)を踏まえた落ち葉対策パッケージ」として、建築費の中に含められるか相談してみましょう。

 

 

デザインハウス甲府
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