Q.耐震等級3なら台風にも強いですか?
耐震性能と耐風性能はどう分けて確認しますか?
A.耐震等級3だけで、台風への強さをすべて確認したことにはなりません。地震の力と風の力は別に検討します。建物全体の耐風性能に加え、屋根材、外壁、窓、太陽光設備などの固定や耐風圧の仕様を、所在地と形状に合う条件で確かめてください。
地震と風では力の掛かり方が違う
地震では地盤の揺れに伴い建物へ力が生じます。風では外壁や屋根が押され、屋根や外装が吸い上げられる力なども受けます。耐震の設計をしていることは重要ですが、その等級の数字を耐風性能の数字へ置き換えることはできません。
住宅性能表示制度には、耐震等級とは別に耐風等級があります。等級1は基準法水準、等級2は基準となる風の力の1.2倍を対象とする評価です。耐震等級が3でも、耐風の評価書を取得したことを自動的に意味するわけではありません。
風の設計では、基準風速、建物の高さ、周囲の状況、形状などを確認します。山梨県も風圧力に関する取扱いを公表しており、地域によって基準風速が異なります。内陸だから台風対策は不要、という判断では進めないでください。
基準風速は、設計に用いる定義のある数値です。天気予報の最大瞬間風速とそのまま比較して、「この数字までは絶対に壊れない」と約束するものではありません。どの条件で計算したかを、設計資料で確認します。
骨組みと屋根や窓を分けて確かめる
住宅の構造躯体が強くても、屋根材や外装、設備の固定が適切でなければ、飛散や脱落の被害が生じる可能性があります。建物全体の検討と、部材の取付け方法を併せて確認します。
屋根の端部や隅などでは、部位に応じて留付けの条件が変わる場合があります。屋根材の名称だけで判断せず、下地、留付け材、間隔、端部の施工方法を確認します。太陽光の架台や室外設備についても別の固定条件を見ます。
設計図と仕様書で確認したい内容
・建築地の基準風速と、計算に用いる条件。
・構造躯体の耐風の検討方法と評価の有無。
・屋根・外壁・窓・設備の仕様と留付け方法。
・飛来物、雨の吹込み、停電時の備えの範囲。
窓は製品の耐風圧性能、サイズ、取付条件を確認します。ただし、風圧に対応することと、飛んできた物が衝突しても割れないことは別です。シャッター等を検討する場合も、目的と製品の対応条件を区別します。
大きな窓や庇、片流れ屋根を希望するときは、その形に合った計画にします。外観の印象だけで弱いと断定せず、必要な部材と固定方法を説明してもらいます。意匠変更があれば、構造側と外装側の両方へ共有します。
外構のフェンス、カーポート、物置は、住宅本体と同じ評価範囲とは限りません。別工事でも所在地の条件に合う製品と施工方法を確認し、建物や避難経路への影響を考えます。住宅の等級が敷地内のすべてを保証するものではありません。
入居後は、強風前に屋外の軽い物を片付け、点検で外装や固定部分の異常を確認します。傷んだ状態を放置すれば、当初の設計と異なる状態になる場合があります。高い場所へ自分で上がらず、施工側へ点検方法を相談してください。
火災保険等の風災補償も、設計性能とは別の話です。補償対象、自己負担、被害の調査方法を契約内容で確認します。強い仕様を選ぶことと、被害時の費用に備えることを両方考えます。
住宅会社へは「耐震等級3の説明とは別に、この屋根と窓の風への設計条件を示してください」と依頼します。地震に強いという安心だけで確認を終えず、台風で壊れやすい部位まで具体的に確かめられます。
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参照資料 S01、S08、S12










