リスナーからの質問です。
「フローリング選び」について伺いたいです。
たくさんの種類があって驚きました。
そこで深澤さんにお聞きしたいのですが、
コストとメンテナンスが選ぶ一番の理由とした場合
どんな床材がおすすめですか、またその特徴など教えてください。
フローリングの主な種類と特徴
まず大きく分けて4つあります。
① 無垢フローリング
② 複合(挽板・突板)フローリング
③ シート(化粧シート)フローリング
④ クッションフロア・塩ビタイル
それぞれコストとお手入れのしやすさが違うので、順に説明します。
① 無垢フローリング
天然の木をそのまま1枚板にしたもの。
特徴
木目・肌触り・香りが最高
経年で味わいが増す
調湿性がある
コスト
高い(材にもよりますが1㎡1.2〜2万円以上)
メンテナンス
・水や汚れに弱い
・定期的なワックスやオイル塗布が必要
・傷やへこみがつきやすい
▇コストとメンテナンス重視では不向き
「どうしても無垢の質感を」と思う方以外は、扱いやすい合板系を選ぶことが多いです。
② 複合フローリング(挽板・突板)
合板の上に「本物の木の薄い板」を貼ったもの。
「突板」→0.3〜0.6mm程度の薄い天然木
「挽板」→2〜3mmの厚い天然木
特徴
見た目はほぼ無垢と変わらない
無垢よりも反りや収縮が少ない
比較的メンテナンスが簡単 表面を削って再塗装できる(挽板は特に)
コスト
・突板→中価格帯(1㎡0.8〜1.2万円程度)
・挽板→中〜やや高め(1㎡1.2〜1.8万円程度)
メンテナンス
・無垢よりラクだが、水濡れは注意
・ワックス不要のタイプも多い
・表面の傷はつきやすいが修復可能
「質感を妥協せず、コスト・メンテナンスを抑えたいなら挽板フローリングは有力候補」
③ シートフローリング(化粧シート)
合板の表面に「木目柄のプリントシート」を貼ったもの。
パナソニックやDAIKENなどの建材メーカーが多く採用しています。
特徴
見た目はリアル(最近のプリント技術は高精細)
傷や汚れに強い
水拭きOK
ワックス不要
コスト
安〜中程度(1㎡0.6〜1万円程度)
メンテナンス
・とても楽
・ペットや子どもがいる家庭でも安心
・ただし、経年でプリントがはがれる可能性はある
・表面は削って修復できない
「コストとメンテナンス最優先なら圧倒的に有力候補」
多くの新築住宅で標準採用されています。
④ クッションフロア・塩ビタイル
塩ビ(ビニル)素材でできた床材。
「クッションフロア」
→柔らかいビニルシート。踏むとふわっとする。
「塩ビタイル」
→硬いビニルタイル。耐久性が非常に高い。
特徴
とにかく水や汚れに強い
お手入れが簡単
デザインが豊富
土足OKの耐久性(塩ビタイル)
コスト
とても安い(1㎡0.3〜0.6万円程度)
メンテナンス
・水拭きや洗剤OK
・ワックス不要
・表面の傷は補修しにくい
「脱衣所・トイレ・洗面所に最適」
ただし、リビング全面に使うと安っぽさを感じる人もいます。
コストとメンテナンスで選ぶおすすめランキング
◆総合1位:シートフローリング
・低コスト
・掃除が簡単
・ワックス不要
・デザインも進化
◆ 総合2位:複合フローリング(突板・挽板)
・本物感がありつつメンテナンス性もまずまず
・中価格帯
◆総合3位:塩ビタイル(部分使い)
・とにかく頑丈
・水に強い
・コスト最安
こんな選び方もあります。
「全部同じ床材にしなくていい」です。
例えば:
・リビングや寝室→シートフローリングor突板
・脱衣所・洗面所→塩ビタイル
・玄関土間→塩ビタイル
・趣味部屋→コスト優先でクッションフロア
組み合わせるとコスト調整しやすいです。
まとめると…
コストとメンテナンス重視なら
→ **「シートフローリング」**が一番手堅い選択。
無垢のような質感が欲しいなら
→ **「突板・挽板フローリング」**でバランスを取る。
水や汚れにとことん強い床が必要なら
→ **「塩ビタイル」**を部分採用。











