近隣挨拶は、向こう三軒両隣だけでよい?
結論 挨拶の範囲は工事の影響から決める
A 向こう三軒両隣は考え方の目安ですが、その範囲だけで十分とは限りません。背面の家、車両が曲がる角の家、資材の搬入路、共同の通路や駐車場など、工事の影響は敷地の形と工程によって変わります。住宅会社と現地図を見ながら、音、ほこり、車両、通行に分けて対象を決めましょう。遠くまで同じ挨拶を広げること自体が目的ではありません。影響がある相手へ、必要な情報を適切な時期に伝えることが大切です。
隣接地、道路の向かい、裏側、搬入路を地図に示し、工程ごとに知らせる相手を洗い出します。
隣接する土地と住む人を確認する
敷地に接する家は、方角を問わず工事の影響を受ける場合があります。家が離れていても、隣の駐車場へほこりが届く、裏庭に足場が近づくなどの可能性を考えます。空き家や賃貸住宅、事業所がある場合は、所有者と実際に使う人のどちらへ何を伝えるかを整理してください。管理会社を通す必要がある場合もあります。住戸が多い集合住宅では、会社が管理者と案内の配布方法を相談し、施主が無断で全室へ訪問しない進め方が円滑です。
建物の位置だけでなく、駐車場、庭、管理者、実際の利用者を確認し、連絡する窓口を整理します。
挨拶する範囲は、敷地図へ隣家、道路、搬入経路、車両の待機場所、粉じんが届きやすい方向を書き込んで検討します。真向かいではなくても、狭い曲がり角で切返しをする家や、資材搬入で出入りへ影響する店舗が対象になる場合があります。戸数を増やせば十分というものではありません。誰へ、何の影響を、いつ説明する必要があるかを会社に示してもらい、距離だけで案内先を決めないようにしてください。
集合住宅が近い場合は、管理会社や管理組合へ渡せば全居住者へ周知されるかを確認します。掲示、ポストへの投函、個別説明のどれが認められるかは、建物や管理者のルールに従います。土地の所有者と実際に使う人が違う場合もあるため、挨拶を受けた相手が隣地使用等を承諾できるとは決めつけません。通常の工事案内と、個別の権利や使用条件を調整する話は、窓口と必要な書面を分けて進めます。
搬入路に沿って影響を見る
工事車両が通る狭い道、切り返す場所、道路の出入口などは、現場の隣でなくても影響することがあります。通学時間、送迎、店舗の荷さばき、ごみ収集などとの重なりも会社へ確認してもらいましょう。私道や共用部分を使う場合は、挨拶とは別に、利用条件や必要な手続きの確認が必要です。顔を出して説明しただけで、車両の待機や資材置きまで自由にできるわけではありません。知らせる範囲と、使用の承諾などを確認する対象を分けます。
通行する道、車両が止まる場所、通学や事業活動への影響を確認し、説明と使用条件の協議を区別します。
工程ごとに追加の案内を考える
解体、杭や地盤の工事、上棟、コンクリート打設などでは、普段と異なる車両や音が出る場合があります。最初の挨拶で知らせる範囲に加え、その工程の前に追加で案内する対象を決めてください。工期が延びたり、搬入経路が変わったりした場合も、必要な相手へ再度知らせます。近隣全員へ詳細な工程表を毎回配る必要があるとは限りませんが、通行や生活に直接関わる変更を知らせず進めることは避けましょう。会社の工程管理と案内を連動させることが重要です。
影響が大きい工程、案内する相手、知らせる時期、変更時の再案内を会社の工程表と合わせて決めます。
地域の窓口には案内方法を聞く
自治会や管理組合などがある場合は、地域で必要な案内や連絡方法を会社と一緒に確認します。ただし、自治会長へ知らせたから全世帯へ伝わるとは限りませんし、近隣の個別の承諾に代わるものでもありません。回覧や掲示を使う場合は、情報が届く時期と内容を確かめましょう。施主の詳しい個人情報を広く掲載する必要はなく、工事の所在地、期間、会社の窓口を中心に整理できます。会社によって対応範囲が違うため、契約する工事に何が含まれるかも確認します。
自治会、管理者、直接影響を受ける家への連絡を分け、誰か一人に伝えただけで周知済みとしません。
訪問結果を一覧で残す
現地図に、訪問済み、留守、案内投函、追加説明が必要などを書き込みます。誰に手土産を渡したかだけでなく、どの説明をして何の希望を受けたかを残すことが大切です。会社と施主が同じ一覧を使えば、説明漏れや二重訪問を減らせます。範囲を決める際に迷う家があれば、影響の可能性と案内の負担を踏まえて相談しましょう。慣習的な件数を守ることより、実際の工事計画へ合う案内を行うことが、近隣との行き違いを防ぐために役立ちます。
地図と訪問結果を対応させ、留守宅と追加説明の相手を残し、着工前に対応状況を会社と確認します。例えば袋小路の奥なら、隣家だけでなく搬入車が曲がる場所や、共用の出入口を使う家も候補になります。範囲の理由を地図で説明できると、慣習的な件数だけでは気づかない案内漏れを防ぎやすくなります。
一覧には、訪問先、訪問日、渡した案内の版、伝わった要望、再訪の要否を記します。例えば留守宅に案内を入れただけなら、『説明済み・承諾済み』とせず『案内投函』と残します。上棟時だけ搬入路が変わる場合など、当初の挨拶先へ追加の案内が必要かも見直してください。近隣の氏名や連絡先をまとめた資料は担当者間で適切に扱い、工事の情報共有を理由に無関係な人へ配らないようにします。
関連URL
1 [資料03] 山梨県警察 道路使用の許可申請
搬入路で影響する相手を考え、道路使用の相談先を確認します。
https://www.pref.yamanashi.jp/police/pk_kisei/doro_siyou/douro_siyou.html
2 [資料02] 環境省 騒音規制法の概要 建設作業騒音の規制
挨拶する戸数だけでなく、工事の影響を説明する参考です。










