記事詳細

ZEH水準で十分ですか?

断熱等級6・7やHEAT20 G2・G3は、どう選びますか?

ZEH水準を満たしたことだけで、すべての家族に十分な快適さが得られるとは言えません。一方、最上位の性能を目指せば予算も暮らしも自動的に最適になるわけではありません。断熱等級、HEAT20、ZEHが何を評価する言葉かを分け、自分の建築地と暮らし方に合う目標を決める必要があります。

住宅会社の説明が「ZEHだから高性能」「G3だから最高」で終わっているなら、もう一段深く聞いてください。冬にどの部屋を何℃にしたいか、夏の日射をどう抑えるか、その状態を維持する費用はいくらを見込むか。肩書きを集める前に、家族が求める生活を具体化することが大切です。

断熱等級、HEAT20、ZEHは同じ評価ではない

断熱等性能等級は建物の外皮性能を地域区分に応じて評価する制度です。ZEHは断熱に加えて設備の省エネや再生可能エネルギーを含む考え方で、外皮の基準だけを満たしてもZEH全体の要件を満たすとは限りません。環境省も断熱、一次エネルギー、ZEHを分けて説明しています。[3]

HEAT20のG1〜G3は、室温とエネルギーの住宅シナリオを目指す考え方です。公式にも、UA値を満たすことは目安と説明されています。「G2はUA値がいくつ」という一覧だけで判断せず、建築地、暖房の使い方、対象とする住宅シナリオを確認しましょう。実際の全室温度を無条件に保証する名称ではありません。[14]

さらに、ZEH、ZEH水準、GX ZEHなど、似た言葉でも確認する内容が異なります。契約する家ではどの制度や定義を用い、何を申請するのかを明記してもらってください。補助制度の名称と住宅の性能の説明も混ぜず、採用仕様と取得予定の評価を分けると、後の認識違いを防ぎやすくなります。

室温の説明に「最低13℃」などの数値が出てきたら、その定義も確認します。特定の暖房条件や気象データによる指標なのか、どの部屋と時間を対象にするのかで意味が異なります。HEAT20のシナリオを、暖房を止めても全室で必ずその温度を下回らないという約束に読み替えないようにしましょう。

同じ等級でも、地域によって条件が違う

国の断熱性能評価は、地域ごとにUA値等の基準が定められています。したがって、違う地域の事例を見て「同じ等級だから同じ室温」とは判断できません。自分の建築地で適用される基準を確認した上で、敷地の日当たりや標高など、設計に使う条件を共有する必要があります。[2]

また、断熱等級6とHEAT20 G2を、全国どこでも全く同じものとして扱う説明には注意が必要です。評価の枠組みや住宅シナリオが違うためです。名前を覚えきることより、「この計画では、どの基準に、どの計算条件で適合しているのか」を、計算書と仕様で確認する方が実用的です。

建築地が決まっていない場合でも、候補地の条件を一つに固定しすぎないようにします。盆地の市街地で考えた仕様や予算を、別の標高の高い土地へそのまま移す前に再検討してください。土地が安くても、希望する暮らしに必要な建物の計画が変わるなら、総額での比較が必要になります。

どの部屋を、どの時間に快適にしたいかを決める

「家全体を暖かくしたい」という希望は、使う部屋と時間に置き換えると判断しやすくなります。朝の脱衣室、夜の寝室、日中の在宅仕事の部屋など、家族ごとに困りたくない場所を挙げてください。家族が同時に別の部屋を使うなら、その条件で空調計画を検討する必要があります。

高い外皮性能を選んでも、空調をどこまで使うか、室内扉を閉めるかで過ごし方は変わります。住宅会社には、生活条件に合わせて目標室温と空調方法を説明してもらいましょう。「この等級なら暖房はいらない」といった断定より、使う設備と運転方法が具体的な説明の方が、暮らしに結びつきます。

予算を比較するためにも、上位案だけ全館連続暖房、標準案は一部屋の間欠暖房という条件を避けます。求める快適さを同じにして、必要な設備と消費エネルギーを比べることが大切です。性能の差と生活水準の差を混ぜた試算では、お金をかける意味が分かりにくくなります。

上位性能への差額は、建物と設備を合わせて見る

性能を上げる場合は、断熱材や窓の追加費用だけでなく、必要な空調能力や機器配置に変更があるかも確認します。ただし、「断熱を上げた分だけ設備が安くなる」と決めつけることはできません。自分の計画で何台・どの機種が必要になるかを見積もり、実際に差額へ反映させてもらう必要があります。

仮に二つの案の工事差額が150万円、年間冷暖房費の差を5万円と見込むなら、単純回収は30年です。差が2万円なら75年になります。これは相場や性能保証ではなく、計算の仮定です。借入利息などを含めずに求めた年数なので、資金計画では別に返済増と維持費も確認します。

上位性能を選ぶ理由が、光熱費の回収だけでなく、温度の安定や使い方の自由さであっても構いません。大切なのは、その価値を家族が理解していることです。「将来絶対に必要になるから」と不安だけで選ぶより、今の希望と長く住む間の優先順位に対して、差額が納得できるかを確かめましょう。

省エネの評価と、実際の請求額を混同しない

ZEHのエネルギー評価と、電力会社から来る請求額は同じものではありません。評価対象や計算条件を理解し、家電の使い方、在宅時間、電気料金、自家消費と売電などを含む家計の見込みは別に確認します。「ZEHなら光熱費ゼロ」という一言を、毎月の支払いの保証として受け取らないでください。

太陽光を増やしてエネルギー収支を整える話と、家から熱を逃がしにくくする話も分けます。発電のある時間と暖房を使う時間は必ずしも一致しないため、家計を考える際は時刻別の使い方も重要です。太陽光の容量だけで断熱の弱点がなくなるわけではない、という整理をしておきましょう。

性能の目標を決めたら、仕様変更のたびに守れているか確認します。窓を大きくした、間取りを変えた、設備を替えた場合に、最初の説明と計画がずれていないかを点検します。契約時の名称だけで安心せず、最終仕様、計算結果、取得する評価書が対応していることを確認する姿勢が大切です。

住宅会社には「この建築地で、私たちの生活時間に合わせた標準案と上位案を、性能・税込総額・空調計画で比較してください」と伝えましょう。ZEHやG2・G3の名称を目的にせず、快適に過ごせる範囲と家計に残せるお金から選ぶことが、納得できる家づくりにつながります。

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
営業時間 9:00~18:00 / 定休日 水曜日

PAGE TOP ▲
ライン
フェイスブック
ツイッター
インスタ
イベント情報
電話番号
お問い合わせ