Q. なぜ住宅会社は決算セールを行うのか?
A. 決算前に契約件数や売上見込みを増やし、社内目標を達成したいからです
住宅会社が決算セールを行う主な理由は、お客様のためだけではありません。
決算前に契約件数を増やしたい、営業目標を達成したい、展示場や建売住宅を早く売却したいなど、住宅会社側の事情があります。
ただし、注文住宅は家電や自動車のような在庫商品ではありません。
契約しただけで直ちに売上になるとは限らず、会社の会計処理によっては完成や引き渡しが必要です。それでも、契約残高や今後の売上見込みを増やせるため、決算前の契約を強く求める会社があります。
「今月だけ300万円値引き」と言われても、本当に得なのかは分かりません。
値引き額ではなく、最終的な住宅総額、標準仕様、追加費用、契約条件まで確認して判断してください。
決算セールとは?
決算セールとは、住宅会社の決算時期に合わせて行われる販売キャンペーンです。
一般的には、次のような特典が提示されます。
- 建物価格から100万円値引き
- 太陽光発電を無料で搭載
- エアコンや家具をプレゼント
- 住宅設備を無償でグレードアップ
- 外構工事費を一部サービス
- 諸費用を会社が負担
- モデルハウスを特別価格で販売
一見すると大きな得に見えます。
しかし、その特典が通常価格と比べて本当に安いのか、見積りの別項目で回収されていないかを確認する必要があります。
契約件数の目標を達成したい
多くの住宅会社には、月間、四半期、半期、年度ごとの契約目標があります。
営業担当者にも個人目標が設定されている場合があります。
決算までに目標へ届いていなければ、値引きや特典を提示してでも契約を増やしたいと考えます。
特に決算月の終盤は、次のような営業トークが増えやすくなります。
「今日決めていただければ特別価格です」
「この値引きは決算月だけです」
「店長の許可が今月までしか取れません」
「来月から資材価格が上がります」
本当に期限が決まった特典もありますが、決断を急がせるための営業手法として使われることもあります。
契約残高を増やしたい
注文住宅では、契約したその日に建物が完成するわけではありません。
契約後に詳細な設計、建築確認申請、着工、完成、引き渡しへ進みます。
そのため、契約日と売上が計上される時期は必ずしも同じではありません。
それでも契約が増えれば、会社には今後工事する住宅と将来の売上見込みができます。
金融機関や取引先、社内に対して、今後の受注状況を示しやすくなるため、決算前の契約件数を重視する会社があります。
お客様にとって大切なのは、住宅会社の決算ではありません。
自分の資金計画、土地、間取り、性能、見積りが固まっているかです。
展示場や建売住宅を早く売りたい
決算セールが本当に価格面で有利になりやすいのは、モデルハウスや完成済み建売住宅など、会社がすでに所有している物件です。
所有期間が長くなると、次の費用がかかり続けます。
- 土地の購入資金
- 建築資金の借入利息
- 固定資産税
- 維持管理費
- 電気・水道代
- 広告費
- 清掃や修繕費
売れ残った建売住宅や役目を終えたモデルハウスは、値下げして早く売却した方が会社にとって有利な場合があります。
このような物件なら、決算特価に実質的な根拠がある可能性があります。
ただし、築年数、展示期間、家具・設備の劣化、保証開始日、修繕履歴まで確認しましょう。
仕入れ先から販売支援を受けられることがある
住宅設備メーカーや建材メーカーのキャンペーンにより、キッチン、浴室、太陽光発電などを通常より安く仕入れられる場合があります。
一定数以上の発注を条件に、住宅会社へ販売奨励金や仕入れ値の優遇が行われることもあります。
この場合、設備の無償グレードアップなどに本当の価格的メリットがあるかもしれません。
ただし、不要な設備を無料でもらっても得とは限りません。
将来の修理費、交換費、電気代、メンテナンスまで考えて判断する必要があります。
注文住宅の大幅値引きには注意する
注文住宅は、お客様ごとに間取りや仕様が異なります。
完成していない家を突然300万円安くできるのであれば、最初の価格に値引き分が含まれていた可能性があります。
または、値引き後に次の項目が追加されることも考えられます。
- 屋外給排水工事
- 地盤改良工事
- 建築確認申請費
- 仮設工事
- 照明・カーテン
- エアコン
- 外構工事
- 登記費用
- 住宅ローン諸費用
- オプション工事
本体価格から200万円値引きされても、契約後に300万円追加されれば、実際には100万円高くなります。
見るべきなのは値引き額ではなく、住み始めるまでの総額です。
「今月だけ」に弱くなる心理
人は、得られる利益より、失うことへの不安を強く感じる傾向があります。
「今月中に契約しないと200万円損をする」と言われると、冷静に比較することが難しくなります。
これを損失回避の心理といいます。
さらに「残り2組」「本日まで」と限定されると、急いで決めなければならないと感じます。
しかし、数千万円の住宅を、数日の値引きで決める方が危険です。
土地、間取り、住宅性能、資金計画が固まっていない状態で契約すると、その後の変更や追加工事によって予算を超える可能性があります。
200万円の特典を逃すことより、予算オーバーした家を35年から50年かけて返済する方が、家計への影響は大きくなります。
値引きの代わりに何が削られるのか?
