なぜ壁の厚みが重要なのか?
Q
住宅会社の説明で、
「壁の厚みが重要です」
と言われることがあります。
でも家が完成すると壁の厚みは見えません。
なぜそんなに重要なのでしょうか?
A
結論から言うと、
壁の厚みは住宅性能の土台になるからです。
家づくりでは、
キッチンやお風呂のように目に見える設備へ注目が集まりがちです。
しかし、
実際に30年、40年と暮らした時の快適性を左右するのは、
見えなくなる部分です。
その代表が壁です。
例えば、
一般的な在来工法の柱は105mmです。
一方、
2×6工法の壁厚は約140mmあります。
その差は約35mm。
数字だけ見ると小さな差に感じるかもしれません。
しかし住宅性能の世界では、
この35mmが非常に大きな意味を持ちます。
なぜなら、
壁の中へ入る断熱材の量が変わるからです。
同じ断熱材なら、
厚い方が熱は伝わりにくくなります。
つまり、
冬は暖かく、
夏は涼しい家を作りやすくなるのです。
さらに、
壁の厚みは断熱だけの話ではありません。
例えば、
遮音性にも関係します。
壁の中にしっかり断熱材が入ることで、
外部の騒音が伝わりにくくなります。
また、
室内の音も外へ漏れにくくなります。
さらに、
配線や配管の納まりにも余裕が生まれます。
つまり、
壁の厚みは見えない部分ですが、
住み心地そのものに関わるのです。
私はよく、
壁を魔法瓶に例えます。
魔法瓶は中身が見えません。
しかし、
保温性能は壁の厚みや構造によって決まります。
住宅も同じです。
完成後は見えなくなりますが、
その壁の中に何が入っているかで、
毎日の快適性が変わります。
特に高気密高断熱住宅では、
壁の厚みは非常に重要です。
なぜなら、
住宅性能は後から追加しにくいからです。
キッチンは交換できます。
給湯器も交換できます。
しかし、
壁の厚みは完成後に簡単には変えられません。
だからこそ、
家づくりでは最初の段階で考える必要があります。
私は、
住宅性能とは設備ではなく、
建物そのものだと思っています。
そしてその基本になるのが、
壁の厚みなのです。
深澤敏仁のひと言
「私は家づくりで、
見える部分より見えなくなる部分を大切にしています。
なぜなら、
家族を守るのは壁紙ではなく構造だからです。
壁の厚みは完成すると見えません。
しかし、
その差は30年後の快適性や光熱費として現れます。
家づくりは見た目だけではなく、
中身を知ることが大切だと思っています。」










