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家を建てよう。ラジオ放送の質問から(2025年7月放送分No.2)

リスナーからの質問です。

全館空調システムが気になっています。
居室はもちろん玄関から廊下まで、
家じゅうを快適な温度に保ってくれるのは魅力。・・・
ちなみに、全館空調にした場合は
他の冷暖房、例えば補助的に
エアコン・床暖房などの設置は考えなくていいのでしょうか?

▇全館空調システムの基本と特徴

*全館空調*は、1台の空調機とダクトで家中に空気を循環させ、各部屋の温度・湿度を均一に保つシステムです。

一般的なエアコンは「部屋単位」で冷暖房を行いますが、全館空調は「家全体」をまとめてコントロールします。大きな特徴は以下の通りです。

◆家じ中の温度がほぼ一定になる
→ 玄関・廊下・洗面所・トイレなども同じ温度。ヒートショック対策にもなる。

24時間運転が基本
→ 温度のムラができにくく、結露やカビも防ぎやすい。

空気清浄・除湿機能がついている場合が多い
→ 花粉やホコリをまとめてフィルターで除去できる。

◆部屋にエアコンがないので見た目がすっきり

この快適性と清潔感に魅力を感じる方が増えています。

「全館空調だけで十分?」を考える重要ポイント

「全館空調があれば他の冷暖房はいらない?」
これは多くの方が疑問に思う点です。

結論から言うと、
全館空調だけで家全体を適温に保つことは可能ですが、使い方や好みによっては補助設備が必要になる場合があります。

以下、理由を一つずつ詳しく解説します。

1. 部屋の体感温度と即効性

全館空調は「全体をゆるやかに暖める・冷やす」方式です。

例えると、
「ぬるま湯に浸かっているように穏やかな温度」
というイメージ。

しかし次のような不満が出ることもあります。

「寒い外から帰ってきてすぐに暖かくしたい」
→ 全館空調は急激に温度を変えるのが苦手。

「足元だけポカポカにしたい」
→ 床暖房や局所的な暖房のような直接的な暖かさは弱い。

特に冬は、
「室温20℃でも足元がひんやり感じる」
「肌寒いときにもう少し熱がほしい」
という感想を持つ方が少なくありません。

2. 家族の好み・生活スタイルの違い

全館空調は基本的に「家じゅう同じ温度」です。

例えば、
・寝室は18℃
・リビングは22℃
のように大きく部屋ごとに温度を変えるのは難しい。

家族の中で暑がり・寒がりがいる場合、
「寝るときだけ別にエアコンを使う」
「書斎は少し寒めにしたい」
といった個別調整用に補助エアコンをつける人が多いです。

3. 故障やメンテナンス時のリスク

全館空調は、もし機械が止まると「全館まるごと冷暖房が止まる」という弱点があります。

トラブルの例:
・機械の故障
・停電
・フィルターの詰まり
・部品交換の工事

こうした時の「非常用」として、
▇リビングや寝室に補助エアコンを設置しておく
▇脱衣所にパネルヒーターを置く
などの備えがあると安心です。

4. 電気代・ランニングコスト

全館空調は24時間運転が基本です。

もちろん断熱・気密性能が高い家なら電気代は抑えられますが、
「日中は家にいないのに全館暖房するのはもったいない」
と感じる方もいます。

この場合、
「在宅中は全館空調」
「不在が長い日は補助エアコンだけで最小運転」
という使い分けをするケースもあります。

※実際の補助設備の組み合わせ例

全館空調をメインにしつつ、以下の設備を補助用・快適性アップ用に併用する方は多いです。

床暖房(リビング・脱衣所)
・全館空調の弱点である「足元の冷え」をカバー。
・快適さを感じる人が多い。

補助エアコン(主寝室・リビング)
・来客時や個別調整用。
・全館空調が故障した場合の備え。

脱衣所・トイレのパネルヒーター
・冬の体感を向上。
・ヒートショック対策の強化。

サーキュレーター
・家の形状や間取りにより、空気の流れを補助。

「全館空調だけでOKな家」と「補助が必要な家」の違い

以下を目安にしてください。

全館空調だけで十分な家
・高気密・高断熱性能がきわめて高い
・生活パターンが一定
・部屋ごとの温度調整の希望が少ない
・「すぐに暖める・冷やす」即効性をあまり求めない

補助設備が必要になりやすい家
・在宅時間が不規則
・家族の温度の好みがバラバラ
・急速暖房・冷房の需要が高い
・停電や機械故障時に備えたい

導入を検討する際のチェックリスト

断熱性能・気密性能
→ これが低いと全館空調の効率が悪く、電気代が増えます。

全館空調の運転方式
→ 蓄熱式かヒートポンプ式か、空気清浄や除湿機能は?

メンテナンス・交換費用
→ フィルター清掃の頻度や機器の耐用年数。

補助暖房の設置可否
→ コンセント容量、スペース。

停電時の備え
→ 非常用エアコンやヒーターを置く計画。

まとめると…

理屈では全館空調だけで家じゅう快適
でも現実には「体感温度の調整」「停電・故障の備え」「家族の好み」で補助冷暖房を使う人も多い
全館空調を導入するなら、併用設備の計画を先に立てると後悔が少ない

 

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