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家を建てよう。ラジオ放送の質問から(2025年10月放送分2)

笛吹市  みわさん

複数のメーカーを見学していると 坪単価・・・・をよく目にしますが

この坪単価、どのようにとらえるといいのでしょうか?初歩的な質問ですみません

ご質問ありがとうございます!「坪単価」は住宅業界特有の表現で、非常に分かりにくい指標です。決して初歩的な質問ではありません。

ハウスメーカーや工務店の坪単価をそのまま鵜呑みにするのは危険であり、「価格の目安」として捉え、その「中身」をチェックすることが非常に重要です。

坪単価を正しく理解するためのポイントを深掘りして解説します。

 

1. 坪単価の計算方法と「マジック」

 

坪単価は、本来、建物の本体価格を延床面積(坪数)で割ったものです。

坪単価=建物の本体価格 延床面積(坪)

ただし、この計算で使われる「面積」と「価格」の定義が、メーカーによってバラバラなため、そのまま比較できないという問題があります。

 

A. 面積に関する注意点(分母の罠)

 

メーカーが坪単価を安く見せるために、計算式の分母を大きくする手法が使われることがあります。

面積の基準 特徴 坪単価への影響
延床面積(一般的) 建築基準法上の床面積の合計。(ロフト、ベランダ、玄関ポーチなどは基本的に含まない) 基準として比較しやすい
施工面積(注意が必要) 建築工事を行った全ての面積。延床面積に含まれないベランダ、ロフト、ポーチ、吹き抜け部分なども含む。 延床面積よりも大きくなるため、計算上の坪単価は安く見える。

対策: メーカーに「この坪単価は延床面積と施工面積のどちらで計算していますか?」と必ず確認しましょう。

 

B. 価格に関する注意点(分子の罠)

 

本体価格(分子)にどこまでの工事費用を含めているかも、メーカーによって大きく異なります。

費用の種類 坪単価に含まれやすい費用(本体工事費) 坪単価に含まれにくい費用(別途費用)
本体工事費 基礎、柱・梁などの構造、屋根、内装・外装仕上げ、窓、キッチン・浴室などの主要な住宅設備。 仮設工事費(建築中の電気水道、足場代など)、設計・申請費用。
別途費用 外構工事費(駐車場、庭)、付帯工事費(地盤改良、解体工事、屋外給排水・ガス引き込み)、諸費用(ローン手数料、税金、火災保険など)。 カーテン、照明、エアコンなどの設備費用も含まないメーカーが多い。

対策: 坪単価は、家の総費用(建物代+別途費用+諸費用)の約70%程度の目安にしかなりません。「坪単価×坪数」で出た金額に、**別途費用(総額の20〜30%)と諸費用(総額の約10%)**を加算して、総額の予算を考える必要があります。

 

2. 坪単価の正しい使い方

 

坪単価は、メーカー同士の価格の絶対比較には使えませんが、以下の目的で有効活用できます。

 

1. 同じメーカーの商品を比較する

 

  • 同じハウスメーカー内であれば、坪単価の計算基準は統一されているため、「Aプランの坪単価は80万円」「Bプランは60万円」といった比較は有効です。
  • 仕様やグレードの違いが、価格にどれくらい影響するかを把握するのに役立ちます。

 

2. 家の総額予算の目安を立てる

 

  • 坪単価から算出された本体価格に、別途費用と諸費用を加えた概算を掴むことで、無理のない予算計画を立てるためのスタートラインにできます。
  • 「坪単価 = 総費用」ではないことを念頭に置きましょう。

 

3. その他の変動要素

 

同じ坪単価でも、以下の要素で家の価格や価値は大きく変わります。

  • 家の形状: 凹凸の多い複雑な形状の家や、平屋は、壁や屋根の面積が増えるため、一般的に坪単価が割高になります。シンプルな総二階の箱型が最も安価です。
  • 家の大きさ: 小さな家(延床面積が少ない家)は、キッチンや浴室といった設備費の割合が高くなるため、坪単価は相対的に割高になる傾向があります。

「坪単価」は、あくまでも「話を進めるためのざっくりとした目安」であり、「最終的な支払額ではない」と理解して、メーカーへの確認を徹底してください。

坪単価に含まれる費用のチェックは非常に重要です。もしよろしければ、**「坪単価マジックに騙されないための具体的な質問リスト」**を作成し、ハウスメーカー担当者との打ち合わせで使うことをご提案します。

 

デザインハウス甲府
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