工務店の倒産は施主にとって大きなリスクです。完全に防ぐことは難しいものの、事前に注意を払うことでリスクを大幅に下げることは可能です。以下は、住宅建築時に「工務店の倒産をできるだけ回避するためのチェックポイントと対策」です。
【1. 会社の健全性を見抜くチェックポイント】
決算情報・信用情報を確認
・ 小規模でも黒字が続いているかを確認。
-
「帝国データバンク」や「東京商工リサーチ」などで信用情報を確認可能。
工事中の物件数・受注状況
-
「今、何棟くらい同時進行していますか?」と聞いてみる。
-
無理な受注が続いている場合、キャッシュフローが厳しい可能性があります。
社歴・代表者の経歴
-
設立から10年以上の実績があるか。
-
代表者が頻繁に変わっている場合は要注意。
【2. 信頼できる制度に加入しているか】
加入しておきたい制度
制度名 | チェックポイント |
---|---|
住宅瑕疵担保責任保険(義務) | すべての新築住宅で義務。未加入は違法。 |
完成保証制度 | 加入している業者は一定の審査を通過している。 |
工事保険・賠償責任保険 | 施工中の事故や損害の対応力がある証。 |
【3. 支払いスケジュールを工夫する】
前払いを避ける(特に大きな着工金)
-
着工金:10%〜30%以内
-
中間金:工事の進捗に応じて分割(基礎完了・上棟など)
-
残金:引き渡し後に支払う形が理想
※「先にまとめて払えば割引」という業者は注意!
【4. 第三者の目を入れる】
建築士や住宅診断士(ホームインスペクター)をつける
-
工事のチェックをしてもらうことで、手抜きや未完成によるリスクを防げます。
-
工務店にプレッシャーにもなり、途中倒産しづらくなる心理効果も。
【5. 契約書をしっかり確認】
-
契約書の中に、「完成保証制度」や「瑕疵保険加入の記載」があるか
-
中途解約時の精算ルールが明記されているか
-
金銭の受け渡し条件が明確か
★不利な条項があれば、契約前に専門家(弁護士や建築士)に見てもらいましょう。
【6. こんな工務店には注意】
-
やたら「安さ」をアピールしてくる
-
毎月の完成棟数が急激に増えている
-
着工を急かす、契約を急がせる
-
金銭の支払いを口約束で済ませようとする
まとめ:倒産リスク回避のためにできること
カテゴリ | 対策 |
---|---|
会社の信頼性 | 決算、信用調査、実績の確認 |
制度面 | 完成保証制度や保険の加入確認 |
契約とお金 | 前払いを避け、契約書を精査 |
工事品質 | 第三者のチェック体制を整える |