Q.防湿シートと透湿防水シートは何が違う?
壁の内側と外側で役割が変わる理由は?
A.防湿シートは水蒸気を通しにくくし、透湿防水シートは水蒸気を通しながら雨水の浸入を抑える役割を持ちます。一般的な木造の断熱外壁では、室内側で湿気の侵入を抑え、外側へ乾かす構成を考えます。似たシートでも代用品とは判断しないでください。
水と水蒸気と空気を区別する
雨水は液体の水、湿気は空気中などにある水蒸気です。水を通しにくい性能と、水蒸気を通しにくい性能は同じではありません。さらに、空気の漏れを抑える気密も別の役割です。製品がどの機能を担うかを、名称と性能資料で確認します。
冬の室内は、屋外より水蒸気の圧力が高くなり、壁の外側へ湿気が移動しやすい条件があります。防湿層は、断熱層へ入る水蒸気を抑えるために設けます。シートを張った面だけでなく、端、継ぎ目、配線や配管の周囲まで連続することが重要です。
外側の透湿防水シートは、外装の内側に入った雨水を下へ流すための防水層などを担いながら、壁内の水蒸気を外側へ通しやすくします。ただし、シートの外側に乾かす経路がなければ、材料名だけで十分な排湿を保証することはできません。
一般的には透湿防水シートの外側に通気層を設け、入口と出口をつなぎます。防湿層、断熱層、面材、透湿防水シート、通気層、外装という順番と、各材料の性質を図面で確認します。工法によって構成は異なるため、一つの図をすべてへ当てはめないでください。
一枚の性能より接続と組合せを確かめる
防湿を担う層が気密層も兼ねる構成がありますが、役割は区別します。気密測定でよいC値が出たことだけで、材料を通る水蒸気への対策まで確認できたわけではありません。反対に、防湿性能の高い材料を使っても、継ぎ目の空気漏れは別に確認します。
透湿防水シートを外壁へ張れば、雨漏り対策がすべて完了するわけでもありません。窓まわり、屋根との接続、配管の貫通、下部の排水などが関係します。シートの重ねやテープ、周辺部材は、採用製品と工法の施工要領で確かめます。
仕様書と断面図で揃える項目
・室内側と屋外側のシートの製品名と役割。
・各材料の透湿抵抗と、壁全体の組合せ。
・継ぎ目、端部、窓・配管まわりの接続方法。
・通気層の入口・出口と、覆う前の検査記録。
夏には、湿気が外から内へ移動しやすい条件も生じます。冬の説明だけで一年を判断せず、冷房、地域の湿気、外装、内装まで含めて検討します。可変透湿の製品もありますが、使えばどんな断面でも結露ゼロという意味ではありません。
可変透湿のシートを採用する場合は、どの湿度条件でどう性質が変わるか、内装などに制約があるかを確認します。室内側用の製品を外壁の透湿防水シートへ流用するなど、名前が似ていることを理由に置き換えてはいけません。
断熱材の種類によって、防湿層の構成や確認方法も変わります。発泡系ならすべて同じ、繊維系なら必ず同じシート一枚で足りる、というものではありません。採用する断熱材と厚さ、外側の面材を揃えて判断する必要があります。
見積もりには、シート本体だけでなく、接続するテープや専用部材、施工を含むかを確認します。後から設備の穴を開ける場合も、どの層を貫通し、何を使って復旧するかを共有します。隠れる前の写真が、将来の工事にも役立ちます。
住宅会社には「この二枚は、それぞれ何を止め、何を通し、どこへ乾かしますか」と聞きます。シートの枚数を安心材料にせず、壁全体の湿気と水の経路を確認できます。
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参照資料 D01、D04、D05、D06