住宅会社も利益がなければ経営を続けられません。
大きな値引きをすれば、どこかで利益を確保する必要があります。
考えられるのは、次のような方法です。
- 最初の見積りに値引き分を上乗せしておく
- 標準仕様を下げる
- 付帯工事を別途にする
- 契約後の変更工事で利益を取る
- 建材や設備の選択肢を限定する
- 現場管理や検査の費用を抑える
- 広告上の値引き額を大きく見せる
すべての値引きが危険という意味ではありません。
重要なのは、値引き前後で仕様と工事範囲が変わっていないかを確認することです。
構造、断熱、気密、防水、保証など、完成後に簡単には直せない部分が削られていないかも確認しましょう。
決算セールで本当に得になるケース
次のような場合は、実質的なメリットがある可能性があります。
- 完成済み建売住宅を早く売却したい
- 展示期間を終えたモデルハウスを販売する
- 住宅設備メーカーの期間限定支援がある
- キャンセル住戸や発注済み設備を活用する
- 仕様と総額が契約前にすべて確定している
- 値引き理由を書面で説明できる
- 通常価格との比較資料がある
- 値引き後も検査・保証・性能が変わらない
ただし、安さだけで決めてはいけません。
希望する土地や暮らしに合わない家を買えば、価格が安くても後悔する可能性があります。
契約前に確認する項目
| 確認項目 | 確認する内容 | 注意したい説明 |
|---|---|---|
| 値引き理由 | なぜ安くできるのか | 決算だから、店長判断だけ |
| 期限 | 本当に終了日があるか | 今日契約すれば安い |
| 総額 | 入居までの費用を含むか | 本体価格だけを強調 |
| 標準仕様 | 値引き前後で変わらないか | 詳細は契約後に決定 |
| 付帯工事 | 給排水・申請費などを含むか | 土地を見ないと不明 |
| オプション | 希望内容を反映した金額か | とりあえず標準で契約 |
| 性能 | UA値・C値・耐震等級 | 高性能という言葉だけ |
| 保証 | 完成保証を含むか | 保証内容を説明しない |
| 解約条件 | 手付金や違約金 | 契約後に説明する |
決算セールで聞くべき7つの質問
住宅会社から決算値引きを提示されたら、次の7つを質問してください。
- 通常価格はいくらですか
- なぜ今回だけ値引きできるのですか
- 値引き後の住み始めるまでの総額はいくらですか
- 別途工事と未確定費用はいくらありますか
- 値引きによって変更される仕様はありますか
- 今日契約しなければならない根拠は何ですか
- この条件をすべて見積書と契約書に記載できますか
口頭だけの約束ではなく、書面で確認することが重要です。
山梨県で決算セールを判断するときの注意点
山梨県では、同じ建物でも土地条件によって総額が大きく変わります。
敷地が広ければ、屋外給排水や外構工事が高くなることがあります。道路との高低差があれば、擁壁、造成、残土処分なども必要です。
昔の田んぼや地盤の弱い土地では、地盤改良費が発生する可能性もあります。
建物を200万円値引きされても、土地調査が不十分なまま契約すれば、後からそれ以上の費用が出ることがあります。
甲府市、甲斐市、南アルプス市、中央市、笛吹市などでも、土地ごとに必要工事は異なります。
決算期限より先に、土地と建物を合わせた資金計画を確認してください。
デザインハウス甲府の考え方
デザインハウス甲府では、最初に価格を高く設定し、大幅値引きによって契約を迫る販売方法を基本としていません。
大切なのは、値引き額の大きさではなく、最終的にいくら必要なのかを契約前に確認できることです。
24坪平屋3LDKは、付帯工事、建築確認申請費、消費税込みで2,050万円。30坪二階建て3LDKは、同条件で2,200万円です。
標準仕様には、壁厚約160mmの2×6工法、許容応力度計算による耐震等級3、制震装置evoltz、断熱等級6、UA値0.46以下を含みます。
全棟で気密測定を行い、C値0.7以下を基準としています。熱回収率92%の第一種熱交換換気、8kW以上の太陽光発電、長期優良住宅、完成保証も標準です。
家を安く見せるために、構造、断熱、気密、換気、保証を削ることはしません。
費用を抑えるなら、不要な面積、複雑な形、過剰な装飾から見直す。それがデザインハウス甲府の考え方です。
よくある質問
決算月は本当に住宅が安くなりますか?
建売住宅やモデルハウスは、在庫保有費用を減らすために安くなる可能性があります。一方、これから建てる注文住宅は、値引き後の総額と仕様を確認しなければ、本当に安いとは判断できません。
決算値引きは断った方がよいですか?
条件が明確で、資金計画や設計が固まっているなら、利用しても問題ありません。ただし、値引きを失う不安だけで契約してはいけません。
「今日だけの値引き」は本当ですか?
本当に期限がある場合もありますが、即決を促す営業手法の場合もあります。期限の理由と値引き条件を書面で確認してください。
契約後に追加費用が出ることはありますか?
見積りに別途や未定が残っていれば、追加される可能性があります。契約前に土地条件を確認し、必要な付帯工事とオプションを含む総額を出してもらいましょう。
何社くらい比較すればよいですか?
社数だけを増やすより、同じ面積、性能、設備、付帯工事、保証条件で2~3社を比較する方が判断しやすくなります。
俺流結論
住宅会社が決算セールを行うのは、お客様を救うためだけではありません。
契約目標を達成し、将来の売上を確保し、会社側の数字を整えたい事情があります。
本当に安くなる物件もあります。しかし、注文住宅で突然数百万円を値引きできるなら、まず「最初の価格は何だったのか」と疑うべきです。
家づくりで怖いのは、値引きを逃すことではありません。
総額が決まらないまま契約し、後から付帯工事やオプションが増え、住宅ローンを延ばさなければ払えなくなることです。
決算日は住宅会社の都合です。
お客様の人生設計に、住宅会社の決算を合わせる必要はありません。
土地、間取り、性能、総額、返済計画がすべて確認できてから契約してください。
「300万円値引きします」より、「追加を含めて総額はいくらです」と最初から言える会社の方が、私は信頼できると考えています。
関連Q&A
- なぜ値引きができるのか?
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